日本国内でも採集できるお馴染みのクサガメ。最も飼育のし易い水棲亀の一つとしても知られるクサガメは初心者の方から上級者の方まで幅広い層に人気を博しています。
そこでこの記事では昔から根強い人気を誇るクサガメの気になる飼育方法や注意点などお迎えする前に知っておくべきことをまとめてご紹介したいと思います。
クサガメとは?
アジアに広く分布している水棲亀の一種で別名ゼニガメとも呼ばれます。
大きさは25cm前後とやや大型になりオスよりもメスの方が大きく成長する傾向にあります。
国内でも採集できることから水槽に浅く水を張っただけの環境で飼育できると勘違いされることが多く、お迎えしてもすぐに落ちてしまうことで悩まれている方も多くいらっしゃいます。
また、ペットショップで販売されている個体は幼体なので体力がなく病気になりやすかったり、体調を崩してしまうことが多いため注意が必要です。
寿命
出典:我が家のクサガメと金魚
クサガメの平均的な寿命は約25年です。
より長生きをさせるには相応の飼育環境を整える必要がありますので、設備投資や維持費用がある程度必要となります。
販売価格
クサガメの販売価格は約1000円です。
成長度合いや販売店によって価格差はありますが、基本的に2000円を超えることはありません。夏祭りの出店でも入手することができます。
クサガメの飼い方
飼育環境
飼育ケースは90cm規格以上の水槽を準備してください。
本種は甲羅干しをして水カビや細菌類から身を守るため陸地を必ず作るようにしましょう。
水深はクサガメが十分に泳げる程度にして、投げ込み式フィルターでエアレーションと濾過を行うようにします。
立ち上げに関しては熱帯魚のようにバクテリア定着を待つ必要はなく、2~3日フィルターを回して問題がなければお迎えしても問題ありません。
クサガメは幅広い水質に適応することができるため神経質になる必要はありませんが、水が汚れて酸性に傾くことは良くないので弱アルカリ性を保つように心がけていると水質も保てるのではないでしょうか。
本種はコードを登ったり流木の先端から飼育ケースの外へ脱走することが良くありますので蓋の上に重りを乗せておくと安心です。
飼育温度は約25℃前後に設定してホットスポットを35℃程度にします。
ホットスポットには紫外線ライトを設置して甲羅干しする際にビタミンを生成できるようにしましょう。
餌の与え方
出典:シモケンサイズのブログ
基本的に何でもよく食べますので、市販の配合飼料を与えると良いでしょう。
ただしソーセージ等の練り物は亀にとって有害な成分が含まれていることもあるので控えましょう。
食いつきは良いのですが食べ散らかすようにして摂食する習性があるので水は汚れやすくなります。
最も安価な餌はザリガニの餌で数十円程度で購入できることもあります。
クサガメは温度が低下すると代謝が悪くなり摂食量が著しく低下しますので、給餌の際に餌が残っていれば飼育温度を確認する必要があります。
複数飼育
クサガメは幼体時期には温厚な性格で多頭飼育も可能ですが、成長するにつれて気性が荒くなりお互いを傷つけ合うようになりますので単独飼育を心掛けるようにしましょう。
またイシガメやキバラガメ等他の種類との複数飼育は上手く行かないことが多いので避けたほうが無難です。
外飼いについて
公園の池や溜池でクサガメを見かけることがありますが、それは冬眠をして越冬できた個体が確認されているだけです。
自宅のベランダや庭のビオトープや溜池で飼育する場合は定期的に水換えをする必要があり、冬眠中のクサガメを起こして弱らせてしまうことがあるので冬季は基本的に保温した環境で飼育します。
水を循環させるポンプや広い水量を確保できる環境を用意できる場合は挑戦してみても面白いかもしれません。
飼育上の注意点
出典:クサガメと暮らす。
水道水を入れたバケツを一晩外に放置するとカルキが抜けると誤った知識が出回っていますが、エアレーションをするか直射日光に2~3日当てていないとカルキは抜けません。
カルキ抜きは100円ショップでも販売されているので大きな負担にはならないでしょう。
カルキ抜きの代用としてレモン等の柑橘類の汁を使用することもできます。
水棲亀は特にサルモネラ菌に感染している可能性があるので、絶対に飼育水を台所や洗面所などの人が水を口に入れる場所に流さないでください。
クサガメは日本国内にも生息しているため飼うことを諦めて捨ててしまう人がいますが、異なる地域に生息している個体は少しずつ遺伝子が異なる可能性があるので、生態系を守るためにも責任を持って終生飼育するように心掛けましょう。
甲羅干しを一向にしない個体は念のために陸地にあげて紫外線ライトや日光浴をさせるようにします。
水換えを行う際は必ず飼育水と同じ水温に調節してからいれてください。
水草をレイアウトしても食べられてしまう可能性があります。
まとめ
水棲亀といえばクサガメかキバラガメを思い浮かべる人が多いほど、ペットとして浸透していますが意外と明確な飼育方法はしられていません。
すぐに落ちてしまって難しそうというイメージを持たれていた方もこの記事を読んで適切な飼育環境下で育てると上手くいくことでしょう。