キバタンの飼い方、鳴き声、性格、餌、寿命、似ているオウム、種類、大きさ、生息地、飼育ケージ、温度について。白くて冠羽が黄色いオウム、キバタン。多くの方がオウムと聞いて最初に思い浮かべるのはキバタンではないでしょうか。
動物園で見かけることが多く、ペットショップ等でもたまに見かけます。とても愛くるしい見た目でペットとして人気がありますが、飼うのはすごく大変な種類です。
キバタンってどんな鳥?オウム?
種類
キバタンは生息地によりさまざまな種類がいます。日本でペットとして飼われているのはオーストラリアンキバタン(本キバタン)、ホクゴウキバタン、アルーキバタン、アオメキバタンが一般的です。
雑種も多く出回っており、専門店でない限りただ「キバタン」としか表記されていないこともあります。
アオメキバタンはアイリング(目の周りの羽のない皮膚の部分)が青いためすぐに見分けがつきます。
出典:到津の森公園
体重・大きさ
種類により異なりますが、体重400〜880g、体長44〜50㎝程です。
大きい順にオーストラリアンキバタン、ホクゴウキバタン、アオメキバタン、アルーキバタンです。
寿命
寿命は約50〜70年とかなりの長生きです。
二世代、場合によっては三世代に渡って飼う必要があります。家族の同意なしには飼えません。
原産国
種類によりますが、オーストラリア、ニューギニア及び周辺の島々に生息しています。
ペットとしてのキバタンの飼い方
出典:ウェブリブログ
適した室内温度
比較的丈夫な種類ですが、暖かい地域の鳥なので、寒さに弱いです。冬は15度を下回らないように保温をしましょう。
最初の冬は20度を下回らないようにしたほうが良いです。温度は目安なので、その子の様子を見て決めてあげてください。
キバタンはヒーターにいたずらする可能性大です。ヒーターは物によっては高温になりますし、コードを齧ると非常に危険です。
いたずらできないようにカゴの外の嘴や脚が届かない場所にヒーターを設置しましょう。
鳥カゴ・ケージの選び方
体が大きいのでもちろん噛む力も強力です。小型〜中型インコ用のカゴでは、小さすぎるだけでなく、強度が全く足りません。
細い金網は齧って簡単に歪ませてしまい、噛み切ってしまうこともあります。必ず大型インコ・オウム用の、網が太く丈夫なものを選びましょう。
ステンレス製は値段は高いですが丈夫ですし、メッキと違って齧って金属中毒になる心配もないのでオススメです。
またカゴの底の部分のプラスチックも齧って壊してしまう可能性大です。
底も金属製のものが一番安心です。また糞切り網と底との距離が近い物だと、下に敷いた新聞などの紙をいたずらしてしまいます。
なるべく糞切り網と床部分の距離が離れているものがオススメです。キバタンは頭がいいので鳥かごの扉は簡単に開けてしまいます。
ナスカンも簡単に取って開けてしまいます。必ず南京錠で鍵をかけてください。破壊活動が大好きなので硬いおもちゃを必ず入れてあげてください。
止まり木も齧ってすぐにボロボロにします。替えの止まり木を常に用意しておいた方が良いでしょう。
頭がいいので、齧るだけの遊びでは退屈してしまいます。退屈しのぎに自分の羽をむしり、癖になって毛引きを繰り返すこともあります。
退屈させないよう、頭を使っておやつを取り出す知育おもちゃを使うなど工夫が必要です。
脂粉
オウム類は皆、羽に脂粉と呼ばれる白い粉が付着しています。キバタンはこの脂粉の量がとても多い種類です。健康な子程多くの脂粉を出します。
余分な脂粉を落とすため、水浴びが欠かせません。少なくても週に一度は水浴びさせてあげましょう。
自分から水の中に入るより、シャワーや霧吹きで体に水をかけてもらうのを好む子が多いです。
体が大きい分水浴びによる水の散らかりも大きいので、お風呂で水浴びさせるのがオススメです。脂粉により部屋も汚れます。とても細かい粉なので掃除が大変です。
他の鳥が同じ部屋にいる場合、キバタンの脂粉によって呼吸器障害を起こしてしまうこともあります。
初めから他の子と別の部屋で飼うか、もし症状が出たら別の部屋に移動できるように用意しておく必要があります。
脂粉による呼吸器障害は人間でも起こることがあります。こまめに掃除をし、脂粉を吸い込まないように注意したほうが良いでしょう。
キバタンの餌の与え方
出典:ペット生活
キバタンは野生では穀類やフルーツと昆虫などの両方を食べて暮らしている雑食性の鳥です。
しかし野生のキバタンと飼育下のキバタンでは生活スタイルが大きく異なりますので、必ずしも野生で食べているものが最適とは限りません。
他の多くのインコ、オウム同様、シードかペレットで飼育できます。しかしキバタン程の大きな体に必要な栄養素を、シードメインの主食でバランスよく摂らせるのは困難です。
栄養バランスの乱れから、毛引きや噛みつきなどの問題行動に発展する場合もあります。最初から栄養がバランス良く含まれているペレットを利用した方が良いでしょう。
しかしペレットだけではいろいろなものを食べるという楽しみがなくなり、それもまたストレスになります。
ペレットを主食にし、野菜や果物、シードを副食として与えることでこの問題も解決できます。
キバタンの鳴き声
キバタンの鳴き声は驚くほど大きいです。間近で聞くと鼓膜が破れるかと思う程です。
しかも一度鳴き出すと止まらなくなるのが特徴です。さらにほとんどの子が朝と夕方に雄叫びをあげます。
これはキバタンの習性ですのでしつけでどうにかできるものではありません。夕方日が沈むくらいの時間にペットショップや動物園に行けばキバタンの雄叫びが聞けるかもしれません。
飼いたいと思っている方は購入前に雄叫びを聞いておくべきです。メスだと雄叫びをあげない子もいるようですが、絶対ではありません。
たとえ雄叫びはあげなくても、その他の場面で大声で鳴くことは十分にありえます。キバタンを飼う上では徹底した防音策をとるのは必須です。
アパート等集合住宅で飼うのはやめた方がいいでしょう。一軒家の場合でも、防音壁を貼る等の大掛かりな対策が必要です。
キバタンの性格
出典:到津の森公園
なつきやすく、賢い
とても明るく人懐こい性格で、馴れると飼い主にべったりになります。大人になってから飼い始めてもしっかり馴れてくれます。
撫でられるのを好む子が多く、頭を下げて撫でてとおねだりして来たりします。また記憶力、表現力が優れており、芸や言葉を教えることもできます。
言葉の意味を理解し、会話が成り立つ程の子もいます。またリズムに合わせてダンスしたりと、仕草もとても明るく見ていて楽しい鳥です。
鳥と一緒に遊んだりお話したりと、ずっと一緒にいてたくさんスキンシップをとりたい方にぴったりです。
ストレスに弱い
頭がいいが故に、少しの環境の変化やスキンシップ不足がストレスになりやすい鳥です。体調管理はもちろんですが、キバタンには心のケアも大切です。
ストレスや寂しさから食欲不振になったり、毛引きをしたりという問題を起こしやすく、とても難しい種類です。一番問題になりやすいのがスキンシップ不足による毛引きです。
毛引きは一度してしまうと癖になりやすく、治りにくい心の病です。そうさせないために、キバタン中心の生活を送ることは覚悟しておかなければなりません。
今日は忙しいから明日たくさん遊ぶというのは意味がありません。毎日かまってあげる必要があります。できれば毎日2時間以上は遊んであげるのが理想です。
キバタンに似た別種のオウムの種類
キバタンに憧れるけどちょっとハードルが高すぎると思っている方は多いと思います。
そこでキバタンと見た目が似ていて同じように飼うことができ、キバタンよりも難易度の低いオウムをご紹介します。
タイハクオウム
出典:コンパニオンバードどっとこむ
体重450g、体長45㎝程の、小型のキバタン程の大きさです。キバタンの冠羽を白くしたような鳥です。
雄叫びの声の大きさはキバタン並みですが、鳴く頻度はキバタン程多くないようです。おっとりした性格の子が多く、キバタンでは活発すぎるという方に向いています。
キバタン程インパクトはなく認知度は低いですが、キバタンよりもずっと飼いやすい種類です。
コバタン
出典:OPiPhotoAlbum
体重350g、体長34㎝程の、キバタンをそのまま小型にしたような見た目です。小型の分鳴き声もキバタンに比べるとはるかに小さいので、鳴き声だけが問題と言う方にオススメです。
しかしキバタンよりも気の強い子が多いようです。小さいですが長生きで、中には100年生きた子もいるようです。キバタンと同じくらいかそれ以上に長生きする可能性があります。
しかしコバタンは絶滅の危険性が非常に高く、ワシントン条約で国際取引が原則禁止されています。
国内で繁殖された子か、人工繁殖の三代目以降の子であれば入手可能ですが、販売されている個体数が非常に少なく、価格も50万〜100万円する場合もあります。
いかがでしたでしょうか?鳥好きの方なら飼ってみたいと憧れるキバタンですが、誰にでも飼える鳥ではなく、かなりの上級者向けです。
キバタンを飼うからには、自分と家族の人生全てをキバタンに捧げる覚悟でお迎えしてください。
それでも飼いたいと思える方なら、きっとキバタンも飼い主さんも幸せに楽しく暮らせるでしょう。