ザリガニの飼い方、種類、色の変え方、繁殖、餌について。ザリガニといえば日本各地に生息するアメリカザリガニを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は様々な種類のザリガニがペットとして飼育されています。
海外では食用で販売されていてペットのイメージが浸透していませんが、とても飼い込み甲斐のある生き物なのです。
ザリガニとは?
ザリガニは淡水域に生息する雑食性の生き物です。エビガニとも呼ばれ、大きなハサミとエビのような容姿が特徴的で食用やペットとして販売されています。
日本でザリガニは「ニホンザリガニ」のことを指していましたが、食用として輸入された「アメリカザリガニ」が逃げ出して日本各地に生息するようになってからはザリガニのイメージが「アメリカザリガニ」一色になってしまいました。
ザリガニの種類
ショップで販売されている主な種類は「ウチダザリガニ」「ニホンザリガニ」「ミステリークレイフィッシュ」「アメリカザリガニ」「ドワーフザリガニ」「フロリダハマー」です。
ウチダザリガニ
出典:美幌音楽人 加藤雅夫
日本生態学会の日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている北米原産のザリガニです。体長は約15cmでアメリカザリガニよりも一回り大きくなります。
シグナルクレイフィッシュとも呼ばれる本種は-33~30℃まで耐えることができます。
ニホンザリガニ
出典:Yahoo!きっず図鑑
ヤマトザリガニとも呼ばれる本種は日本固有種のザリガニです。寒い地域に生息するため夏場の高水温に注意する必要があります。
体長はアメリカザリガニの半分程度で約5~7cmです。綺麗な飼育水が必要なため、他のザリガニと比べるとやや飼育難易度が高い種類となります。
ミステリークレイフィッシュ
出典:水草工房メイキング
唯一ザリガニの中で単為生殖をする不思議なザリガニです。大きさはニホンザリガニと同じぐらいかやや大きい程度で、大理石のような美しい体色で近年人気となっています。
水位を低くしたり水換え頻度を減らして水質悪化させることで繁殖を促すことができます。流通量が少ないため価格はやや高めですが、数千円で購入できます。
アメリカザリガニ
出典:キッズ広瀬川
おそらく最も有名なザリガニではないでしょうか。生命力が強く相当水質の悪い環境にも耐えうる本種は田んぼや用水路に生息し、ザリガニ飼育の入門種といえるでしょう。
調理する際は泥抜きのため、綺麗な水に数日浸ける必要があります。生食は厳禁です。
ドワーフザリガニ
出典:Cozypara.com
体長が4cm程度までしか成長しない本種は「メキシカンドワーフクレイフィッシュ」「テキサスドワーフザリガニ」として販売されています。
大きくならないため熱帯魚との混泳が可能などと販売文句が謳われていますが、ストレスで弱ったり魚を捕食しますので単種飼育がオススメです。
ショップによっては「オレンジザリガニ」という銘柄で販売されていますが、同じ名前の異なる種類のザリガニも販売されていますので購入する際は注意してください。
フロリダハマー
出典:コクワとか淡水魚とか あとザリガニとかその他
輸入されて間もない頃は一匹数万円という高値で取引されるほど大人気のフロリダハマーですが、最近では数千円までに値段が下がりました。
美しい青色が特徴の本種は「ブルーザリガニ」のように色あせることがありません。本種はアメリカザリガニの突然変異ではなく、近縁種です。
ザリガニの飼い方
多くのザリガニは弱アルカリ性の水質を好むため底床はサンゴ砂がオススメです。
よく呼吸のために水深は浅くしないとダメと勘違いされていますが、水深は普通の熱帯魚と同じくらい深くしてエアレーションをしましょう。
大食漢のため濾過能力の高いフィルターを設置して底床の掃除を頻繁に行うことで、美しい体色を維持することができます。
餌の与え方
基本的に何でも食べますが、ザリガニ専用の人工飼料が手軽でオススメです。
同種間でも共食いをするため基本的に単独で飼育しますが、隠れ家を沢山用意できる環境なら数匹混泳しても問題ありません。
水草を入れていると抜いたり食べますので、高価な水草は控えましょう。
繁殖
ペアで飼育していると抱卵したメスを観察できます。無事にメスから離れた稚ザリガニたちは共食いを始めますので、頃合いを見て隔離する必要があります。
難易度は種類によりまちまちですが、ドワーフザリガニは繁殖させにくい印象です。水質悪化や絶食など環境を悪くすることで子孫を残そうと本能的に繁殖を促進させることができます。
アメリカザリガニの色変え
出典:佐倉ザリガニ研究所
アメリカザリガニが赤色なのは「カロチノイド」という成分を摂取するためです。よってサバなど「カロチノイド」を含まない餌を与え続けることで体液の色である青へと変色するのです。
また黄金ザリガニの餌を与えることで黄色へ変色します。いずれも色の固定はできませんので餌を与え続ける必要があります。
まとめ
衛生面で良くないイメージのあるザリガニですが、意外と綺麗な川にしか生息していなかったりと衛生的な生き物です。
強い生命力から食用として流通していますが観賞用ペットとしても魅力的なザリガニをぜひ飼育してみてください。