ペットとしてのポニーの飼育方法と種類、飼育に必要なもの、餌、値段、大きさ、掃除、小屋、水、散歩、販売価格、蹄の手入れ、ブラッシング、しつけについて。
ポニーってまず飼えるの?と思われる方も多いかもしれませんが、飼うための環境を揃えればポニーを飼うことが可能です。
ポニーってどんな動物?
ポニーとは特定の品種を指す言葉ではなく、体高147cm以下の馬の総称です。ポニーの中でも体高が80cm以下のものはミニチュアホースとも呼ばれています。
ポニーの種類にも色々あり、犬と同じくらいの大きさしかないものや、普通の馬より少しだけ小さいものもいます。
ポニーの魅力は?
ポニーの魅力は、まずその体の小ささから馬よりも飼いやすいという点です。特にファラベラは犬と同じくらいのサイズしかないので、馬や他のポニーに比べて飼いやすいです。
そしてポニーはとてもおっとりしていて人によく懐くため、コミュニケーションをとりやすく、人や動物にあまりおびえることもなくとてもおおらかな性格なのも魅力です。
入手方法と値段は?
ポニーは牧場や乗馬クラブなどから入手することができます。値段はバラつきがありますが、約20万~100万ほどです。
写真や性格について詳しく書かれているホームページもありますが、実際に親馬・子馬を見てからのご購入が望ましいです。
ポニーの種類
実際にポニーを飼うにしてもどのような種類がいて飼うにはどの子が向いているのか気になるかと思います。主なポニーの種類や、それぞれの特徴をご紹介します。
ファラベラ
出典:「みんなの乗馬」ブログ
「ファラベラ」というポニーは犬と同じくらいのサイズしかなく、普通の馬と並ぶと赤ちゃんのようにも見えます。その小さな姿は可愛いの一言です。
丈夫で寿命も長く、20~30年生き,人に懐きやすいため人気です。ですがあまりにも小さいため乗馬はできないので乗馬を考えている方には向かない種類となります。
学習能力が高く、ホースショーなどにも使われています。
シェトランドポニー
出典:ワンコ達との暮らし+FX
他にも小柄なポニーで言えば「シェトランドポニー」という種類がいます。
ファラベラよりは大きいですが、ポニーの中では小柄で、子ども用の乗馬等で活躍しています。丈夫で力強く、寿命も長いです。30年以上生きることもあります。
ですが蹄葉炎を発症しやすいというリスクや、大きな馬に比べ心疾患になりやすいというリスクがあるため、注意が必要になります。
ハフリンガー
出典:「みんなの乗馬」ブログ
大人でも乗馬可能なポニーには、「ハフリンガー」がいます。イタリア、オーストリア、ドイツのバイエルン地方が原産の品種となっており、体の幅が広く、筋肉も発達していて大人でも背中に乗せることができます。
ハフリンガーは日本にも輸入しており、パワフルで見た目も綺麗なことから、乗馬クラブでも人気のポニーの一つです。
上記の種類はポニーの中のほんの一部です。他にもフェルポニー、ウェルシュポニー、日本在来馬などがいます。
ポニーの飼育に必要なものは?
ポニーの飼育は、小屋、放牧場、餌、家畜の獣医さんの手配が必要になります。
小屋
小屋の大きさは約3.6m×3.6m程度あればよいでしょう。ファラベラのようなミニチュアホースでしたら、約1.5m×1.8m程度あれば大丈夫です。
広ければ広いほどポニーがゆったりと休めますのでストレスが軽減されます。できる限り広い小屋を用意してあげましょう。
床はコンクリートや板張りなど、掃除がしやすいものがよいです。そのままですとポニーが寝ころんだ時に擦れてしまいますし、ポニーは寒さや暑さに弱いですので、ワラやおがくずなどを敷き詰め、ポニーが寝ころんだ時に床面に触れないようにしてください。
放牧場
放牧場は10畳ほどあればよいでしょう。ミニチュアホースの場合はそれほど広い放牧場がなくても大丈夫ですが、広い場所に連れて行って放牧したり、散歩が必要になります。
放牧場を作る場合は、木柵や鉄柵、電気柵などの柵で放牧場を囲み、水飲み場と雨風を避けられるスペースを用意してください。馬は新鮮な草を食べるのが好きなので草が生えているのが理想ですが、生えていなければ牧草を置いて置きましょう。
餌の与え方
餌はチモシー(乾草)やヘイキューブ、ふすま、大麦などを与えましょう。1日に2~3回に分けて与えるようにしてください。
餌はお近くの農協や、乗馬クラブなどで購入することができます。また、おやつをあげたい場合はにんじんやりんごなどがよいです。
水はいつでも飲めるようにバケツなどの入れ物にたっぷりと入れておいてください。バケツのような倒れるものでしたら、倒してしまうと飲めなくなってしまうので注意が必要です。
ミネラル塩も小屋の中に設置して、ポニーが舐められるようにしておきましょう。
家畜の獣医さん(場合によっては装蹄師さんも)
ポニーを迎え入れる前に、いざというときのために獣医さんを探しておきましょう。普通の動物病院では診てもらえない場合が多いので、家畜の獣医さんを探す必要があります。
また、馬の蹄は伸びるので、定期的に蹄を手入れしてあげる必要があります。蹄の手入れをしないと病気になる可能性がありますのでとても重要です。ご自分で削蹄できない場合は、装蹄師さんも探しましょう。
ペットとしてのポニーの飼育方法
ポニーをお迎えしてからの飼育方法についてご説明します。
餌や水
餌は1日2~3回に分けてチモシー(乾草)やヘイキューブ、ふすま、大麦などを与えましょう。
水はいつでも飲めるように常にたっぷりと用意してあげましょう。
小屋にはミネラル塩も設置して、ポニーがいつでも舐められるようにしておきましょう。
また、おやつは与えすぎないようにしましょう。パンなどもおやつに入ります。与えすぎると病気になるため注意が必要です。
掃除
毎日こまめに小屋や放牧場の掃除をしてあげましょう。不衛生にすると病気にも繋がります。小屋を掃除するときはポニーを放牧場に出し、糞や尿と一緒に汚れたワラ等を取り除いてあげてください。その後、新しいワラ等を敷き、餌や水を交換してあげましょう。
放牧場の掃除をするときは糞や食べ残しの餌等を取り除きましょう。ポニーを傷つける原因にもなる石やゴミ等も取り除いてあげてください。また、ポニーが食べない有毒な草などがあれば抜いてあげましょう。
散歩
放牧場が用意できない場合、毎日30分以上の散歩が必要になります。30分以上と書きましたが、できれば1日2回、1時間以上散歩してあげるようにしてください。その際にポニーがした糞は持って帰るようにしましょう。
ポニーの手入れ&コミュニケーション
ポニーの健康を保つためにも、毎日のお手入れやコミュニケーションをとるようにしましょう。お手入れの際に体の隅々まで見てあげるようにして、異変にいち早く気付けることが望ましいです。
蹄の手入れ
蹄は馬にとって第二の心臓とも言われるほど大切な場所になります。ですのでしっかりとケアしてあげましょう。
蹄は伸びますし、様々な要因ですり減ったり削れたりします。そのままにしておくと蹄の一部分のみが地面について、宙に浮く部分が出てきたりもします。
それを防ぐために削蹄というケア方法がありますが、馬の蹄を削るのは難しいので、少しでも難しいと感じる場合は無理せず装蹄師さんに頼むようにしましょう。
蹄の裏にたまったゴミや土を裏堀りして取り除き、蹄底全体を入念に洗浄する、蹄洗というケア方法もあります。蹄は乾燥するとひび割れを起こしてしまうこともあるので蹄油を塗布し、乾燥を防止することも大切です。
ブラッシング
馬はとても綺麗好きです。また、ブラッシングをすることで馬がリラックスするという効果もありますので、声をかけたり撫でたりもしながらスキンシップも兼ねて、毎日行うようにしてあげましょう。信頼関係を築くことにも繋がります。
しつけ
犬のようにはいきませんが、ある程度はしつけを行うことも可能です。ポニーは温厚とはいえ、全く噛まないわけではありませんが、主従関係をはっきりさせ、しつけができれば噛むこともなくなります。トイレのしつけはできないです。
乗馬を考えている方は、乗馬慣れしているポニーでしたら問題はありませんが、乗馬慣れしていないポニーは乗馬できるようにしなくてはいけません。背中に乗っても暴れないようにする必要があります。
ポニーは馬より小さく温厚で飼いやすいとはいえ、お世話はやはり毎日しなくてはいけませんのでしっかりとご検討のうえお家に迎えてあげてください。
また、馬となると飼われている方が多いわけではないので、馬についてあまり知らない方が急にポニーの後ろに現れたりすると、びっくりして蹴るなんてことにもなりかねませんので特にお子様などには注意してください。素敵なポニーと巡り合えてお家に迎えることができますように。