犬に寄生するダニの種類、症状、なる病気、取り方、予防方法、駆除方法、写真、画像について。
愛犬にダニがついたら、気持ち悪いだけでなく愛犬の健康も脅かします。ダニの寄生と言うとマダニが有名で最も注意が必要ですが、マダニ以外にも犬に寄生するダニはいます。
犬に寄生するダニの種類
マダニ
出典:Excite Bit
体長数ミリから最大1㎝にもなる大きなダニです。他のダニとは違い吸血を行います。犬の血を吸うと200倍の大きさになると言われています。
顔やお腹周りなど皮膚の柔らかい場所が咬まれやすいです。高温多湿を好み、4月頃から活発に活動を始めます。
しかし寒冷地以外では一年中活動しているので年間を通して注意が必要です。さまざまな病気を媒介するため、マダニは犬にとって恐ろしい存在です。
ニキビダニ
出典:背中ニキビ
体長0.2〜0.3㎜程の小型のダニです。毛包虫とも呼ばれます。犬の毛包や皮脂腺に寄生し、炎症を引き起こします。
ニキビダニは一生を犬などの動物の皮膚で生活し、産卵も皮膚で行います。
ヒゼンダニ
犬に寄生するヒゼンダニは、穿孔ヒゼンダニと呼ばれます。体長0.2〜0.4㎜程で、丸い形をしています。穿孔疥癬虫とも呼ばれます。
耳に寄生するものをミミヒゼンダニと言います。動物の皮膚に潜りこみトンネルを掘り、一生をそこで過ごします。動物の体外に出ると数日しか生きられません。
ツメダニ
出典:くらしの健康
体長0.4〜0.5㎜程です。体の前方に大きな爪がついていることからツメダニと呼ばれます。
この爪で犬の皮膚に取り付き、体液やリンパ液を吸って生きています。皮膚の上で繁殖を繰り返します。
マダニについて
マダニによって引き起こされる症状、病気
マダニが犬に寄生し吸血すると、まず最初に痒みが現れます。痒みから落ち着きがなくなることもあります。また、爪の間に寄生すると、歩行が困難になることもあります。
吸血を行うので、マダニが大量寄生すると貧血を引き起こします。マダニの唾液によってアレルギー性皮膚炎も引き起こします。
またマダニはさまざまな病気を媒介するのが一番の問題です。病原菌を持っている犬を吸血し、その後違う犬を咬むことによって感染します。
マダニが媒介する病気で犬が感染しやすいのがバベシア症です。バベシアという原虫が赤血球を破壊し、疲れやすくなったり、発熱や貧血を引き起こします。
重症の場合急死することもあります。完治は望めないため、症状を緩和される治療しかできないのも問題です。
その他にマダニが媒介する病気は、
- 発熱
- 食欲不振
- 全身の痙攣
- 関節炎を引き起こす「ライム病」
- 発熱
- 鼻水
- 元気・食欲不振
- 貧血を引き起こす「エールリヒア症」
マダニの駆除方法
愛犬の体にマダニを見つけても、むやみに取るのはいけません。
無理に取ろうとすると、マダニの顎が愛犬の皮膚に残り、重度の皮膚炎を引き起こすことがあります。
アルコールでマダニを弱らせた後にマダニ駆除専用のピンセットを使って慎重に取るか、自信がなければ動物病院で駆除薬を投与してもらうのが安心で確実です。
病院での駆除薬であれば、一回の投与で簡単に駆除できます。マダニ自体は自力で取り除くことができても、感染症にかかっている可能性もあるので、病院に連れて行くのが安心です。
マダニの予防法
マダニは草むらに多く潜んでいます。お散歩時に草むらに入らないようにするのが一番です。
また飼い主さんが草むらなどにに入ったときに着ていた衣類にマダニが付着しており、家の中で愛犬に寄生することもあります。
マダニが居そうなところに入った時の衣類は、マダニがいないことをしっかり確認するまでは室内に持ち込まないのが安心です。
またマダニ駆除薬を定期的に使用するのも大切です。
ホームセンターやペットショップで売られているものは効果、持続性が低いため、動物病院で購入したほうが確実です。
スポットタイプ、スプレータイプ、内服薬、首輪タイプなどさまざまなものがありますので愛犬に合ったものを選んであげてください。
ニキビダニについて
ニキビダニによって引き起こされる症状
ニキビダニが寄生しても、必ず症状が現れるわけではありません。無症状のまま過ごす子が多いのではないかと考えられています。
しかし幼少期や免疫力が低下した子では皮膚に異常が現れます。最初は口や目の周り、顔面、脚の先端などに脱毛が起こり、次第に全身に広がっていきます。
脱毛した部分から細菌感染し、化膿や出血が起こることもあります。重症化すると全身状態が悪化し、死亡することもあります。
ニキビダニの駆除方法
小型のダニなので、手で取ることはできません。動物病院で駆除薬を投与してもらいます。
しかし完全な駆除は非常に困難です。症状は改善されても、ニキビダニを完全に駆除できるとは限りません。治療には長い時間が必要です。
ニキビダニの予防法
ニキビダニは他の動物との接触で感染します。しかし広範囲に常在していると言われているダニなので、あまり神経質になる必要はありません。
また母親から感染するとも言われており、これに関しては予防のしようがありません。
感染しても発症させない為に、日頃から飼育スペースを清潔に保ち、免疫力を低下させないようストレスの少ない生活を心がけるのが大切です。
ヒゼンダニについて
ヒゼンダニによって引き起こされる症状
ヒゼンダニが寄生すると激しい痒みを伴う皮膚炎が起こります。症状は全身に起こります。搔きむしると、傷ついた皮膚から細菌感染を引き起こします。
耳に寄生するものをミミヒゼンダニといいます。犬は痒みから頭を激しく振る、耳を頻繁に掻く、地面に耳を擦り付ける等の行動をとります。
耳垢が黒くカサカサになるのも特徴です。放っておくと外耳炎や中耳炎を引き起こします。
ヒゼンダニの駆除方法
動物病院で駆除薬を投与してもらいます。しかし駆除薬は、ダニを駆除するものでありダニの卵には効果がありません。
治療をすぐにやめてしまうと、今いるダニを駆除できても卵が孵化するとまた症状が現れてしまいます。
孵化したダニも駆除するためには、1週間〜10日の間隔で投薬を繰り返す必要があります。通常であれば2〜3回の投薬で完治できます。
ヒゼンダニの予防法
ヒゼンダニは感染力が強いので、ヒゼンダニが寄生している動物との接触を避けるのが一番です。
動物の体外では長く生きられないので、部屋の中など周囲の環境に生息しているのを心配するよりも、感染した動物との直接の接触で感染することに注意してください。
ミミヒゼンダニは耳垢を食べて生活しているので、耳の中を清潔に保つことも大切です。
また耳垢の中にミミヒゼンダニの卵が含まれている可能性があるので、感染した動物の耳垢には触れさせないようにしましょう。
ツメダニについて
ツメダニによって引き起こされる症状
ツメダニが寄生すると、大量のフケが出るのが最大の特徴です。
フケをよく見ると、わずかに動いているのが確認できます。これはフケの中に潜んでいるツメダニが動いているためです。
その他には激しい痒み、ただれ、脱毛などが現れます。背中に最も発症しやすく、その他の部位では耳の後ろ、しっぽの付け根、股間、お腹などに多く発症します。
ツメダニの駆除方法
ツメダニに効果のある薬での薬浴やシャンプーが有効です。動物病院で処方してもらいましょう。薬浴やシャンプーではツメダニの卵には効果がありません。
孵化したツメダニも駆除するためには、長期間の治療が必要です。駆除薬と併用する場合もあります。また、重症の場合には全身の毛をカットしたほうが治りが早いとされています。
ツメダニの予防法
ツメダニに感染した他の動物から感染します。感染している動物との接触を避けるのが一番です。幼少期に発症しやすいので特に注意が必要です。
またツメダニは動物に寄生していなくても、10日程は生息できます。部屋の中など周辺の環境中に生息している可能性もあるので、清潔な環境を整えることも大切です。
ダニにはさまざまな種類があり症状もそれぞれですが、痒みを伴い愛犬が不快な思いをするのは皆共通です。
時には命の危険に晒されることもあります。愛犬にダニが寄生しないように環境を整え、もし発症してしまっても早期発見、早期治療できるように正しい知識を身につけておきましょう。