チンチラの繁殖、交尾、出産、妊娠、期間、発情期、交尾、子育てについて。
チンチラの繁殖は、相性が大切です。雌より雄の方が年上のほうが、成功率は高いようです。相性が悪いと喧嘩したり、雄が攻撃されることが多く、最悪の場合命に関わる怪我をすることもあります。しっかりお見合いしてから、同じゲージにしましょう。
雌は生後6ヶ月までに初産を経験しなければ恥骨が結合してしまい、その後は帝王切開でないと出産できないようになってしまいます。
チンチラの繁殖
お見合い
最初から一緒にペア飼いしている場合以外は、いきなり同じゲージに入れるのは絶対に避けてください。まずはゲージ越しにお互い興味を持つか、観察します。
透明なケースやゲージを隔てて隣り合わせにさせ、匂いを嗅いだりしてお互いを認識させます。巣箱や砂浴びケースを丸ごと交換して、お互いの匂いに慣れさせるのも有効です。
チンチラの交尾と発情
チンチラの雌は生後約4ヶ月から30日〜50日周期で発情を繰り返します。雌の生殖器が大きくなり、粘液のようなものが出ていれば発情しています。
雄は生後24ヶ月から繁殖できるので、この時期に広いゲージで一緒にしてみます。雄が雌に攻撃されることが多いので、逃げ込める場所を作り、飼い主さんも様子をよく見ておきましょう。
マウントしても必ず交尾をしているわけではありません。力関係を示す為に雌がマウントすることもあります。そうした行動の後、落ち着きを取り戻したら相性は良いということになります。
しばらく一緒に飼育して、妊娠を待ちましょう。雌の生殖器に膣栓というものができます。
雄の分泌液が白い塊になり、雌の生殖器から精子が流れ出るのを防ぎます。暫くすると自然に抜け落ちますが、それが見られたら交尾、妊娠している可能性が高いです。
チンチラの妊娠
チンチラの妊娠期間は約100日〜120日と開きがあります。出産する赤ちゃんの数に左右されるようで、一度に1匹〜6匹を出産します。
雌が妊娠しているかどうかを確認することは難しいですが、おっぱいが目立ってくる、30日〜50日周期の発情がなくなる、体重が増加する、食欲が増えてよく寝そべる、お腹がふっくらしてくるなどの兆候で判断してください。
妊娠期間はチンチラフードを多めにを与えて、牧草は栄養価の高いチモシーにすると良い様です。出産数日前からは砂浴びボックスごと撤去して、出産に備えましょう。
また、雄と同じゲージに飼育している場合は雄を別ゲージに移動させて、ストレスなく安全に出産できるように環境を整えます。
巣材は牧草を多めに敷いて、汚れたところを取り除くようにしてください。
チンチラの出産
何らかの理由で、産道の途中の赤ちゃんが引っ掛かってしまい時間がかかると、赤ちゃんは窒息してしまいます。それだけでなく、出血や疲労で母チンチラも命を落としかねません。
母チンチラは命をかけて出産に臨みます。できるだけ静かに見守ってください。チンチラは巣箱の中で出産するとは限りません。
それどころかゲージのどこにでも産んでしまうので、飼い主さんが生まれた赤ちゃんを拾い上げ、巣箱に入れて母チンチラのゲージに戻してあげなくてはいけません。
大抵の小動物は赤ちゃんに人間の匂いが付くと子食いをしたり、育児放棄をしたりしますが、チンチラはそういったケースは少ないようです。
信頼の置ける飼い主さんなら、出産や育児の手助けができるという点では、世話がしやすいと言えるでしょう。数十分の間隔で陣痛が起き、1匹づつ出産します。
生まれた赤ちゃんは膜に包まれているので、母チンチラはそれを破り、体を舐めてやります。赤ちゃんを全て産み終えると、母チンチラは最後に胎盤を出します。
その胎盤をバリバリと食べることで、母乳が出るようになります。出産に伴う出血で牧草が汚れてしまったら、様子を見て新しいものと代えてあげましょう。
チンチラの子育て
生まれた時から赤ちゃんには毛が生えて歯もしっかり生えており、暫くすると動き始めます。目は生後1日目に開きます。妊娠期間が長いので、母体の中でしっかりと育って生まれてくるようです。
その為、赤ちゃんの成長は早く驚きます。しかし、赤ちゃんが多い場合母チンチラの母乳が足らず、満足に飲めない赤ちゃんが成長不良になってしまうケースも少なくありません。
母チンチラには六個の乳首がありますが、すべて母乳の出がいいわけではありません。力が弱い子や体の小さな子が母乳にありつけていない様なら、思い切って人工哺育に切り替える方法も考えましょう。
母チンチラが嫌がらなければ、ミルクだけ飼い主さんがあげて、それ以外は母チンチラの元に戻すという方法もあります。生後約6週間までは母乳を必要とします。その間に親の餌に興味を持ってかじる様になります。
完全に離乳するまでは、餌と母乳の両方を十分に与えましょう。一度に2匹以上生まれた場合、母チンチラは特定の弱い子を淘汰しようとする事があります。
自然界においては仕方のないことですが、飼育下では無事に全員育つこともありますので、様子を見て飼い主さんが保護してください。離乳が終われば、里親に出すこともできます。