様々な映画や漫画に登場するキャラクターのデザインモデルとなっているクワガタムシ。
国内外を合わせると80種類以上ものクワガタムシがペット用に販売されているほどバリエーションが豊富で人気の昆虫です。
そこでこの記事ではクワガタムシの人気種や飼育方法、繁殖についてご紹介したいと思います。
ペットとしてのクワガタムシについて
クワガタムシは大きく分けて「オオクワガタ」、「ヒラタクワガタ」、「キンイロクワガタ」、「ノコギリクワガタ」等に分類されます。
昔は黒いダイヤとも呼ばれた「オオクワガタ」が憧れの種類でしたが、最近では繁殖方法が確立されてお求めやすい価格になりました。
クワガタムシは体色が黒色の場合は夜行性であることが多く飼育していても、日中は底床に潜っていたり観察しようとすると隠れてしまうことがあります。
しかし「キンイロクワガタ」に属するクワガタムシは昼行性であり、日中は昆虫ゼリーを食べている姿を観察することができて綺麗に輝く光沢を纏っていることからも鑑賞性に優れた種類といえます。
寿命
クワガタの寿命は種類によって異なります。
ノコギリクワガタやパプアキンイロクワガタ等は半年ほどの寿命ですが、ヒラタクワガタやオオクワガタは2~3年以上も生きることができます。
国内産のクワガタは越冬する際に保温しなくても問題ありませんが、外国産の場合は冬眠することが少なくパネルヒーター等で保温して越冬させる必要があります。
販売価格
15年以上前はクワガタムシの流通が少なく100万円以上する個体が多く存在しましたが、現在は1万円以下で大半の生体を購入することができます。
また幼虫の価格は成体の3割程度なので時間のある方は幼虫からお迎えすると節約になります。
クワガタの飼い方
飼育環境
飼育環境は産卵を目的とする場合と鑑賞を目的とする場合とで異なります。
産卵を目的とする場合は飼育ケースの3分の1程度の厚さにカチカチに押し固めた腐葉土や昆虫マットを敷き、その上に2~3日水につけてふやかした産卵木を置きふんわりと腐葉土や昆虫マットで埋めます。
その上に転倒防止用に枝や木の皮を散りばめて2~3個の昆虫ゼリーを表面に設置すると完成です。
1週間ほどペアで飼育した後はオスを別の容器に移動させてメスが産卵に集中できる環境を作りましょう。
2~3週間もすれば産卵木や周囲の土に幼虫を発見できるので必要に応じて菌糸ビンに移し替えるようにしましょう。
大型成体を目指す場合は15~20℃程度の低温でじっくりと育て早く成体にしたい場合は26℃前後の高温で育てると良いでしょう。
鑑賞目的の場合はヒノキチップを薄く敷き表面に昆虫ゼリーを設置できる加工済みの登り木を入れるだけで完成です。
ある程度時間が経つと糞尿が壁面について視界が悪くなるので定期的に飼育ケースを丸洗いすると良いでしょう。
餌の与え方
クワガタムシは市販の昆虫ゼリーを与えましょう。
人間用のゼリーやフルーツ等も食べますが、タンパク質が足りなかったり下痢を引き起こしてしまうかもしれないので控えましょう。
初期費用と維持費用
初期費用はプラケースを使用する場合だと2000~3000円から始められます。
維持費用は餌と床材、電気代等が必要で月々500円未満となります。
ダニの対処法
しっかりと管理されているショップではダニ対策を行っているので心配ありませんが、稀に身体にダニが付着している個体がいます。
そのまま飼育ケースに入れてしまうとダニが大発生して大変なので、歯ブラシや水である程度のダニを落としてください。
短時間であれば水道水で洗い流しても成体に影響はありません。
その後はヒノキマット等の防虫マットに成体を入れて2~3日おきにマット交換をしていると1~2週間後にはダニが取れているでしょう。
ダニは寿命が短くなったりお部屋に侵入する危険性があるのでしっかりと対策をしましょう。
飼育の注意点
クワガタムシは蒸れ過ぎたり暑すぎると急死してしまいます。
お部屋の温度が30℃以上、飼育ケース内の湿度が80%を超えると危険なので風通しの良い涼しい場所に避難させてください。
産卵目的の場合は定期的な霧吹きが必要ですが、鑑賞目的の場合は昆虫ゼリーに含まれる水分で十分生存できるので霧吹きをする必要はありません。
産卵木を入れる前に一度ラップに包んでレンジで3分ほど加熱すると雑菌や寄生虫が死滅するのでオススメです。
昆虫ゼリーはできるだけ切らせないことが大切です。
国内外を問わず成体を逃がすことは止めましょう。国内産の場合でも生息地毎に少しづつ成体の特徴が異なりますので自然環境の崩壊に繋がります。
クワガタムシを飼育しているお部屋では絶対に殺虫剤や蚊取り線香等の虫除け薬を使用しないでください。
またアロマには防虫効果のあるものや有毒成分が含まれていますのでディフューザー等で焚かないように心掛けてください。
まとめ
現在は輸送技術と繁殖技術の向上により安価で販売されるようになりました。
飼育自体は非常に簡単で手間もかからないので気になった方は是非お近くのペットショップやホームセンターへ足を運んでみてはいかがでしょうか。