ふわふわの毛に長い耳、ちいさなしっぽ、愛くるしいつぶらな瞳。ウサギと一緒に暮らしてみたいなあ、と考えたことのある方も多いのではないでしょうか?
鳴き声も静かなため室内で飼えることから、一人暮らしの方を中心に大人気のウサギの飼い方、飼育に必要なもの、餌、寿命、販売価格、散歩、大きさなどについて紹介。
うさぎを飼う前に知っておくべきこと
ペットショップなどで見かけるウサギは全てアナウサギという種類のウサギを品種改良してできたウサギです。
特徴的な大きな耳は、肉食獣などの天敵から身を守るために小さな音でもよく聞けるように出来ていて、まんまるな瞳は視力は弱いですが、ほぼ360度が見えるように出来ている優れものです。
このように草食動物として身を守るためのつくりからもわかるように、ウサギは警戒心が強い動物です。
しかし、愛情をもって接し信頼関係を築けば、「撫でて」とすりよってきたり、後をついてまわってくれたりと、もちろん個体差はありますがなついてくれるペットと言えるでしょう。
頭も良く綺麗好きなのでトイレもきちんと覚えてくれるおりこうさんで、性格は温厚で飼いやすいです。
大人しそうに見えますが、運動神経はバツグンです。
時には大きな後ろ足で1m近くジャンプしたりすることも出来るので、ケージの天井を開けたままにしていたら飛び出してしまった!なんて事もあるのです。
ちなみに後ろ足をダンダンと大きな音を立てて鳴らす時は怒っている時です。そっとしておきましょう。
ピョンと飛び跳ねる時は楽しい、嬉しい時です。飼い主さんの周りをグルグル回る、鼻でツンツンしてきたら遊んでほしい時です。
うさぎの行動の意味や気持ちが知りたい方は
大きさ
ひとえにウサギと言っても、小型のウサギから大型のウサギまで様々な種類があります。
ペットショップなどでよく見かけるミニウサギという種類だと、成長すると約1.5kg〜3kgほどの大きさになります。
あまりミニウサギではないのでは…?と思われるかもしれませんが、ミニウサギと言っても小さい種類という訳ではなく、実際は雑種のウサギの総称なのです。
一番小さな種類はネザーランドドワーフという超小型のウサギで、成長しても約0.8kg〜1.2kgという小ささです。
一方、一番大きな種類とされるフレミッシュジャイアントは平均では約8kg~10kgになりますが、20kgでギネス記録に認定された子もいるほどです。
20kgというと中型犬と同じくらいといえば想像がつくでしょうか?
暑さと寒さ
ふわふわの毛に覆われたウサギは暑さはもちろん、実は寒さにも弱い動物です。
ウサギの快適な温度は20度前後とされているので、夏も冬も温度管理が必要になってきます。
地域にもよりますが、夏場は一日中エアコンをつけているというお家がほとんどだと思います。
寿命
ウサギの寿命は約5年〜7年ほどと言われています。最近では中には10年以上長生きするウサギもいます。
選び方
ペットショップへ行くと、ちいさな仔ウサギがたくさんいますね。ちいさければちいさいほど可愛く見えてしまうかと思いますが、生まれて間もない仔ウサギはとてもデリケートで、少しの刺激で体調を崩してしまうことがあります。
そして抵抗力が弱いためにそれが生命に関わってきてしまうのです。ですのでまずは生後3ヶ月を過ぎたウサギを選んであげると良いでしょう。
そして元気なウサギの見分け方ですが、鼻水・目ヤニが出ていないか?下痢でお尻が汚れていないか?やせて骨ばっていないか?を良く見ましょう。
ずっと見ていても全く身動きを取らないウサギも、大人しい子に見えるかもしれませんが具合が悪い可能性もあり心配です。
ほとんど見かけませんが、ケージの中がいつも汚れている、水のボトルに苔が生えているなどと行った管理の行き届いていないペットショップも中にはあります。
そういったお店では購入を控えた方が良いでしょう。
うさぎの販売価格
値段も重要だと思いますが、
- 小型種のネザーランドドワーフは13000円〜20000円
- 耳の垂れたホーランドロップは15000円〜30000円
- 丈夫な雑種のミニウサギは2000円〜8000円
と、種類によって値段も様々です。
うさぎ飼育に必要なもの
ケージ
ウサギ用のケージを用意しましょう。一羽で飼うのであれば市販されているウサギ用ケージで十分です。
ケージの床にも種類があり、網かメッシュタイプのものが衛生的ですが、足がちいさいウサギは穴に足が引っかかってしまう事もありますのでウサギの大きさに合わせて選びましょう。
木製のスノコを敷くのも良いでしょう。網の下が引き出しになっているものがお掃除もし易くてとてもおすすめです。
餌入れ
ケージの床に置くタイプやケージに取り付けるタイプなどがあります。
ひっくり返して遊んでしまうウサギもいるので好みに合わせて選びましょう。
水入れ
ボトルをケージの外側に取りつけるタイプとケージの床に置く器のタイプがあります。
うっかりひっくり返してしまったり足を突っ込んでしまう事もあるので、ボトルタイプが便利です。
水を飲むと死んでしまう、という迷信もありますが、生き物ですので水分がなければ生きていけませんのできちんと用意してあげて下さいね。
エサ
エサはとチモシー(牧草)とペレットを用意しましょう。
ペレットは一日に決められた量だけ与え、チモシーは食べたいだけ与えてOKなので食べ放題にしておきましょう。
ペレットには仔ウサギ用やシニアウサギ用、ハードタイプやソフトタイプなど色々な種類がありますので、ウサギの年齢や状態に合わせて選びましょう。
意外とグルメで好き嫌いもあるので、せっかくいい物を買ってきたのに一口も食べない…なんていう事もあります。
その場合は好きなものを探して選んであげるしかありません。
ペレットをあまり食べなくてもチモシーをたくさん食べているならあまり心配しなくても大丈夫です。
トイレ
綺麗好きのウサギはトイレの場所をちゃんと覚えます。ウサギがきちんと乗れる大きさのものを用意してあげましょう。
トイレの網の下にはトイレ砂を入れるようになっているので、木や紙で出来たトイレ砂かペットシーツを敷きます。
ただ、いたずら好きなウサギだとペットシーツだと引きずり出して齧ってしまうこともあるので気をつけて選んであげて下さい。
かじり木
げっ歯類であるウサギの前歯はずっと伸び続けます。
ですので硬いものを齧って削らないと噛み合わせが悪くなり、エサが食べられなくなってしまったり、最悪の場合顎に刺さってしまうこともあるため、かじり木は必需品なのです。
ブラシ
ウサギには換毛期というものがあり、一年に2度気温に合わせて毛が生え変わります。
長毛種のウサギを飼う際にはブラシは特になくてはならないもので、何もせずにいると毛玉だらけになってしまいます。
毛玉だらけになってしまうと皮膚病になってしまうこともあるので定期的にブラッシングしてあげるようにしましょう。
爪切り
ウサギの爪が以外と太いので人間用の爪切りでは難しいのでウサギ用のものを買いましょう。
初期費用は、必要なものを全て合わせて1万5000円〜2万円あれば十分に揃えられるかと思います。
月の飼育費用は、エサやチモシー、トイレ砂などの消耗品で2000円〜5000円くらい、夏や真冬はエアコンなどの電気代もかかってくることになります。
うさぎの飼い方
ケージや道具を揃えてウサギをお迎えしたら、気をつけることが三つあります。
構い過ぎない
一つ目は、お迎えして数日はそっとしておく事です。
触りたい、抱っこしたい、と思ってもぐっと我慢して下さい。とても警戒心の強い動物なので、突然環境が変わりとてもストレスを感じています。
家に連れてきた当日はエサや水をセットしてケージに入れたら、出来るだけ静かにし、そっと見守るだけにしてあげて下さい。
二、三日して怯える様子がなければ少しずつ少しずつふれあうようにして行きましょう。
齧られそうなものは事前に
二つ目は、齧られそうなものを隠す事です。
歯が伸び続けるウサギは齧れる物はなんでも齧ってしまいます。
コードを齧って感電してしまったら大変です。コードにカバーをつけたり隠したりと対策をしましょう。
コードだけではなくラグやカーテンなどを齧るウサギもいます。布類は消化できないので最悪の場合腸が詰まって死んでしまう事もあります。
隠せないものがある場合は、ウサギを部屋に放す時は目を離さないように気をつけて下さい。
与えるべき餌とダメな食べ物
三つ目は、食べさせてはいけないものがある事です。
チモシーとペレットだけを与えている場合はいいのですが、草食動物ですし野菜をあげたくなりますよね。
勿論野菜をあげる事は悪い事ではありません。具合が悪くて食欲がない時でも野菜を食べてくれる事もありますし、水分補給にも良いです。
しかし、ウサギにはよくないものもあります。良いものでもあげすぎると水分過多で下痢をしてしまう事もあります。以下のものはあげないように気をつけて下さい。
- ×ネギ・玉ねぎ・ニラ
- ×ジャガイモ・さつまいもなどの芋類
- ×アボカド
- ×アスパラガス
- ×なす
- △キャベツ・トマト・きゅうり
- △ほうれん草・レタス
上記以外にも、球根類、観葉植物、山菜類などの草木、チョコレートやパンなどの人間の食品ももちろん与えてはいけません。
毎日きちんと観察してあげ、少しでも様子がおかしいな、と思う事があれば獣医さんに診てもらうようにしましょう。
その為にはウサギを診てくれる動物病院を見つけておくことが大切です。
一番最初お迎えした時は警戒してこんな感じでおどおどしているので、できるだけ遠くから見ている程度に構い過ぎないようにしてあげましょう。
散歩もできる?
他にはうさんぽと呼ばれるうさぎのさんぽをさせてあげる人もいるようです。
これはうさぎ用のハーネスを付け、公園や草が生えているところを歩かせてやると言うものですが、環境によって危険がないかよく確認してくださいね。
犬が散歩していたら襲ってくることもあるので、ゲージや移動用のカゴに戻してあげて下さい。
土の上ではうさぎが興奮して活発になることがよくあるようです。うさぎは本来俊敏な動物なのでハーネスが抜けて逃げ出したなんてことになると、うさぎにも危険なので気を付けてください。
生後5、6ヶ月くらいから時間も最初は短めに切り上げ、段々慣れてきたら長くする方が環境にも慣れていいでしょう。
うさぎは野草を食べたり、走ったりすることでとても喜びます。そんな仕草を見るのも飼い主さんにとっては嬉しいですね。
ウサギは愛情を持ってお世話をすることで、名前を呼ぶと振り向いてくれたり、お腹を見せてくつろいでくれたりと、とても可愛い姿を見せて癒してくれるようになります。
正しい飼い方をきちんと学び、大切な家族の一員としてウサギを幸せにしてあげましょう。