ここでは、飼えるカエルの中でも、代表的なものや面白い習性を持ったカエルをご紹介します。
まず、カエルを飼育するにあたり、種類問わず知っておきたい知識があります。
飼育環境としては、深めの水槽を用意し、必ずふたをすること。ふたがあることで飛び出しを防ぎます。
水槽には湿らせた土を敷き、草を植えたり身を隠せるような鉢を入れてやるといいですね。
また、触れていたいほどかわいいカエルですが、触れる時には十分手を冷やし、長時間触ったり手にのせたりしないこと。
なぜなら、体温が低いカエルは人間の高い体温で火傷してしまうからです。
中には15年以上生きられるカエルもいます。必要な知識を蓄え、責任を持って飼育しましょう。
ペットで飼うことのできるカエルの種類
アマガエル
アマガエルは日本に生息するカエルで、どこででも捕まえることができます。
自分で見つけることができれば飼育を始める際にお金がかからないこと、比較的飼育が簡単なことから、とても人気があります。
オスよりメスの方が大きいのですが、鳴くのはオスだけ。
毒を持っていますが、触った後にしっかりと手を洗う習慣をつければ、そんなに心配はいりません。
肉食なのでコオロギなどの昆虫が主食で、生きたもの、動くものを捕食して食べるため、動かないエサには興味を持ちません。
産卵期以外は木の上で生活しているため、乾燥には強く、水場の少ない街での生活も得意です。
寿命は10~15年くらい。
イエアメガエル
アマガエルと似ている感じのするイエアメガエルですが、「ハンドリング」といって慣れてくれれば手に乗せることができる唯一のカエルとして愛されています。
寿命が長く、10センチ以上になる個体もいる大型のアマガエルで、大きな目がとてもチャーミング。
寿命は10年以上といわれていますが、過去には23年生きたご長寿イエアメガエルがいたそうです。
普段の体の色は黄緑色ですが、薄緑色、褐色などに変色させる事ができます。
中には「ブルー」と呼ばれる青色の強い個体も存在し、珍しいため他の個体の約3倍ほどの値段で売買されます。
目の青い個体は更に珍しいとされ、1万円ほどの値段が付くことも。
ニホンヒキガエル
出典:カエル図鑑
北海道~本州に広く分布していて、東京都内でも目撃情報が多く、「ガマガエル」の名で親しまれています。
4~16センチと大きさはまちまちで、ぶつぶつとしたイボがあり、茶色の身体の側面に黒いラインが入っています。
外敵から身を守るために、体のイボに毒のある液体を持っていて、逃げる必要がないからか、他のカエルよりもどっしりと落ち着いています。
カエル特有の「跳ねる」という動きをあまりしないので捕まえやすく、小さめの飼育容器で飼うことができます。
アカメアマガエル
出典:http://www.hkr.ne.jp/~rieokun/exfrog/hyla/akame/akame.htm
真っ赤な目をした可愛らしいアマガエル。
中央アメリカに生息し、オスよりもメスの方が大きく成長するのが特徴です。
飼育下での寿命は15年ほど生きられます。
外敵から襲われるなどの危険を感じると、他のカエルでは数時間かかるのに対し、このアカメアマガエルは数秒で孵化して逃げられるという興味深い特徴があります。
また、大変グルメなカエルといわれていて、ずっと同じエサばかり与えていると食べなくなってしまうほど。
エサのバリエーションを増やすなど、飼育には多少の手間がかかります。
ヤドクガエル
なかなか毒々しい色合いと柄を持っていて、その名の通り毒があります。
その毒はヤドクガエル1匹で人間の大人10人分の致死量を持ちます。
赤、青、黄色など、色や模様の多様さから、カエル愛好家の中でひそかに人気です。
1.5~6センチほどと体はとても小さく、寿命は10~15年ほど。
毒があるのに飼えるの?と思ってしまいがちですが、自然に生きるヤドクガエルは、現地の毒を持つアリやダニを食べることでその毒を身体に蓄えます。
そのため、日本で人工的に飼育しているヤドクガエルは毒を持ちません。
グラスフロッグ
出典:珍獣図鑑アルパカパカス
内臓まで見透かせてしまうほどの、透明な体が魅力です。
一口にグラスフロッグと言っても、これまでに150種類以上のグラスフロッグが確認されています。
体長は2センチから大きくても7センチで、指先に乗ってしまうほど小さい個体がほとんどです。
このように、とても小さいため自然界では捕食される側の存在であるため、外敵から身を守る術としてこのような透明な体になったと言われています。
夜行性で、木の上で生活することでさらに外敵から見つかりづらくなっています。
ツノガエル
出典:~溺れるカエル~
丸く膨らませた風船のようなぽっちゃりとしたフォルムが愛らしく、くりくりとした瞳がチャームポイントのカエルです。
目の上にツノのような突起があるため、この名前が付きました。
大きな個体ほど値が張りますが、色や模様によって、値段が倍以上違うものもいます。
寿命は10~15年ほどといわれています。
ソロモンツノガエル
ツノガエルの種類で、トサカのようなとがったツノととがった口を持つ、ユーモアな顔つきのカエルです。
体は6~8センチくらいで、枯葉に擬態できるよう、葉脈のような模様を持っています。
通常カエルは卵の状態でオタマジャクシを生みますが、このソロモンツノガエルは、あらかじめ孵化させた子カエルを生むという珍しいカエルなのです!
感染症を引き起こしやすいので、初心者には飼育が難しいかもしれません。
コモリガエル
出典:EndlessZone.
ペットショップなどでは、ピパピパという可愛らしい呼ばれ方をすることもあります。
15センチほどと大きく、平べったい体でイボのような小さな突起があります。
興味深いのは子育ての仕方。
産卵した卵をメスが自分の背中に埋め込み、孵化させた後のオタマジャクシの状態でも、しばらく背中で育てることから、「子守をするカエル」ということで「コモリガエル」の名が付きました。
ワライガエル
出典:Framepool
オスが人間のような笑い声で鳴くことからその名が付きました。
9~17センチほどと大型のカエルで、緑色の身体に茶色の斑点を持つ。
食用とされることもあります。
昆虫はもちろんのこと、貝やカエル、更にはトカゲにヘビにネズミと、何でも食べてしまいます。