おっとりしていて可愛らしいモリフクロウ。丸く大きな瞳が特徴で、その見た目と飼いやすい性格から常に人気は上位です。
今回はそんなモリフクロウの飼い方をご紹介します。
モリフクロウの特徴
- 体長:30~45cm
- 体重:400~700g
- 生息地:ヨーロッパ(ポルトガル、スペイン、フランスなど)
- 価格:20~40万円くらい
森の中に暮らし、夜行性。
大きさは小型、中型、大型に分けられるフクロウの種類では平均的なサイズで、モリフクロウは中型に属します。
灰色の羽色を持つ個体と、茶色の羽色を持つ個体に分かれ、その濃淡は様々です。
繁殖期はすこし攻撃的になることもありますが、普段は慎重で比較的おっとりとした性格です。
性格としては飼いやすいと言われています。
モリフクロウの飼い方
出典:信さんの「自然とともに」
飼う前に
猛禽類であるモリフクロウを診てくれる動物病院を、あらかじめ探しておきます。
猛禽類を診察できる獣医師のいる動物病院は、実はまだまだ多くはないのです。
何かあってから焦ることのないように、近所にそういった病院があるかを調べたり、問い合わせたりしておきましょう。
飼育環境と飼育に必要なもの
出典:HPHP
放し飼いにできる部屋と、ケージ
飼育下でも、できるかぎり自然と同じような環境をつくります。
ケージに閉じ込められたままでは、体調を崩したりストレスを溜めてしまい、病気の原因にもなり得ます。
一番良いのは庭に飼育できるスペースや小屋があることですが、それができなくとも一日中ケージの中で過ごさせるのではなく、一部屋まるごとモリフクロウのために明け渡すことのできる部屋がないと飼育は難しいかもしれません。
ケージはあくまで、モリフクロウが落ち着ける場所や隠れ家として、いつでも出入りできるよう扉を開放して使い、上から板や布など目隠しになるようなもので覆います。
犬や猫のケージや寝床のように、モリフクロウにもパーソナルスペースを与えましょう。
部屋の中には、事故やケガを防ぐため危険なものは置かないようにし、わずかな隙間から脱走することもありますので窓や扉はしっかりと閉められるようにしておきます。
止まり木
出典:Wikipedia
森林性のモリフクロウは、気に止まって過ごす時間が長いです。
落ち着いて休めるような止まり木を何ヶ所か用意したり、切り株を置いてやるとそこでも休む姿が見られるでしょう。
猛禽類の専門店では、ボウパーチという人工の止まり木や、ファルコンブロックという切り株のようなものが売られています。
サイズも様々なものがありますので、個体の大きさに合わせて選んでみましょう。
革手袋
出典:神戸ふくろう館 猛禽倶楽部
鋭利なかぎ爪を持つモリフクロウなどの猛禽類を素手で扱うのは、怪我の可能性があるため危険です。
かならず専門店に売られている猛禽類用の革手袋をはめて扱います。
爪きり
できるだけ自分で手入れします。
爪が伸びすぎてしまうとモリフクロウ自身が怪我をしやすくなりますし、飼い主であるこちらも怪我をさせられることがあるからです。
ハサミの形をした犬、猫用の爪切りが使いやすく、ホームセンターやペットショップで簡単に手に入ります。
水場
個体により差はありますが、水遊びはめったにしない種類です。
しかし水飲みも兼ねて常に置いておかなくてはいけません。
ピンセット
日頃からピンセットで与えるくせをつけましょう。
手から与えるくせをつけると、人の手が近づいてきただけで餌の時間と勘違いし、つつかれたり掴みかかってくるなど危険だからです。
餌やりについて
出典:Flickr
体重にもよりますが、餌は1日~多くても2回ほど。基本的に、体重の10分の1から様子を見て調節します。
冷凍うずら、冷凍マウスや冷凍ひよこ、ワームやコオロギ、バッタなどを与えます。
これらは餌としてペットショップや猛禽類を扱うショップで手に入れることができます。
野生のモリフクロウは他にも子うさぎやハト、魚なども狩りをして食べ、色々なものを食べます。
しかし個体によって好き嫌いがあるので、栄養が偏ってしまわない程度に組み合わせて与えましょう。
清掃について
当然、猛禽類はトイレのしつけなどができる動物ではありません。
中型のフクロウはそれなりに食事量も多いため、フンの量も少なくはないと思います。
また、フンだけではなく、消化しきれなかった胃の内容物を吐き出すこともあります(ペリットといいます)。
部屋の床はあらかじめクッションフロアなど、フンやペリットが拭き取りやすい素材のものにしておく必要があります。
フンやペリットは、見つけたらすぐに拭き取れるようにしましょう。
室温について
寒い地方で暮らす種類なので寒さにはそこまで弱くないと思われますが、それでも野生のモリフクロウは雪や風を凌げるような場所を探して冬を過ごします。
ですから外で飼っている場合、気温が5℃を超える寒さの地域では室内で飼うなどの配慮が必要です。
人間が寒いと思ってヒーターを付ける必要があるときは、室内でもヒーターを付けます。
また、暑さについても28度を超える猛暑になる場合は、人間が過ごして暑すぎない室温まで下げます。
だいたい、人間の感覚で室温管理をすればよいでしょう。
何度、と温度にこだわって室温を保つ必要はありませんが、極端に暑かったり寒かったりする環境に置くのはモリフクロウにとって負担です。
小型の猛禽類と同じ室内で飼わない
モリフクロウは自分と同じ大きさの鳥類くらいであれば狩りの対象にすることがあります。
小型の鳥類や猛禽類は同じ室内に入れないように気をつけてください。