価格が高い犬は、チャンピオン犬の流れを組み血統が良かったり、希少価値が高いなどの理由が挙げられます。
犬種によっても時代背景や生存数が少ないなどの影響で価格が変動するようです。
ここでは販売価格が高い犬種を特徴と共に紹介します。
販売価格が高い高額な犬種
秋田犬
言わずと知れた日本を代表する犬種の1つですが、価格は約50万円と高額の部類に入ります。
奥目で茶色と白の芝犬に似たカラーリング、太い足などが特徴で、大きな体と忠実で優しい性格、忠犬ハチ公がこの秋田犬だったことなどがよく知られていますね。
かのロシア大統領であったプーチン大統領も飼っていたという、外国人に人気の犬種でもあります。
実はよく見る芝犬カラー以外にも白、黒、胡麻、虎の合計で5種類がありますが、実は黒と胡麻は絶滅状態にあります。
日本の戦時中に餌台の多くかかる大型犬は残酷にも数が減らされ、一時は生存数が激減した事もありました。
その後、犬種の保護が行われたのですがシェパードとの交雑があり、その系統は出羽系と呼ばれるようになりました。
対して本来の特徴を残すのは一ノ関系と呼ばれ現在では秋田犬保存会の働きで国内の秋田犬はほぼ一ノ関系となっています。
出羽系はアメリカに渡り、アメリカン・アキタという犬種に繋がっているようです。秋田犬は日本固有の犬種として、天然記念物に指定されています。
サモエド
平均で約130万円とされています。真っ白でふわふわな毛が印象的ですね。寒い地方で生息していただけあって、ふわふわの長い毛で体温を逃さないようになっており、厳しいシベリアの寒さにも耐えられるようになっています。
この種類は原種の白い部分が多いほど貴重とされており、真っ白な見た目の美しさが残るように交配されてきたようです。
毛の美しさもさながら、サモエドスマイルと呼ばれる表情にも注目です。
口を開くとニコッと笑っているように見えることからこの様な言葉ができました。つい、釣られて笑顔になってしまいそうです。
イングリッシュ・ブルドッグ
ブルドッグは高額なイメージがありますが、中でもイングリッシュ・ブルドッグは平均約120万円と軽自動車が買える金額です。
この犬種はペット用に改良されたものの、特徴的な外見を優先させた結果、自力での繁殖が難しくなり、全体数が激減してしまったようです。
例えば自然分娩ができず全ての子犬は帝王切開で誕生することや、そもそも不妊傾向にあって妊娠自体が珍しいことである事が挙げられます。
また、気道が先天的に狭くなっており、呼吸器官に疾患がある子犬も少なくありません。
こう言った理由で希少価値が上がり高値がつくという仕組みになっています。
手間やお金はかかりますが、アメリカではまだまだ根強い人気があるようです。
チベタン・マスティフ
チベット高原に生息していた原始的な犬種で、超大型の体型と豊かな長い毛をしています。
外見の特徴はがっしりした体型とライオンのようなたてがみを持った獅子型と呼ばれるものと、比較的短毛で体型も少し小さな虎型と呼ばれる二種類が存在します。
また、獅子型の中でもたてがみが長さで大獅子型、小獅子型に分けられます。
豊かなふさふさとしたたてがみを持ち、立派な大獅子型の優れた外見をした個体は高額で取引され、その金額は130万円〜1億5000万円を超えることもあるそうです。
犬の購入価格とは思えませんが、需要があるのは主に中国の富裕層の方々で、チベタン・マスティフを飼うことがステータスとされているのです。
中国マネーで購入したいという需要はどんどん増えている一方、チベタン・マスティフの数の少なさが高額の理由になっています。
原始的な種類の特徴でもありますが、犬の発情期が通常年2回あるところ、チベタン・マスティフは年1回しかなく、必然的に他の種類に比べて出産数が少なくなってしまいます。
元々の個体数が少数であったのに加え、中国の古い風習的な考えもあり19世紀初め頃には既にかなり数が減っていました。
現在では中国の国家第二類保護動物に指定されています。
ローシェン
小型犬では珍しく高額な犬種で平均で約100万円です。
特徴である長いウエーブのかかった被毛は主にライオンクリップにされて、首回りに長い毛を残し他の部分を刈り込む方法が主流です。
昔は貴婦人達の抱き犬として人気を誇り、その毛の刈り方などで珍しい外見をしていた為、ショードックとしても注目を集めていました。
しかし、毛のお手入れが大変であることや性格が躾にくい事などを理由に、一般的なペットとしての人気はあまりなかったようです。
1960年には世界で最も生存数が少ない犬としてギネスブックに載ったという記録もあります。
その後、血統を維持する働きかけがあり、少しづつ個体数が上昇したという背景がありますが、現在も数の少なさも手伝って珍しい犬種として扱われ、価格が上がる理由にもなっているようです。
ロットワイヤー
出典:pepy
80万円〜130万円で取引される、ドイツ原産の大型犬です。
敵に対して勇敢に立ち向かう性格を活かして闘犬などで活躍し、現在は警察犬としての地位を築いており、あのドーベルマンの作出にも使われた優秀な犬種です。
体型は筋肉質で骨太なしっかりした作りしています。短毛で光沢のあるブラックの体毛で覆われており、顔や手足にブラウンのポイントがドーベルマンとよく似ています。
ロットワイヤーの方が肉付きが良く、垂れ耳なのが特徴的です。
勇ましい性格ですが、家族には従順で頭が非常に良いことが有名です。
世界的な不況の時代にはロットワイラーの首輪に現金を入れた袋を下げ、飼い主以外には取れないようにしたなどの逸話も残っています。
銀行よりも安全な金庫と言われるほど信頼の置けるパートナーとなり得た、優秀さが伺えます。
また、牧羊犬としても活躍しており、リーダー牛の頭を怪我をしない程度に攻撃して移動させるなどの芸当もやってのける、身体能力の高さも持ち合わせています。