とても知能が高く、飼い主さんと高度なコミュニケーションが楽しめるとして、人気のコンパニオンバードです。
その知能の高さゆえに、扱いづらい面や注意点もあるのです。
お互いに良い関係を築くための飼い方を、紹介します。
ヨウムの飼い方
ケージはヨウムのお部屋になります。齧っても害のない無塗装のものが理想的です。
サイズは羽が広げられるくらい、又は体長の1.5倍の大きさを目安に選んで下さい。
50センチ四方で高さが60センチ以上がヨウムに優しい大きさです。
出入口の開け方もすぐに覚えてしまうので、脱走防止にナスカンをつけた方がお互いに安全です。
大型のインコなので、くちばしの力も中々のものです。
餌入れや水桶、菜差しは丈夫なものを選んで設置しましょう。
ひっくり返されないように針金で固定したり、引っ掛けるタイプを使うなど、様子を見ながら工夫して下さい。
ケージに付いているものは簡易な作りなので使えないことはないですが、ヨウムにはあまり向いていません。
ヨウムの餌の与え方
インコ用のペレットが栄養バランスが良くお勧めですが、混合シードの方が食いつきはいいようです。
食欲が落ちているときや、オヤツ、コミュニケーションを教えるときにシードを少量与えるなどの方法で取り入れます。
シード類は肥満に繋がるので、控え目にしておきましょう。
青菜1、2枚を菜差しに差して与えると、ビタミンの補給になる他、食欲も増すようです。
牡蠣の殻を砕いたもので、ボレー粉という名前で市販されているものは、カルシウム補給に役立ちます。
主食のペレットに混ぜて与えてください。
ヨウムの部屋での放し飼い
狭いゲージの中だけでは運動不足を引き起こす他、コミュニケーションが取りづらいのでヨウムもストレスが溜まってしまいます。
1日に1時間以上は安全な部屋の中で放鳥し、自由に遊ばせてあげましょう。
オヤツやおもちゃを使って遊んであげたり、言葉を教えたり話しかけたりして、ヨウムとの生活を楽しんで下さい。
鳥用のおもちゃは市販されているものもありますが、すぐに壊れてしまうものです。
頭のいいヨウムが飽きる事もあるので、消耗品として割り切りましょう。
ティッシュやボール紙、割り箸などで手作りのおもちゃを作って与えると安上がりで種類も増えます。
市販のものは色が鮮やかだったり、鏡で興味を引くようにできているので、それぞれに良さがありす。
時々によっていろんな種類のものを与えて遊ばせると喜んでくれるでしょう。
また、ゲージの中にも1つはおもちゃを入れておくと、一人遊びの時に役に立ちます。
ヨウムの水浴び
ヨウムは脂粉が多いので、水浴びをさせてスッキリさせましょう。
この際、注意するのは必ず水を使う事です。寒い時期などは体調を崩すことを心配して、お湯を使った方が良いのではと思われるかもしれません。
しかし、お湯は本来ヨウムの羽についている水を弾くための脂分も落としてしまい、逆に体調を崩してしまう原因になるのです。
洗面器の底に3センチ程の水を張ってその中にヨウムを立たせます。
水好きならそのまま浸かろうとしますが、驚いて嫌がるならゲージの外から霧吹きを使って体に水を吹き付けてやるのが、一番簡単な方法です。
最初は水浴びを嫌がって逃げる、水を吹きかけるとパニックになる、というケースが多いようです。
ヨウムは頭が良いので、見慣れない道具や状況に怯えてしまうことが多く、臆病な性格に思われがちです。
しかし実際は、見たことのない霧吹きという道具から得体の知れない水が出て体についたことで、驚いただけなのです。
まずはいつも見えるところに道具を置いておき、慣れさせて水が出ることを教えると良いでしょう。
水浴びが気持ちいいことが分かると、自分から催促する事もあります。
慣れれば浴室を使ってシャワーで水をかけたり、洗面所で蛇口から水を出して水浴びさせることができるようになります。
脂粉が気になってきた時が水浴びのタイミングですが、ヨウムの気持ちを優先させてあげましょう。
水浴びに誘って嫌がるようなら辞めて、自分から羽を広げたり体を膨らませたりして水浴びしたいと催促した時がタイミングです。
ヨウムの手乗りやなつかせ方
ヨウムは賢い鳥です。一度大声で叱られて怖い思いをしてしまうと、人間との信頼関係を築くのにとても時間がかかってしまいます。
まずはゲージ越しに手から餌を与えるところから始めましょう。ここで大切な事は、諦めない事です。
一度で寄ってくる事はほぼありません。
毎日欠かさず好きなおやつを手で持って優しく話しかけることが、仲良くなる1番の近道です。餌をくれるいい人間という事を少しづつ覚えさせます。
手からおやつをつけ取れるようになったら、次のステップに進みます。ゲージの入り口におやつを持った手を置いてみましょう。
手に寄って来るまで根気よく待ちますが、ストレスにならないように1日10分までに留めておきましょう。
入り口まで誘導することと、人間の手に慣れることが目的なので、ゲージに手を突っ込んで鷲掴みすることは絶対にしないで下さい。
ここまで慣れたら放鳥へのステップアップです。
ヨウムは何位でしょうか。
入り口にヨウムが止まっている状態から一歩外に手を出して、ケージの外に誘います。
インコの種類は、胸より少し下の辺りに棒状のものがあると乗る習性があるので、人差し指を横向きに差し出します。
その際斜めに傾けると上に登ろうと横歩きに移動するので、それを利用してみましょう。
出てきてくれれば、最初は5分くらいそのままおやつをあげたり首元を掻いてあげたりしてスキンシップをとり、直ぐにケージの中に返してあげます。
段々10分、20分と延ばしてみましょう。肩に乗れるようになれば、ほぼ人馴れは完了です。
お喋りは得意とされるヨウムですが、強要する事でストレスを感じさせないように、遊びの一環として教えてあげると良いでしょう。
一番覚えやすいのは、名前です。毎日話しかけて最後に名前をつけます。
例えば、おやつだよ◯◯ちゃん、おいしい?◯◯ちゃん、の様に話しかけます。
ここでポイントになるのは、高い声で話しかける事です。インコにとって聞き取りやすいのです。
他には擬音語も覚えやすいので、いろいろ試してみるといいでしょう。
喋ろうとしたら、褒めてあげる事も忘れてはいけません。