うさぎがかかりやすい病気(毛球症、尿路結石症、スナッフル、不正咬合、足底潰瘍(ソアホック、飛節びらん)、足底潰瘍など)症状、対処法、予防法をお伝えします。
うさぎは病気を隠す動物?早い治療が必要。
うさぎのなりやすい病気
うさぎは病気を隠す生き物という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。人間が見てすぐに具合が悪いとわかる場合はかなり症状が悪化していると言われています。
僅かな変化を見逃さないためにはうさぎの病気を理解しておくことが必須です。
消化器うっ滞(毛球症)
胃腸の動きが低下した状態です。
毛繕いによって飲み込んだ毛や、その他誤食によって異物がお腹の中で詰まってしまう病気です。放っておくと死亡することもあります。
毛球症の症状
初期のうちは食欲はあるのに便の量が少ない、便が小さいといった変化が現れます。徐々に便が出なくなります。その後、食欲不振を起こします。多くの場合、食欲不振で初めて異常に気がつくようです。
毛球症の対処法
便が完全に出なくなる前であれば、市販の毛玉の排出を促すフードまたはサプリメントで改善することが可能です。
完全に便が出ない、食欲がない場合には病院での治療が必要になります。
毛球症の予防法
最大の予防法は毛玉を溜め込ませないことです。こまめにブラッシングし、毛繕いによって飲み込む毛の量を減らしましょう。
また食物繊維を多く含み毛玉を予防するフードを日頃から使うようにする、牧草メインの食事にするのも効果的です。
また誤食をさせないために、ケージの中、周りに齧りそうなものを置かない、ケージから出して遊ばせているときには目を離さないようにしましょう。
尿路結石症
カルシウムの過剰摂取により、尿中のカルシウムが汚泥状になって排泄されたり、膀胱に結石ができる病気です。
多くの哺乳類は尿中に排出するカルシウム量は2%以下ですが、うさぎの場合45〜60%も排出します。
カルシウムを過剰摂取すると尿中に排出されるカルシウム量も増え、結石ができやすくなります。
尿路結石症の症状
排尿量が減る、おしっこをしたそうなのに出ない、排尿時に背中を丸めて痛がる、頻尿、血尿が見られます。
また膀胱の痛みから、抱かれるのを嫌がるようになります。
重症化すると膀胱が麻痺して自力で排尿ができなくなり、死亡することもあります。
尿路結石症の対処法
ペレットを与えるのをやめ、低カルシウムの野菜とチモシーのみの食事に切り替えます。
ペレットには必要以上のカルシウムが含まれているからです。低カルシウムの野菜はクレソン、芽キャベツ、にんじん、白菜などです。
このような食事療法で軽度(結石になる前の砂状の段階)であれば、自然に尿から排泄されるようです。
しかし軽度であるかどうかは自己判断できません。放っておくと命に関わる病気ですので、一度必ず病院で診てもらってください。
尿路結石症の予防法
当然ですがカルシウムの摂取量を抑えることです。
成長期用の牧草アルファルファにはカルシウムが多く含まれているため、成長期を過ぎてからアルファルファを与えるのはよくありません。
また小松菜、水菜、大根の葉などカルシウムを多く含む野菜を与えすぎないようにしましょう。
また水分をたくさん摂らせて尿の量を増やすのも効果的です。たくさん運動をさせ、飲水量を増やしましょう。
スナッフル
細菌感染によって起こる慢性鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎を総称してスナッフルと呼びます。
パスツレラ菌、気管支敗血症菌、黄色ブドウ球菌などが原因です。しかしこれらの細菌を持っていても必ず発症するわけではなく、ストレスがかかった時に発症します。
スナッフルの症状
初期症状はくしゃみ、透明な鼻水、涙目、鼻水等風邪のような症状が現れます。
進行すると鼻水が膿状になり、呼吸時に雑音が聞こえるようになります。最悪の場合、肺炎や呼吸困難で死亡します。
スナッフルの対処法
ストレスにより発症する病気ですので、ストレスを取り除いてあげることで一時的に症状が改善されることがあります。
急激な温度変化、不衛生な環境などがストレスの原因となります。確実なのは当然病院での治療です。
悪化する前に治療を開始することで治りやすくなります。しかし細菌を完全に体内からなくすことは難しいため、ストレスや免疫力の低下で再発する可能性があります。
スナッフルの予防法
感染している可能性のあるうさぎとの接触をさせないことが一番です。
飼い主がペットショップ等に行った後はお家の子を触る前に必ず薬用石鹸で手を洗いましょう。
もし感染してしまったら、発症させないためにストレスをかけない生活を心がけましょう。
不正咬合
歯の咬み合わせが悪くなる病気です。放置するとさまざまな合併症を引き起こします。
ケージなど硬すぎるものを齧り続けたり、不適切な食事で歯のすり潰しが減ったりすることで起こります。遺伝が関係している場合もあるようです。
一度歯が異常な方向に伸びてしまうと、自然に治ることは稀です。多くは一生涯不正咬合と付き合っていくことになります。
不正咬合の症状
臼歯(奥歯)が伸びると、歯で口の中を傷つけ、痛みで食事を摂らなくなります。
食べたいのに食べようとしない、硬いものを食べない、口の周りがいつも唾液で汚れている場合が多いです。
切歯(前歯)の場合は見た目で比較的すぐ気付くことができます。
不正咬合の対処法
飼い主の力だけではどうにもできません。病院で定期的に歯をカットしてもらう必要があります。
切歯であれば簡単にカットすることができますが、臼歯の場合は全身麻酔が必要になるようです。
カットしてしまえば食欲を取り戻すことがほとんどです。
不正咬合の予防法
牧草メインの食事にし、ペレットは繊維質の多いものを選びましょう。
ケージを齧る子には、他に齧って遊べる適度な硬さの木などを与え、ケージを齧るのをやめさせてください。
足底潰瘍(ソアホック、飛節びらん)
足底の毛が脱毛し、炎症を起こす病気です。
ケージの底が硬すぎたり、ケージの底が湿っていて不衛生、フローリングの上で飼育している、爪の伸びすぎ、肥満が原因で起こります。
治療には長い時間がかかります。
足底潰瘍の症状
軽度だと足底が赤く腫れる程度です。悪化すると潰瘍ができ、出血や感染を起こします。
さらに悪化すると、骨にまで感染し、敗血症で死亡することもあります。
足底潰瘍の対処法
飼育環境を見直します。ケージの底には硬すぎない休足マットを使うか、牧草を敷き詰めます。
爪が引っかからない布を使うのも良いでしょう。ケージが狭い場合は拾いケージに変えます。
肥満の場合は、牧草中心の食事に切り替えてダイエットしましょう。
化膿しないように消毒し、カット綿と包帯で保護すると良いです。消毒液については自己判断せず、獣医さんの指示に従ってください。
足底潰瘍の予防法
適切な環境で飼育し、肥満にさせないことが一番です。
日頃から足底の状態をチェックし、軽度のうちに対策をとりましょう。
いかがだったでしょうか?一見大したことないように思える病気でも、重症化すると命に関わるものが非常に多いのです。
早期発見、早期治療するためにも、日頃からうさぎさんの元気や食欲があるか、おしっこや便に異常はないか、いつもと違う様子ではないか、チェックする習慣をつけましょう。