ここでは、チンチラによく見られる病気と、考えられる原因や症状、病気になった時の注意点を紹介します。
体の小さいチンチラは、病状が悪化するのもとても早いです。
病気になった時には、様子を見たりせず、すぐにお医者さんに連れて行きましょう。
あらかじめ近くの、小動物に詳しい獣医さんを探しておくことも大切です。
チンチラの病気の症状や原因について
皮膚の病気
毛の一部が丸く抜け落ちている場合、皮膚真菌に感染している可能性があります。
住環境が不潔であったり、強いストレスを受けていたり、栄養バランスが悪い場合に発症しやすくなります。
また、砂浴びの砂がチンチラに合っていないものであったり、砂がなくて砂浴びが出来ない場合にもこの病気にかかりやすくなります。
毛が乱れていたり艶がない場合は、体調が悪いサインです。
何らかの病気にかかっている可能性があります(もしくは老齢の場合も毛並みが悪くなることがあります)。
健康なチンチラは、毛皮がもこもこしていて艶があります。
歯の病気
食べるスピードが異常に遅い、よだれがたくさん出て顎まで濡れている、ずっと食べ物を噛み続けているなどの症状がある場合は、歯の異常が考えられます。
病気の一つに柔らかい餌の与えすぎによる臼歯(キュウシ)異常があります。
これは柔らかい餌によって奥歯(臼歯)が尖ってくることで、周辺の粘膜を傷つけたり、前歯が噛み合わなくなることもあります。
放置しておくと急激に痩せたり、前歯が伸びすぎて食事を摂ることが出来なくなります。
あるいは、前歯が折れていたり、前歯の噛み合わせ異常が原因の場合もあります。
いずれの場合もお医者さんに歯を削ってもらい、噛み合わせの調整をしてもらう必要があります。
目の病気
出典:ドキドキペットくん
目の病気では、目が開けられない、目やにで瞼がくっついている、目のフチが赤く腫れている、涙が出ている、全体が大きく腫れている、などの症状が出ます。
様々な原因がありますが、よくあるのは、砂や埃、牧草などで目の粘膜を傷つけてしまい、角膜炎を引き起こしているケースです。
あるいは、目の中に異物が入り込んでいるかもしれません。
また、涙が止まらない場合は歯や顎の炎症が原因となっていることもあります。
目が飛び出したような感じで全体が大きく腫れている場合には、目の奥の腫瘍といったことも考えられます。
耳の病気
耳の中がくっついていたり、頭を斜めに傾けているのは、内耳炎の症状です。
内耳の中に細菌が入ることでおこります。
内耳炎が悪化すると頭を傾けるようになります。
耳の皮膚がうろこ状でガサガサしている場合は皮膚真菌の感染が考えられます。
どちらの場合も薬での治療が必要です。
胃腸の病気
便秘や下痢は、餌の種類と与え方が適切ではない場合によく起こります。
餌を与えすぎる・少なすぎる、新鮮でない、餌の種類を頻繁に変える、水分が多すぎる・少なすぎる、餌が合っていない、などがお腹の調子を崩す原因になります。
消化できないものを食べてしまった場合や、あるいは腸内感染が原因の場合もあります。
下痢の場合は、糞が水分を含んでいて柔らかい、もしくは液体状になっていて、お尻周辺が汚れているといった異常が見られます。
食欲の減退、元気がないという症状も見られます。
激しく下痢をしているのは大変危険な状態です。急いでお医者さんに診せてあげてください。
便秘の場合は、糞をしていない、あるいは糞の量が少なくなり、体を丸めて苦しそうにしていたり、糞を出すのに苦労している様子が見られます。
食欲の減退、元気がないという症状も見られます。
体を触ると胃の部分が硬くなっていることがわかります。
便秘ではなく腸内にガスが溜まっていることもありますが、その場合には胃だけではなくお腹全体が張っています。
ガスがたくさん溜まっている場合にも、便秘の時と同じような症状が見られます。
お医者さんと相談のうえ、食生活に問題がある場合は改善します。
菌感染の場合は抗生物質の処方が必要になります。
熱中症
チンチラは汗をかかない動物です。
おまけに、寒冷地で生きるための分厚い毛皮を持った動物です。
そのためエアコンを使って常に22℃以下の適温を保つ必要がありますが、室温が高すぎた場合は熱中症になることがあります。
熱中症の症状としては、意識が朦朧として横向きに寝ている、呼吸が浅くて早い、脈が速い、といった症状が見られます。
暑い夏の日に、今まで元気だったチンチラに急にぐったりしていたら熱中症です。
急いで応急処置をしてください。
- 室温を下げる、もしくは涼しい部屋に移動させる
- 冷水で絞ったタオルで体を包む
- 足を冷水に浸ける(水道水の温度です。氷水などは使わないこと。)
- 水を飲ませる
応急処置が終わったらすぐにお医者さんに連れて行きましょう。
くれぐれも炎天下の暑い中を移動せず、冷房の効いた車を使うなどの涼しい方法を選んでください。
命に係わりますので、その日の内にお医者さんに処置してもらってください。
その他の病気
出典:mixiニュース
腫瘍(良性・悪性): 体の一部に硬いシコリができ、次第に大きくなります。
早期に発見して専門の治療を受けることが大切です。
膀胱炎・腎臓炎
尿がひどく臭う、血尿、お尻のあたりが濡れて汚れているといった症状が出ます。おしっこの際に強い痛みがあるため苦しそうにします。
子宮の炎症
メスの性器から多量の液体が出てひどく臭います。お腹を押さえると痛がり、食欲不振・元気のない状態になります。
風邪などの感染症
くしゃみや鼻水といった症状が見られます。
アレルギー
体をかきむしる、涙、くしゃみ、鼻水、下痢などの症状が出ます。
お医者さんで検査して他の原因がない場合はアレルギーが考えられます。
日々の健康管理
出典:ペットショップdingo(ディンゴ)
病気を出来るだけ早く発見するために、健康チェックを欠かさず行ってください。
定期的にチェックしておくと、いざ病気になった時にお医者さんに正確な情報を伝えられるので、治療に役立ちます。
[毎日の健康チェック]
- 食欲はあるか?
- 元気はあるか?
- 歩き方・飛び跳ね方はいつも通りか?
- 糞の大きさと形は異常がないか?
[週一回の健康チェック]
- 体重を計って記録する
- 体全体を触ってみる。シコリはないか?お腹は張っていないか?
- 毛を逆さまに撫でてみる。毛が抜けている場所はないか? 毛並みは良いか?
- お尻の辺りが濡れたり汚れたりしていないか?
- 耳・目・口の中に異常はないか?腫れていないか?歯は伸びすぎていないか?
まとめ
小さなチンチラでも、人間と同じように様々な病気になること分かりますね。
どの病気でも、正しい診断と治療には専門知識が必要になります。
早く治療を開始すれば、それだけチンチラが苦しむ時間も短くて済みます。
場合によってはより長生きさせてあげることもできます。
病気が疑われる場合には、すぐにお医者さんに連れて行ってあげましょう。