うさぎの繁殖の年齢、発情期、妊娠出産、交尾、病気、期間、生まれた後、子育てについて。ペットのウサギに子供を産ませる事は、注意点に気をつければ比較的容易です。母ウサギの体の負担も考えて安全に子供を産ませるためにはどうすれば良いか考えていきましょう。
うさぎの繁殖・発情
母ウサギは初産なら生後6か月〜1年以内が最適です。もっと早くに性成熟するので妊娠する事はできますが、体が成長しきっていない為に母体にも赤ちゃんにも負担がかかってしまいます。
逆に初産が生後一年を超えるのもリスクが高くなります。
母ウサギが5歳までは子供を産む事ができます。ウサギの雌は生理がないので、発情期がいつなのか判断することは難しいでしょう。
しかし2週間の発情期間と2〜4日の休止期間を一年中繰り返しており、ほぼいつでも繁殖できるということになります。
雄は雌の発情に合わせていつでも繁殖できるので、ウサギの場合発情期の問題はほとんど心配いりません。ウサギは一度にたくさんの子供を出産する事もあります。
10匹以上産まれることもあり、その場合の里親を予め探しておく事をお勧めします。また、親となるウサギに病気や不正咬合などの疾患があると、子ウサギにも遺伝する可能性が高くなります。
健康な親から産まれた子供でも、死産になったり体が弱かったりすることもあるでしょう。また、初産の場合は死産になることが多いようです。
飼い主として責任を持って弔ってあげること、病気や体が弱い子も最後までお世話して大切に育ててあげる覚悟が必要不可欠です。決して安易な考えでウサギに子供を産ませてはいけません。
うさぎの交尾の時の注意点
雌を雄のゲージにうつしてみましょう。もし、雌が攻撃したり逃げ回っているようなら発情していないということになります。後日再チャレンジしてみて下さい。
もし、何度試しても逃げ回るようなら相性が悪い事も考えられます。無理させず、別のパートナーを探すのが良いでしょう。
パートナーは体格が同じくらいの大きさが望ましいとされています。雄が大きい場合、雌が出産する時に負担になるからです。
飼い主がしっかりと選んであげてください。雄がマウンティングして雌の尻尾が上がれば交尾のチャンスです。雄が雌の首筋に噛みつき、逃げないようにします。
その後仰向けに後ろに倒れれば完了で約30秒ほどで終わります。
必要以上に雄が雌を追いかけ回してストレスがかかってしまうので、一度離してください。少し時間を置いてもう一度ゲージに雌を入れて、再度交尾を試してみましょう。
2度交尾させることで、妊娠の成功率が上がります。
終わったらすぐに雄と雌を離して、母ウサギの保護をしましょう。雄とずっと同じゲージにいると重複妊娠してしまったり、育児放棄など子育ての妨げになってしまいます。
うさぎの妊娠期間
ウサギは約1ヶ月で出産します。妊娠検査に病院へ連れて行くことは、移動などのストレスのデメリットの方が大きく、避けた方が良いです。
妊娠中は食欲旺盛になり、水も沢山飲みます。餌は多めに与えて巣材の牧草を敷き詰めてあげましょう。巣箱を用意しますが、大きさに注意が必要です。
狭すぎると子ウサギを踏んで怪我をさせてしまうことがあり、逆に大きすぎると落ち着かず役目を果たさないのです。
2、3歩動けるくらいで良いでしょう。妊娠中の母ウサギはとてもデリケートで、いつも以上にストレスに敏感です。ゲージを布で覆い、安心できる環境にしてあげてください。
掃除も必要最低限にして、餌と水やりのみにとどめ、何度も覗いたり必要以上に触らないよう気をつけてください。また母ウサギが怪我をしたり病気になると、胎仔吸収が起こり出産できなくなります。
餌やりの時によく様子を観察して下さい。お産が1、2日後に迫ると母ウサギは自分で巣材を巣箱に敷き詰めて自分の毛を毟り、巣作りし始めます。
うさぎの出産
母ウサギを刺激しないようそっとしておきます。飼い主さんは心配でしょうが、できるだけ覗いてはいけません。お産が終わると母ウサギは胎盤を食べてしまいます。
出産が終わったように見えてもお腹の中に残っていて、1日後に産まれる事もあるようなので油断はできません。ここで飼い主さんは亡くなっている子ウサギを取り上げなければいけません。
他の子ウサギの体温を奪ってしまうからです。その際には絶対に素手で触らず、軍手などを使って人間の匂いが他の子ウサギに付かないよう気をつけて下さい。
育児放棄に繋がってしまいます。巣箱から出てしまった子ウサギを戻す時も、同様に軍手を使ってください。出産は明け方頃が多いようです。
もし妊娠期間が34日を過ぎても出産しない場合は、胎児が亡くなっているか大きすぎて自力で出産できない可能性があります。すぐに病院へ連れていきましょう。
子ウサギが生まれたら
通常は母ウサギに任せっきりです。しかし飼い主さんの助けが必要なのは、子ウサギがちゃんとミルクを飲めているか、弱っている子はいないかの確認です。
授乳はとても短く、1日に2、3回ほどで早朝に済んでいる場合が多いので、朝に確認をしてください。
母ウサギをゲージから出して別の場所に連れて行き、子ウサギを触っているところを見せないように気をつけて下さい。軍手をして、1匹づつお腹がいっぱいになっているかそっと見てみましょう。
飲めていない子、弱っている子は様子を見て人工哺育に切り替えるか、病院へ連れて行かなくてはいけません。
確認は素早く、直ぐに母ウサギを子ウサギのところへ戻してあげて下さい。母ウサギは母乳に沢山のエネルギーを使います。餌はいつもの3倍を目安に与えてください。
生後3週間くらいから子ウサギもペレットを齧り始めます。餌の量に注意し、生後6週間で離乳の完了までペレットを常に多めに与えましょう。
うさぎの一人立ち
ウサギは成長が早く、生後2ヶ月ごろには一人立ちできます。兄弟同士の争いや望まぬ妊娠を避けるためにも、生後3ヶ月になるまでにはそれぞれ離して飼育しなければいけません。母ウサギからもゲージを分けてください。
里親に出すか、1匹づつゲージを分けて育てましょう。ウサギは繁殖力が高い生き物なので、母ウサギは直ぐに妊娠することができます。
しかし出産はとてもエネルギーが要ることなので、必然的に出産を重ねるごとに母ウサギの寿命は縮まってしまいます。
一度出産したら数ヶ月期間を空けて休養を取ること、必要以上に出産をさせないことが、大切なペットを守ることにつながるのではと考えます。