ツノガエルの飼育環境の作り方、エサのやり方などについて詳しくご説明します。
飛んだり跳ねたりしない、動かないカエルなので観察しやすく、小さなケースで飼うことができるコンパクトなカエルです。
ツノが生えていて、ころんとした丸いシルエットが魅力な可愛らしいカエルですよ。
ツノガエルの飼い方
・飼育に用意するもの
プラorガラスケース(フタ付き)
いつも同じ場所にじっとしていて、動き回る種類ではないため、高さのあまりない小さめのケースで大丈夫です(カエルにとっては、大きいに越したことはないかもしれませんが)。
通気性のよいふたが付いた、プラケースなどが良いでしょう。
ふたは通気性のあるもの、もしくは網状のものを使用します。
床材
腐葉土、ヤシガラ、赤球土、黒土やウールマットなど色々と利用できるものがあります。
土の中に潜るのが好きなので、土を使用する場合はやわらかく、深めに敷いて潜りやすいようにします。
身体がすっぽり隠れるくらいの厚み(10cmくらい)は必要です。
掃除や水換えなどの管理を頻繁にすることを考えて、利便性や機能性から床材を選ぶようにしましょう。
※園芸用の土の場合は農薬、殺虫剤などのカエルに有害なものが含まれていない土を選んでください。
水場
身体から水分補給をします。
ツノガエルは陸上生ですし、水の中を泳ぎ回るということはないので、水深1cmくらいで浅く水を張った容器が必要です(深すぎると溺れてしまいます)。
水の中で糞やおしっこをするので、まめに取り替えてあげないと汚れた水を吸収してしまい病気になることがあります(自家中毒に注意)。
糞をしたら、その都度すぐに水を取り替えてあげましょう。
観葉植物
他の種類と同じように、自然の環境を再現するため観葉植物などを置きます。
ペットショップにも売られている水草でも良いですが、川や沢などに生えている水草や小枝を採ってきて入れてやると、より自然を再現できます。
湿度温度計
後述する、湿度と温度管理のために必要です。
ペットショップで~2000円位で購入できる、デジタル表示の飼育用・ビバリウム用湿度温度計が一目で確認できて見やすいのでおすすめです。
シェルター
なくてもいいですが、土に潜るなど身を隠す習性があるので、置いてやると喜びます。
身体がすっぽりと隠れるような物を選びます。
照明
たまに日光浴をするのと、成長のために適度な紫外線が必要なので、薄暗い部屋に置く場合は熱帯魚用のミニライトを使用します。
直射日光に当てることのないようにしましょう。
ツノガエルを育てる飼育環境
・温度湿度管理
温度は25℃前後、湿度は70~85℃が理想です。
湿度管理には気をつけ、カエルの様子を見てその都度調節します。
判断の仕方としては、カエルが湿った床材の近くや、水場にいることが多くなると、ケース内の乾燥のサインです。
※霧吹きが直接カエルにかからないよう気をつけましょう。
温度変化に強く、丈夫なため冬場は常温で20度以下、夏場は常温で30度以上になっても生き延びられます。
しかし、20度を下回ってくるとエサの消化がうまくいかなくなります。
そのような寒さが原因の消化不良や排泄不良で命を落としたりすることがあるため、冬場は必要に応じてパネルヒーターで保温します。
また、夏場も温度にかかわらず、直射日光の当たらない環境でなければなりません。
・餌の与え方
基本的には生きたエサしか食べませんが、色々な種類のエサを好んで食べます。
動きが鈍いので、追いかけ回して捕食するというよりも、待ち伏せして目に前に来た虫などに食らいつくという習性を持っています。
また、餌と一緒に床材を飲み込んでしまうなど、ツノガエルはなんでも飲み込んでしまうので、誤飲を防ぐためエサはケージ内に置いたりするのではなく、極力ピンセットから直接与えるようにしましょう。
ハエ、ミミズ、バッタ、イナゴ、コオロギなどさまざまな昆虫、金魚などの小魚を食べます。
冷凍マウスや人工飼料は栄養満点ですが、与え過ぎに注意して頻度を調整します。
※捕まえたり購入した昆虫は、繁殖させることができればエサ代がかからず経済的。
※生餌がないときは、市販のエサをピンセットなどで細かく揺らして目の前で見せると、食らいつきます。
成長期
成長期の個体には1~3日に1度給餌し、栄養満点なエサや小魚を与えると健康に育ちます。
成長期は拒食することが多いので、様子を見ながらエサを与えます。
成長期後
成長後のツノガエルには週に1~2回ほど、昆虫を一度に2匹くらいの給餌で大丈夫です。
「糞をしたら与える」と覚えると良いでしょう。水入れに糞をするので確認しやすいです。
生きたエサもケージ内に放すことはせず、ピンセットで目の前に置いてやると食べます。
餌は与えすぎないように。
大きさに差のあるカエル同士を同じケージに複数飼うと、共食いすることがあります。
食欲旺盛な種類ですが過食、肥満、誤飲などで命を落とすことが多いため注意が必要です。