近年ペットとしてうさぎが人気を集めている理由の一つに、しつけが楽、しつけの必要がないということがあげられます。
うさぎの噛み癖、トイレ、名前を覚えさせる、叱り方、抱っこ、爪切り、なつかせ方などのしつける方法について紹介します。
ウサギのしつけ方 ウサギがなかなかトイレを覚えてくれない…、なんて事もありますよね。
ウサギと暮らす上で、飼い主さんもウサギもお互いが快適に過ごすためにはしつけをすることも大切です。
しかし、しつけと言っても、『人間の言うことを聞かせる』というやり方であってはいけません。
ウサギを飼うという事はウサギと暮らすという事だと思います。 従えるような気持ちでいては良い信頼関係は築けず、信頼関係がなければしつけも入りません。
誰だって怖い人や嫌いな人の言う事は聞きたくありませんよね。
ウサギだって同じです。 ウサギは臆病な動物ですので、叩いてしまったり必要以上に大きな声で怒鳴りつけてしまうと恐怖でいっぱいになってしまい信頼関係は築けません。
やらせるのではなく、ウサギが自発的にやるように仕向けるのが良いやり方です。
うさぎは賢い動物?
まず、ウサギは頭の頭の良さは、一般的には猫と同じくらいと言われています。
猫の知能は人間に例えると1歳半〜2歳くらいと言われていますので、ある程度は人の言う事が理解できるという事です。
意味がわかるというよりは、『こうすると、どうもこの人間は嫌がるようだ』という感じでしょうか。
ただ視力が悪いので、ほとんどはよく発達した耳と鼻で『音や声』『匂いや気配』として認識しています。
エサを袋から出す音で走り寄ってくるウサギもいますし、もっとすごい子だと飼い主さんの車の音を聞き分けて玄関で待っているようなウサギもいるくらいです。
こういったウサギ達からわかるように、経験を積み重ねて学んでいくものですので飼い始めてすぐにお利口にしてくれるという訳にはいきません。
うさぎを慣らす、なつく方法
しつけをする前に大切な事は、まず信頼関係を築く事です。個体差もありますが、触られる事に慣れていないウサギには撫でて褒めるという事が通じません。
病気やケガの際にも触らせてくれないなんて事態も避けたいですよね。
しつけ以前に、爪切りやお手入れなど触られる事に慣れている方がいい事もたくさんあります。慣れてもらうところからじっくり始めましょう。まずはウサギの様子をよく見てください。
ケージの扉を開けた際に、隅で目をまん丸にして縮こまっているような場合はとても警戒しています。そんな時はケージに手を入れたりせず、ケージの中でウサギが自由に動けるようになるまでは根気よく待ちましょう。
扉を開けても警戒した様子がなくなってきたら、そっと背中を撫でてあげて下さい。真上や真後ろから急に触られると驚いてしまうので気をつけて下さい。
ウサギとふれあう時は焦らず優しくゆっくりと、が基本です。
ウサギは頭や眉間、背中を撫でられるのが好きな子が多いのでまずはそこから撫でてみましょう。
中には首の裏や頬を撫でられるのが好きな子もいますので、ウサギに合わせて好きな場所を探してあげるといいですね。
撫でられる事に慣れてきたら、次は手からエサやおやつをあげてみましょう。
指で持ってあげてしまうと間違って噛んでしまう事がありますので、食べやすいように手のひらにペレットを乗せてそっとウサギの前に出します。
嫌がって前足て引っ掻いてきたりそっぽを向いてしまう事もありますので、その時は無理強いをせずやめましょう。
エサを手から食べてくれたり、撫でられるのを喜んでくれるようになったら随分慣れてくれていると思って良いです。 そうなればしつけもしやすいですね。
うさぎのしつけ方
褒め方
うさぎを褒めるときに有効なのは、なんといってもおやつです。いいことをしたとき、悪いことをしなかったときに一つ与えましょう。
その行為をした、しなかった後すぐに与えるのがポイントです。
しかしおやつをしつけに使う場合、他の場面でおやつを与えてはいけません。何もしなくてももらえると、おやつのありがたみが減少してしまい、しつけの効果も薄れます。
またいいことができたら、優しく声をかけてあげましょう。名前を呼んであげるといいでしょう。撫でられるのが好きな子は撫でながら声をかけてあげてください。
叱り方
有効な叱り方は、手や足で床を叩いて大きな音を出すことです。うさぎは怒ったり警戒しているときに後ろ脚を床に叩きつけて音を出し、意思表示します。
このときの音と似た音を出すことで、飼い主が怒っていることを伝えるのです。叱るときは、うさぎが悪いことをしたらすぐ叱ってあげる必要があります。
時間が経ってからだと、何に対して叱られたのかわかりませんし、何もしていないのに怒られた、いじめられたと思ってしまいます。
また決して叩いたり耳を掴んだりしてはいけません。びっくりするだけですし、怪我にも繋がります。
また叱るときは名前を呼んではいけません。名前を呼ばれる=叱られると覚えてしまうと名前を呼ばれるのが嫌いになってしまいます。
トイレのしつけ
しつけで一番の基本はトイレです。決まった場所でトイレをしてくれたほうが掃除が断然楽ですし、臭い対策にもなります。
うさぎの体におしっこがつくのを防ぎ、お手入れも楽ですし皮膚病予防にもなります。
うさぎは元々一ヶ所に排泄をする習性、身を守れる安全な場所で排泄する習性があります。野生では自分の臭いをいろいろな場所につけてしまっては外敵に居場所がわかられてしまうからです。
これらの性質を利用すれば、トイレのしつけは比較的簡単にできます。まずはトイレの場所を決めます。ケージの隅の方が覚えやすいので四隅のどこかにしましょう。
また寝床から離れた場所で排泄する習性もありますので、できれば寝床とトイレを離してあげます。
次にトイレにおしっこの臭いをつけます。自分の臭いがある場所で排泄する習性を利用するのです。
おしっこを染み込ませたティッシュやトイレ砂をトイレに置きます。トイレの掃除は毎日行いますが、あまり綺麗にしすぎないようにします。
トイレに自分の臭いがなくなってしまうと、どこがトイレだかわからなくなってしまい、振り出しに戻ってしまうからです。
臭いのついた砂を少しだけ残しておく等工夫しましょう。大切なのは、トイレ以外の場所のおしっこの臭いはしっかり取ることです。
いろいろな場所に臭いがついていては、どこがトイレだかわからなくなってしまうからです。ただ拭いただけでは臭いは取れません。うさぎに安全な消臭剤で拭いてあげてください。
名前を覚えさせるしつけ
うさぎは頭がいいので、自分の名前を覚えて呼ばれたら走ってきたりもしてくれます。そんなことされたら、可愛いですよね。 名前を覚えさせるコツは、おやつやご飯を使うこと。
名前を呼んだあとにおやつをあげる、毎日名前を呼んでからご飯をあげることを繰り返すと覚えてくれます。うさぎが名前を呼ばれて反応する様子が見られたら、少し離れた場所から呼んでみてください。
寄ってきたら欠かさずおやつです。徐々に距離を長くしていくと、遠くからでも呼ばれたら走ってくるようになってくれます。
ここで大事なのが、寄ってくるまでおやつを見せないこと。最初におやつを見せてしまうと、おやつがないときは来ない子になってしまいます。
抱っこのしつけ
うさぎは元々体を触られるのを嫌がる子が多いのでむやみに抱っこするのはオススメできません。
しかし、ブラッシングや爪切り、耳掃除等お手入れのときにはどうしても抱っこが必要になります。
日頃から抱っこに慣らしておくとお手入れの際飼い主側も楽ですし、うさぎもストレスになりません。
できれば小さい頃から慣らしておくと、抱っこを嫌がらない子になります。 抱っこに慣らすコツは、まずはおやつです。
抱っこしている最中におやつを与え、抱っこされるといいことがあると教えます。膝の上でご飯を与えるのも良いでしょう。
また、嫌がっても離さないことも大切です。離してしまうと、うさぎは嫌なら逃げられるのだと学習し、次からも逃げるようになってしまいます。
最初は膝の上に乗せることから慣らし、徐々に抱きかかえるのにも慣らしましょう。
うさぎは不安定な体勢だと落ち着かないので抱っこが嫌になってしまいます。お尻を支えてあげると安定します。
噛み癖のしつけ
うさぎの歯は一生伸び続けるので、常に硬いものを齧って歯の長さを調節しないといけません。
うさぎがものを齧るのは本能であり、必要なことなのです。そのため、完全に齧るのをやめさせるのは不可能と思ってください。
齧ってほしくないものは齧れないようにガードする、その代わり自由に齧れるおもちゃを用意するなど工夫してあげましょう。
しかし、人間のことを齧るのは問題ありですので、しつける必要があります。噛むのを直すのに有効なのは、噛まれても無視をするということです。
噛んでも都合のいいことは起こらないと覚えさせるためです。
例えば爪切りをすると噛む場合、噛まれたからといって爪切りをやめると、うさぎは噛めば自分の要求が通ると覚えてしまいます。
無視し続けても直らない場合は、上記の叱り方で叱ってください。
いかがだったでしょうか?このように、犬程ではないにしても、うさぎにもある程度のしつけは必要なのです。
これからうさぎをお迎えしようと思っている方は、是非小さい頃から適切なしつけをしてあげてください。
今現在の飼われていてしつけに困っている方も、うさぎは頭がいい動物なので根気強く正しくしつければきっと覚えてくれますよ。