チンチラの飼い方、飼育に必要なもの、餌、飼育ケージ、回し車、砂、齧り木、トイレ、温度、夜行性、おやつ、水について。
チンチラとは齧歯目の動物、つまりネズミの仲間です。アンデスの標高3000〜4000メートル程の高地に生息している動物です。
丸い体に可愛らしい顔立ちをしており人懐こく、臭いも声もほとんど気にならないのでペットとしても人気があります。
チンチラの飼育に必要なもの
ケージ
チンチラはとても運動能力が高い動物です。走るのが速く、高地に生息している為ジャンプ力にも優れています。
動きはとても機敏です。そのため狭いケージだと運動不足になってしまいます。広さも高さもどちらも必要です。
フェレット用などの高さがあり、床面積も広いケージを選んであげましょう。またチンチラは齧歯目なのでいろいろなものを齧ります。
ケージの金網も、ケージ底面のプラスチックも齧ります。金網は塗装されていないものを選び、プラスチックはなるべく丈夫なものを選びましょう。
ケージの一部がプラスチック製のものでそのプラスチックが弱いと、プラスチックを齧って穴をあけ、脱走してしまう可能性があります。全体が金網のものがオススメです。
ウサギ用のケージによく付いているスノコは、チンチラは体の大きさに対して手足が細いので、隙間に手足が挟まってしまう可能性があります。
スノコを外して床材を敷くか、挟まらないようなスノコのものを選びましょう。ケージの扉は簡単に開けてしまいます。
バネが付いている扉の場合、バネを齧って壊します。必ず鍵をかけてください。
回し車
活発な性格なので、ケージの中だけでは運動不足になります。ケージから出して遊ばせてあげるのが理想ですが、夜行性なので日中はほとんど寝ていて動きません。
夜に長時間ケージから出してあげるのは大変な場合が多いので、回し車を入れてあげた方が良いでしょう。
体の大きさは小さめのうさぎくらいですので、回し車は直径30センチ程の大きなものが必要です。
砂浴び・遊び
チンチラは砂浴びが大好きです。砂浴びがお風呂代わりになります。チンチラの皮脂腺からはラノリンという油分が分泌されます。
これは毛にツヤを与えたり、断熱効果を高めたりする役割を果たしているのですが、放っておくとゴミがつきやすくなったり、毛玉ができたりします。
余分なラノリンを落とすためにも、砂浴びは必ず必要なのです。チンチラの毛は非常に密に生えているため、粒子の細かい砂でないと毛の間に砂が入っていかず、意味がありません。
必ずチンチラ専用の砂を用意してください。常にケージの中に砂浴び容器を入れておくと、砂浴びのしすぎで必要な油分まで落としてしまう可能性がありますし、トイレにしてしまう子もいます。
毎日数分時間を決めて砂浴びさせてあげるのが良いでしょう。
齧り木
チンチラは全ての歯が一生伸び続けます。そのため木などの硬いものを齧って常に歯を削り、長さの調節をしています。
自由に齧れる木を必ず用意してください。手に持って齧るのを好む子もいますし、ケージに固定されたものを好む子もいます。
その子の性格に合わせて、より齧ってくれるものを選んでください。齧り木がないと、他の齧って欲しくないものをなんでも齧ってしまいます。
ケージの金網など硬すぎるものを齧ると不正咬合を引き起こしますので、そうならないためにも必ず齧り木を入れてください。
トイレ
チンチラはだいたい決まった場所で排尿するので、トイレのしつけも可能です。チンチラのおしっこの臭いは人間にはあまりわかりませんが、チンチラにはわかり、自分のおしっこの臭いがするところで排尿します。
おしっこの臭いを残すためにトイレはあまり綺麗にしすぎず、古いトイレ砂を少し残しておくとしつけがしやすいです。しかし他の小動物に比べてトイレを覚えてくれる可能性は高くありません。
人間が決めた場所でしてもらうよりは、チンチラがいつも排尿する場所をトイレにした方が覚えやすいでしょう。
おしっこのしつけはできますが、うんちはどこででもします。うんちのしつけはできません。
トイレは必ず必要というわけではありませんが、衛生面とおしっこの状態を確認できるという面ではあったほうが良いでしょう。
ペットとしてのチンチラの飼い方
室内の温度・湿度
チンチラは乾燥した、低温の環境を好みます。暑さに著しく弱く、25度以上になると熱中症の危険性があります。
夏場のエアコンは必須です。常に17度〜21度に保つようにしましょう。梅雨時期、湿度が高くなるときは除湿機を使ったほうが良いでしょう。
高地に生息しているので寒さには強い性質があります。しかし飼育下でどのくらいの低温まで耐えられるのかははっきりわかっていません。15度を下回らないようにしたほうが安心です。
夜行性なので夜はうるさい
夜行性のため、日中はほとんど動きません。日中に無理にスキンシップをとろうとするとストレスになりますので、そっとしておいてください。
チンチラが安心して休めるように、ハウスを入れてあげるのがオススメです。床に置くタイプよりも、ケージの高い位置に取り付けられるタイプの方がチンチラは落ちつきます。
日中動かない代わり、夜になるとすごく活発になります。チンチラとスキンシップをとるのは夜にしてください。
コード類を齧られないように
チンチラをケージから出して遊ばせる場合、なんでも齧ってしまうので注意してください。一番危険なのが電気のコードです。
できる限り電気コードを部屋から少なくし、コードカバーをつけて齧られないように工夫してください。その他にも家具、壁紙を齧ることもありますので目を離さず見ていてください。
またジャンプ力があり、1メートル位の高さには平気でジャンプします。高いところに危険なものがないかも必ず確認してください。
餌の与え方
チンチラは脂肪の分解をうまくできません。他の動物のフードは脂肪分が多く含まれており、代用することはできません。必ずチンチラ専用のフードを与えてください。
いろいろなメーカーからチンチラ用のフードが発売されていますが、食べる量が少ないので酸化を防ぐために小分けになっているものがオススメです。
また手に持って食べる習性があるので、細長く持ちやすい形のものがオススメです。
与える量はメーカーにより異なりますのでパッケージに記載されている量を参考に、1日朝晩の2回か、夜一回だけでも大丈夫です。夜行性なので朝だけというのは良くありません。
牧草
牧草は常に食べられるように切らさず用意しておく必要があります。
他のうさぎなどの草食動物同様、チモシーなどが一般的です。繊維質の多い硬めのものを与えましょう。
水
チンチラはあまり水を飲まなくても生きていけます。
飲水量は他の動物と比べてはるかに少ないですが、常に飲めるようにしておかなければいけません。
おやつ
チンチラは野生では食糧の少ない過酷な環境で生きているので、少ない食事量で生きていけます。そのため飼育下では非常に肥満になりやすいのです。
スキンシップやしつけのためにおやつを与えるのはいいですが、ほんの少量にしましょう。ドライフルーツのレーズン、パパイヤ、パイン、バナナなどを好む子が多いようです。
脂肪分の多いナッツ類は与えないでください。また水分の多い野菜や果物を与えすぎると下痢をする場合がありますので注意してください。
またチンチラは偏食しやすいので、おやつを与えすぎるとペレットや牧草を食べなくなってしまうので気をつけましょう。
体が丈夫でほとんど病気をしないと言われているチンチラですが、温度変化や環境の変化には敏感です。
しかしそれさえ気をつけてあげれば、飼いやすく手間もかからないペットです。ちょっと変わったペットを飼ってみたい方、日中家を空ける方にオススメですよ。