パグの魅力と飼育方法、なりやすい病気、かかりやすい皮膚疾患、性格、特徴、販売価格について。まん丸の顔で表情豊かな愛嬌者で根強い人気のパグ。
パグのルーツと特徴
パグは古い歴史を持つ中国原産の愛玩犬です。名前の由来はラテン語の「にぎりこぶし(=パグナス)」とも言われているようにもあるようにゲンコツのようなまん丸い顔が特徴です。
額のシワが「皇」の文字に見えることから、中国の皇室で魔除けの犬として可愛がられていました。中世に入ってからはヨーロッパに渡り、各国の王家や貴族たちからも愛されてきました。
短い鼻先と深いシワ、小さい垂れ下がった耳と大きな目が特徴的で、正方形に近いコンパクトな体型はがっしりと筋肉質です。
尻尾は固く巻き、2重巻のものが良いとされています。被毛は短いダブルコートでビロードの様な触り心地です。色はフォーンやアプリコット、黒などがあります。
パグの性格
パグの魅力はやはり表情豊かで愛嬌のある顔でしょう。大胆で子犬のようなそして人間臭い動作も魅力の一つです。
性格は独立心旺盛でプライドが高く頑固ですが、温厚で決して飼いにくい犬種ではありません。ただし、訓練性能は高くないので、アジリティなどスポーツを楽しみたい方には不向きです。
猫のような犬という表現に近いのがパグの面白いところです。がっちりとした体型とくるんと丸まった尻尾で喜びを表現するところもパグとの生活が楽しく思える一つです。
パグの販売価格とかかる費用
パグの生体価格は血統にもよりますが、10〜15万円くらいが一般的なようです。頭の大きい短吻犬のため、繁殖は難しく繁殖者もあまり多くはありません。
ペットショップよりもパグ専門のブリーダーを探しましょう。初期費用はサークルやトイレなど3万円ほどにワクチン代などがプラスされます。
餌代は毎月4千〜5千円くらいです。食欲はあまりムラのある方ではないので、食事に苦労することはあまりないでしょう。トリミングは短毛なので手入れも簡単で自宅で充分できます。
ドッグフードは色々あってどれにすれば良いかわかりませんし、今使っているもので大丈夫なのか不安ではないでしょうか。
そのような方は「売れているドッグフード・値段の違いについて」を読んでから決めましょう。
ただしアンダーコートが密で、抜け毛もかなり多いです。皮膚病の予防の為にもブラッシングはしっかり行いましょう。
パグの飼育方法
気まぐれでマイペースなパグは温厚で飼育しやすい犬種です。多頭飼いも異種動物との飼育も比較的楽に行える方だと思います。
子どもの良い遊び相手にもなってくれます。プライドが高いので気が向かない場合は無視したりもしますが、それがパグらしさとして愛される理由のひとつです。
短吻が特徴のパグですが、それ故に暑さ寒さに弱いです。特に夏の暑さには注意が必要です。留守中もクーラーを付けておくなど工夫が必要です。
大きな目が魅力的ですが、眼球に傷が付きやすいので気を付けましょう。犬同士の遊びで目を怪我したり、眼球が飛び出したなどの事故が起こったりすることもあります。
魅力的なシワの周りは汚れが溜まりやすく、皮膚炎になったりもします。シワの間もしっかりと汚れを拭くようにしましょう。
吠えることは少なく、声も低くあまり響くほうじゃありませんが、睡眠時にいびきをかくことが多いです。一緒に寝ているといびきで起きてしまうこともあります。
パグの病気と健康管理
パグがかかりやすい病気の代表的なものを紹介します。
短頭種気道症候群
短吻の犬に多い疾患です。マズル部分が短いため鼻から喉にかけての気道が潰れてしまい、呼吸がしづらくなってしまうことがあります。
パグにいびきが多いのはこの事からなのですが、激しい運動をしたり、夏の暑い時期だとハアハアと呼吸が激しくなり呼吸困難を起こしてしまいます。
いびきが酷いなど気になる症状がある場合は獣医師に相談することをお勧めします。
パグ脳炎(壊死性髄膜脳炎)
パグを始めとする小型犬に多い疾患です。初期症状は痙攣発作や同じところをグルグルと歩きまわるなどで徐々に症状が重くなっていきます。
進行すると意識を失ったり、遊泳運動、頭をかしげた状態になったり立ち上がれなくなったりします。投薬によって症状を抑えることはできますが、完治の方法は現在も見つかっていません。
パグ脳炎の犬は注射によって症状が悪化するため、ワクチンなどの注射はできません。原因は不明ですが、特定犬種に好発するため遺伝子疾患の可能性があると言われています。
皮膚疾患
短毛ですがダブルコートで毛量の豊富なパグは皮膚炎になりやすいので注意しましょう。
臭いは少ない犬種ですが皮脂が多いので、外耳炎になりやすかったり、皮膚のシワの間に汚れが溜まりやすく炎症を起こしたりします。
こまめに手入れをし、ラバーブラシなどでアンダーコートをしっかり取り除くようにしましょう。
無理なお手入れは嫌がる原因となり、頑固なパグのお手入れ拒否の原因となります。小さい時から毎日習慣づけるようにしましょう。
眼科疾患
大きな目のパグは眼科疾患にもかかりやすいです。
短吻の為、ぶつかると眼球に当たり目を傷つけやすく、埃や乾燥でもダメージを受けやすいので、毎日目やにや涙に気を付けて異常が見られたら獣医師に診て貰うようにしましょう。
涙が多いとシワの間が湿っぽくなり、皮膚炎の原因にもなります。コットンで優しく拭くようにしてあげてください。
老犬になり目が見えにくくなると壁にぶつかって眼球を傷つける事が多くあります。その場合は壁にぶつからないよう気を付けてあげてください。