ペットでは飼育できない珍しいイグアナの種類について。まだまだこんなにいた!珍しいイグアナ達をご紹介します。
残念ながらペットとして飼育は出来ませんが、イグアナの奥深さを少しばかり感じてください。
珍しいイグアナの種類
フィジーイグアナ
イグアナの中で世界一美しいと言われているのがフィジーイグアナです。名前にある通りフィジー諸島に生息しているイグアナです。
肢体は鮮やかな緑色で、オスの背中には大きな縞模様が入っているのが特徴です。世界一と言われるのも納得の本当に綺麗なイグアナですね。
厳密には3種類に分かれますが、中でも一番知られているのはヒロオビフィジーイグアナです。緑色の体に、オスは薄青色の大きな縞模様があります。
メスには縞模様がないので性別の判断は簡単ですね。ヒロオビフィジーイグアナはフィジーの国宝とされており、切手や通貨のモチーフにもなり広く愛されています。
体長は60cmほどで、食性は草食系です。絶滅危惧種のため、日本の国内では唯一静岡の動物園「iZoo」で会えるようです。
どうやら繁殖にも成功したそうですよ。 一度会いに行ってはいかがでしょうか?
ウミイグアナ
出典:世界一周 海外添乗員の妻が旦那を同行 新婚旅行
海中をスイスイ泳ぐ珍しいイグアナです。ガラパゴス諸島の海辺の岩場に生息していて、水深9m以上の潜水能力を持っています。
海中に潜って海藻などを主食として暮らしています。イギリスBBC放送制作の「プラネットアースII」でウミイグアナが紹介されていますが、ご覧になりましたか?
卵から孵化して岩場に辿り着くまでのウミイグアナの赤ちゃんと、赤ちゃんを狙うヘビとの過酷すぎる死闘は、インターネット上でも大きな反響を呼びました。
海の中ではスイスイと華麗に泳ぐウミイグアナですが、陸上での動きは俊敏でありません。
厳しい自然の中で必死に生きる姿はとても感動的でした。生息場所によって体のサイズが大きく違うのもウミイグアナの特徴です。
体重で比較してみると、オスの最大サイズは12~13kgなのに対して、最小サイズは1~2kgで、まるで別の生物のようです。
この大きな体格差は、海藻が豊富な地域とそうでない地域、また海面温度の違いから生じています。
それにしても大きな違いですね。泳ぎが得意なウミイグアナではありますが、冷たい海水の中で動ける時間は限られています。
水中で海藻を集めて食べた後は、海岸の岩の上で日向ぼっこをして体を温めます。体色は黒色で、太陽光の熱をより集めやすくなっています。
ウミイグアナは現在エクアドル政府により保護動物に指定されています。大切に守られることでいつまでも優雅な泳ぎを見せてもらいたいものですね。
オカイグアナ
オカイグアナはガラパゴス諸島の陸地に住むイグアナです。リクイグアナ、もしくはガラパゴスリクイグアナとも呼ばれます。
体長が100~120cm、体重6~13kgで基本草食系です。研究によると、大昔に南アメリカからガラパゴスに漂着したイグアナから派生したのがウミイグアナとオカイグアナだということです。
2つの種に分かれたのはおよそ800万年前と考えられています。海へ向かったウミイグアナがいた一方で、オカイグアナは陸地でサボテンを食べて暮らす種族となりました。
本来はサボテンを食べてゆったり暮らせるはずでしたが、オカイグアナの歴史はなかなか苦難が多かったのです。
まず、主食としていたサボテンが進化を遂げて高木化したために、生息数が激減しました。
木に登るための爪を持たないオカイグアナは自然と落ちてくる枝を待って食べるしかなくなりました。19世紀末には野生化したブタによってサンチャゴ島のオカイグアナが絶滅。
バルトラ島では、第二次世界大戦時からアメリカ軍基地の兵士が駐留するようになり、面白半分に撃ち殺されて1954年に絶滅しました。
幸いアメリカ人の実業家兼政治家のウィリアム・R・ハースト氏がバルトラ島のオカイグアナの一部を北シーモア島に移住させておいたお蔭で、後にこれらをバルトラ島に戻して生態系を復活させることが出来たそうです。
その他にも食用として乱獲されて激減したこともありました。1990年代初頭からは保護活動が開始され徐々に数を増やしています。
しかし、オカイグアナの苦難はまだ続きます。次のハイブリッドイグアナでご紹介しますね。
ハイブリッドイグアナ
出典:仁旅 – 世界遊学記
「ハイブリッド」とは異種族の間に生まれた雑種を指す言葉です。
ここでご紹介するハイブリッドイグアナは、オスのウミイグアナとメスのオカイグアナの間に生まれた雑種です。
最初に発見されたのは1981年のことです。
近年のエルニーニョ現象によってガラパゴス諸島周辺の海藻床が大ダメージを受けてしまい、食料のなくなったウミイグアナが陸地に移動してきたことからハイブリッドが誕生しました。
特に1997年には重度のエルニーニョ現象が発生し、その後ウミイグアナの半数が餓死したと言われています。
岩場で生きるための鋭い爪を持ったウミイグアナのオスに対して、オカイグアナのオスは成す術がなかったことでしょう。
メスと餌場を奪われて生まれたのがハイブリッドイグアナです。両方の遺伝子を持ったハイブリッドイグアナには鋭い爪があり、サボテンに登って葉を食べることが出来ます。
また、海に潜って海藻を食べることもできるという圧倒的な勝者です。ここまで来るとウミイグアナの行く末がとても心配になりますが、幸いにも雑種は雑種です。
異種間の雑種であるハイブリッドイグアナには繁殖能力がなく、たまたま生まれたとしても一代で終わるのです。
確認された個体数も少なく、今のところ新種として増える傾向は見られません。
しかし様々な進化を遂げてきたイグアナのことです。ハイブリッドが新種になる日がいつか来るのかもしれません?
まとめ
数あるイグアナの中から少しだけ紹介してみましたが、本当に興味深い生き物ですね。
その生態についてはまだまだ謎が多いですが、更なる発見に期待したいと思います。