ペットが亡くなってつらい、立ち直れない時(ペットロス)の対処法

様々な種類の動物が増え、その知識や環境が整うにつれ気が付けば家族のように近くにいるペット達。

今回は大切なペットが亡くなってしまって立ち直れなくなってしまっている方のための記事です。

 

 

ペットロス症候群とは。

一緒に遊んだり、子供と共に成長し友達のように接したり、時には小さな子のように甘えてきたり…ツラくて塞ぎこんでいる時にはさりげなく横にいてくれる…そんな家族以上の存在のペット達ですが、必ず別れなければならない時がやってきます。

 

別れ方も、突然の別れだったり、必然であったり…どんなに大切に育てても、殆どのペット達は私たちよりも先に別れを告げてしまいます。

そんな時、あなたはどう感じるでしょうか?

 

胸を張ってあの子は幸せだったと思えますか?そう言ってもらえる子は、勿論幸せだったのだと思います。

しかし中にはその失った辛さから、中々立ち上がれない人もいるのではないでしょうか?

 

この状態をペットロス症候群と言います。

これは近年やっと日本でも認められてきた言葉で、まだ詳しく理解してない人も数多くいます。

 

その症状は、

  • うつ
  • 不眠
  • 情緒不安定
  • 疲労
  • 虚脱感
  • 無気力
  • めまい
  • 摂食障害
  • 錯覚
  • 幻聴
  • 胃潰瘍

など様々です。

ペットを失ったショックから出た症状が、色々な障害をももたらします。中には生活にまで影響が及んでくる事もあるでしょう。

 

ここで大切なのはペットロス症候群は、ペットを飼われていた方ならなって当たり前の事なのです。

ペットロスによってつらく悲しい思いをする事を、おかしな事だとはとは思いません。

 

ペットに対する感情は人それぞれで、ペットに対してそこまでの思い入れが無い方でしたら”たかがペット”ですよね。

それを否定するつもりはありませんが、ペットを大切に思っている方の前で決して言わないでいただきたいと思います。

 

その一言で、言われた側はすべて内へと閉ざしてしまいます。”たかがペット”ではないから、ショックを受けているのです。

何気なく言った言葉は、かなりの重たさを持っているのです。

 

私は10年近く一緒に過ごしていたワンコと、事故で突然のお別れをすることになったことがあります。

ぐったりと横たわるワンコにどんなに何とかしてあげたいと思っても、替わってあげることも、輸血をしてあげることも出来ず、もう最後だからと先生に言われ連れ帰ってからは、一晩中横に座っていました。

 

抱きたいけれど、痛そうで抱っこもしてあげられない、ひたすら頭を撫で続け、明け方に息を引き取りました。

泣いて泣いて、その日は初めて仕事を休みました。行っても勝手に涙が溢れて、仕事にならないことがわかっていました。

 

この出来事からもう10数年経ちますが、未だにこの日の事を忘れることは出来ません。

もっと遊んであげれていたら、健康にいいものを沢山食べさせてあげればよかった、もっと一緒に寝たかった、あの日仕事が休みで私が家にいたらあんなつらい思いをさせずに済んだのに・・・

この時は家族を失ったというよりも、私は私のどこか一部を失った感じでした。

 

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ペットロス症候群へのプロセス

否認

きっと大切なペットを失った経験がある方なら、上記の私と同じ思いをしたのではないかと思います。

そしてこの状態が続けば様々な問題が出てきます。ペットを失った時、まず人はその出来事を「否認」します。

 

失ったショックが大きすぎて、物事を冷静に判断出来なくなります。出来なくて当然の事です。

「そんなはずはない」「何かの間違い・勘違いなんだ。」ととにかく状況を否定します。

認めてしまえば、今までいた子の存在のすべてを失う気がして、人は只々現実を拒否し続けます。そしてその次に来るのは絶望です。

 

 

絶望

ペットがいなくなると、がらりと生活は変わります。ゴハンの時間、お家の掃除の時間、散歩の時間、トイレ、好きだったオモチャ、いつも寝ていた布団。

家中にその子がいた形跡があり、その都度「ああ、もういないんだ、必要ないんだ」と事実を突きつけられます。

 

その時に拒絶していた気持ちは絶望にかわります。”絶望する”と言う事は、同時にペットを失った事を認めた事になります。

しかしこれはとても大切な事です。

 

 

受容

ペットを失った事を認めた時、その中にある自分の気持ちと向き合うことになります。

また出来事を人に話す事により、徐々に自分の中で整理されていきます。

 

”あの子はもういないんだ””いつまでも悲しんでいると、きっとあの子が心配していつまでも天国に行けれなくなってしまう”少しずつでもそう思えるようになれば、徐々に回復へと向かう事が出来ると思います。

上記の段階を踏むことにより、人はペットレス症候群から抜け出し元の生活へと戻ってきます。

 

しかしすべての人が抜け出せるとは限りません。

否認や絶望の段階で心を内へと閉ざしそのままでいると、酷い鬱状態になることもあります。そんな時は病院で受診してみてください。

 

基本的に1か月以上悲しみが癒えることなく不調が続いた場合、受診する事が勧められています。

病気じゃないし・・・と思われて、受診を躊躇う方も多いかと思います。ですが生活環境や体調に影響が出る以上、受診は必要です。

 

 

ペットが亡くなってつらい、立ち直れない時の対処法

では酷くならない為にはどうすればいいのか、その方法を書いていきたいと思います。

 

共感してくれる人に話す

これは気持ちを整理するためにとても大切な事です。相手は家族でも友人、またはSNSなどの書き込みでも構いません。

人に話したり文章化することで、頭も気持ちも整理されていきます。まとめて口にしなくてもかまいません。ただ独り言のように何の脈絡もなく話すだけでも、ずいぶんと気持ちが変わります。

 

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とにかく泣く

泣くと言う事に抵抗の多い方はかなりおられるのではないでしょうか。しかし泣く事はストレス発散にもなっていますし、気持ちを落ち着かせる事に一役かってくれます。

とても大切な事なのですが、泣いてばかりいてはダメだとか、恥ずかしいと我慢される方は多いと思います。

お気持ちはわかりますが、ペットを失った方は誰もが一度は通る道です。思い切って泣いてみて下さい。

 

 

供養をする

ペットがいなくなると、遺品の整理やご供養などしなければいけないことはわかっているのに、してしまうと全てがなかった事になりそうで躊躇ったりしますよね。

ですが亡くなったペットをいつまでもそのままにしておくわけにはいきません。ペットのご供養をしてくれる所は色々あります。

 

会場に行けなくても、葬儀用のトラックが来てくれることもあります。キチンとご供養をしてもらい、遺品を整理する事は自分自身がペットロス症候群から抜け出す為の大切な一歩になります。

何よりも亡くなった子の為に、してあげてくださいね。

 

 

お墓などの遺品を作る

ペットの遺品用のグッズも増え、作りやすくなったのではないかと思います。

ペットの毛でヌイグルミを作ってくれたり、爪などを入れて持ち歩けるロケットを作ったり、私は当時そんな知識もありませんでしたので、ワンコのシッポの毛を少しもらいました。

 

小さな袋に入れ、可愛い瓶に入れて今でも持っています。たまに見ては、あの子はこんな毛の色だったな・・・子犬の頃はもっと濃い色だった気がするのに、と感傷に浸る事もあります。

その子の一部を持っているとなかなか天国に行けれないと言う話も聞きますが、私にはとても大切な物です。

それに私が飼っていた子は少し姉のような所もあったので、いつまでも私が泣いていた方が心配するんじゃないかなと、私は勝手に思っています。

 

 

【まとめ】

いつかはいなくなってしまうとわかってはいても、いざとなるととても大きなショックを感じますよね。

頭ではわかっているのに気持ちが追い付かない。そんな気持ちは一緒に過ごした年月関係なく、感じてしまうものなのではないでしょうか。

 

私自身別れを何度も体験していますし、その都度しんどいなと思ってきました。しかし不思議ともう飼いたくないとは思いませんでした。ペットとの出会いは必然なのかなと思っています。

現に実家で飼っている猫は3匹とも捨てニャンコでしたし、2匹いるワンコのうち1匹は、知り合いから産まれた子をもらい、もう1匹は先にもらった子を美容院に連れて行った先で、犬舎から引退して里親を募集している子でした。

 

我が家で飼っているウサギは、幼稚園で産まれた子を連れ帰ってきました。どの子も運命であり、必然だったと思います。

飼い主に出来ることは、来るべくして来たペット達と共に過ごし、幸せを貰いながら、守ってあげることではないでしょうか。

 

ペットの健康診断に行く、生活環境を整えてやる、病気にいち早く気づいてやる。そんな積み重ねが、ペットを失った時、気持ちを少しでも楽にしてくれます。つらければ泣けばいいんです。

寂しければ思い出せばいいんです。そして気が済むまで泣いたら、きちんと向き合ってあげてください。その時をペットはちゃんと待っていてくれます。

焦らずに、でもほんの少しづつでも、前を向いて行けたらいいですね。決して自分を責め続けないよう、幸せな動物達との生活を楽しんでくださいね。