小さな体と愛嬌のある動きで人気のハムスター。小さなスペースで飼育できる手軽さもウケて今ではすっかりペットの定番になっています。
そんなハムスターの事、皆さんはどれくらい知っていますか?今回はそんなハムスターの飼育で、特に冬場は気を付けたい冬眠についてまとめました。
ハムスターってどんな動物?
ハムスターというと一般的に思い浮かべるのは大型で白茶の毛並みのゴールデンハムスターと、灰色の背中に黒い筋が入っているジャンガリアンハムスターです。
このゴールデンハムスターとジャンガリアンハムスターは、同じハムスターと名前が付いてはいますが種としては随分異なる種類なのです。
どれくらい離れているかというと、例えるなら人間とチンパンジーくらい!
子どもができないどころかケンカして怪我をする恐れがあるので、間違えても同じケージで飼育しないようにして下さいね。
ハムスターの生息地
あの小さな体で意外ですが、野生のハムスターは砂漠や乾燥地帯に住んでいます。
日中の暑い時間帯は涼しい地面の下で暮らし、涼しくなってきたら地面に出てきて活動を始めます。
ハムスターの冬眠の原因
ハムスターは体が小さいので、あまりに寒い時期が続くとエネルギーの消耗を抑える為に疑似冬眠します。
これは巣の中で丸くなり、体が冷たく固くなるので、死んでしまったと勘違いする事も。よーく観察すれば、ゆっくりと呼吸と拍動がありますが、見分けるのは難しいです。
そもそも、気温が下がって疑似冬眠する事そのものがハムスターにとっては異常事態。
野生のハムスターは氷点下でも元気に走り回りますが、飼育下のハムスターは気温が15℃を下回ると疑似冬眠の危険が出てきます。
どうして冬眠するの?理由は?
ハムスターが疑似冬眠する理由は色々言われています。
- 寒くなってきたのに走り回れるだけのスペースがない(野生のハムスターは広い大地を走り回る事で体温を上げていると言われています)
- 食事が不十分
- 急激な温度変化
- 自律神経の不調(ストレス)
そして意外にも、朝昼は明るく夜暗いという日照時間も関係しているのです。
ハムスターの疑似冬眠、この正体は低体温症です。
寒すぎて手も足も動かなくなり、段々と眠くなる、雪山で遭難した時に経験するアレですね。
ハムスターにとって疑似冬眠は、死と隣り合わせになってでも生き延びようとする野生の知恵。
裏を返せば、死と隣り合わなければ生き延びられない程飼育環境が悪化しているという事です。
丸くなり冷たくなっているハムスターを見つけたら
ハムスターにとっての疑似冬眠は冬”眠”なので巣箱で丸くなって眠ります。
パッと見は死んでいるように見えますが、そこで悲しんで地面に埋めるのはちょっと待った!
悲しむ前に以下のポイントをチェックしてみて下さい。
- 呼吸はしているか(1分間に2回程度)
- 心臓は動いているか(1分間に6回程度)
- 皮膚は柔らかいか(死んでいたら突っ張ります)
上記に1つでも当てはまるようなら、体温が下がって死にかかっているけれどまだ生きている状態です。
冬眠したハムスターの対処法
とにかく温める
ハムスターが疑似冬眠に入っていたら、事態は一刻を争います。
まずはとにかく温める事!これに尽きます。
ただし、急に温めるとハムスターの心臓に負担が掛かり、そのまま昇天……なんて事にも。
絶対にドライヤーやストーブで温めてはいけません!
温める時は、タオルで包んでから湯たんぽなどで温めたり、人の手で直接包んで温めてあげて下さい。
よくカイロで温める事を勧める記事を見かけますが、使い捨てカイロは周囲の酸素を使って発熱する為、ハムスターが酸欠になってしまいます。
すぐに動けるようになるのは難しいですが、数時間に渡り根気強く温め続けていれば、ハムちゃんが少しずつ手足を動かし始めるようになるのが分かると思います。
起きたら糖分を与える
ハムスターが意識を取り戻し少し動くようになったら(注:意識がない時に与えないで下さい。気管に入って窒息死の危険があります!)、砂糖か蜂蜜を白湯で溶かしたものをスポイトで与えます。
砂糖は、出来ればグラニュー糖のような白砂糖よりもブドウ糖、三温糖などのような未精製のものを。
温度は、人が触っても火傷しない程度の温度で。
砂糖があまりに多いと下痢をする恐れがあるので、3%程度(200ccのお湯にスプーン小さじ山盛り1杯程度)から始めて、元気になってきたら徐々に濃度を上げてみて下さい。
住環境を見直す
ハムスターが冬眠をするということは、命の危機に晒されているということ。
まずはハムスターが冬眠しなくても良いように、気温20℃以上の暖かな部屋を用意してあげましょう。
昼間は人が居なくてとても暖房を点けっぱなしにしていられない!という場合は、保温カバーをケージに掛けたり、動物用のヒーターを上手く利用して下さい。
電球などを利用する場合は、ハムスター自身が火傷したり燃えやすいものが触れないように工夫して下さい。