日本ではあまり馴染みのないアカビタイムジオウム。独特な風貌から人気はあまりないですが、とても飼いやすいオウムです。アカビタイムジオウムの魅力、飼い方、鳴き声、性格、寿命、大きさ、餌、重さ、生息地、賢い、なつきやすさ、温度、多頭飼育、放鳥などについて。
アカビタイムジオウムってどんな鳥?
体重・体長
- 体重:約350〜550g
- 体長:約35〜40㎝程
生息地により大きさが異なりますが、ペットとして飼われているものはほとんど小型の種類です。

出典:「とりっち」
見た目の特徴
アカビタイムジは「赤額無地」と書きます。目頭の辺りが赤、その他の部分は白(無地)のオウムです。
無地と言っても、よく見ると頭、首回り、胸、お腹の羽の付け根は目頭と同じ淡い赤色です。最大の特徴は、目の周りの羽がないことです。
ボタンインコ、ウロコインコなどの目の周りの羽のない部分をすごく大きくしたイメージです。そしてその裸皮部分が青灰色で膨らんでおり、悪い言い方をすればグロテスクな見た目です。
寿命
寿命は約35〜40年生きると言われています。
原産国
オーストラリア、ニューギニアに生息しています。白色オウムの中で野生の個体数が最も多い種類です。
アカビタイムジオウムの鳴き声

出典:なちあび日記
体が大きいので他のオウム同様声も当然大きいですが、オウムの中では小さめです。鳴き方も、キバタンのように「ギャー」という声ではなく、「フゥー」という声で、あまり耳障りになりません。
朝夕の雄叫びもしません。もちろん防音策は必要ですが、他のオウム程大掛かりな防音でなくても大丈夫な場合が多いです。
一軒家であればそれほど気にせずに飼うことができそうです。しかしアパート等での飼育はよほどおとなしい子でなければオススメできません。
しかしいくら声が小さい方とはいえ個体差があります。ショップでは静かな子だったのに家に連れて帰ってきたら環境の変化からよく鳴くようになることもあります。
もしそうなった場合は徹底した防音策が必要となることを理解した上で飼うべきです。
アカビタイムジオウムの性格
頭が良く、賢いオウム
アカビタイムジオウムは、近い種であるテンジクバタンと共に最も知能の高いオウムだと言われています。物真似も上手く、オウム類では珍しく滑舌よくしゃべることができます。
教えた言葉以外でも、飼い主の口癖等、使用頻度の高い言葉を勝手に覚えてしまう程です。しかし頭がいい分、単純な遊びでは退屈してしまいます。
おやつを隠して探させる遊びなど、頭を使う遊びがオススメです。おもちゃのパーツを与えると、自分で組み立ててオリジナルおもちゃを作る子もいるようです。
退屈しのぎに最適な遊びです。芸も簡単に覚えられる知能を持っているので、様々な芸を教えて飼い主共々楽しんでください。

出典:空飛ぶ子犬たち
人によくなつく
人懐こい性格で、自分からスキンシップをとろうと近づいてきてくれます。人見知りもあまりせず、懐くのも早いです。
しかしよく馴れると言っても、キバタンやタイハクオウムのように飼い主にべったりというわけではないので、常にオウムと一緒にいられるわけではない方でも、オウムを寂しがらせる心配が少なく、飼いやすい種類です。
撫でられるのも大好きな子が多く、クークーと甘えた声を出しながらなでなでを催促してくる姿はとても可愛いです。
おねだりされたら、よほどの理由がない限り撫でてあげてください。頭がいい分、かまってもらえなかったときに大きなショックを受けてしまうのです。
やんちゃで活動的
アカビタイムジオウムは褒められたり嬉しかったりすると、頭をクルクル回したりスイングしたりするダンスをします。アカビタイムジオウムのファンの間では「アカビダンス」と呼ばれています。
よく馴れたオウムは飼い主と同じことをするのに喜びを感じますので、飼い主も一緒にアカビダンスを踊ると絆が深まります。またオウムでは珍しく、床にゴロンと転がる仕草をします。
おもちゃを持ったまま仰向けに寝転がる子もいるようです。齧って遊ぶのがメインの他の種類とは一味違った楽しみがあります。
是非一緒に全身を使って遊んであげてください。活発な分、落ち着きさは欠けます。手の上でのんびりしているような種類ではありません。
手に乗せても、飼い主の腕を登ったり降りたりして遊ぶでしょう。大人しくしているように強要するのはやめてください。
なんでも齧る
アカビタイムジオウムはなんでも齧ってそれが何なのか、食べられるのか確かめる習性があります。放っておくと人間の手や齧ってはいけないものも齧ってしまいます。
しかし本能なので完全に止めさせることはできません。齧る強さを教える必要があります。多くの種類は甘噛みもさせないようにしつけた方がいいですが、アカビタイムジオウムの場合そうとも限りません。
本気で齧っていいものと、甘噛みするものを区別させる方がしつけやすいでしょう。頭がいいのですぐに覚えてくれる子が多いです。
アカビタイムジオウムの飼い方

出典:スプラッシュ
温度・エサ
アカビタイムジオウムは頭がいいので、一度破壊したおもちゃは壊し方を覚えていて2度目以降は簡単に壊してしまいます。
同じおもちゃを何度も与えるのではなく、毎回違うものを与えると長持ちしますし飽きずに遊べてオススメです。
とは言っても大型インコ・オウム用のおもちゃはあまり種類が多くありません。安全な木やロープを買ってきて手作りするのがオススメです。
犬のおやつの牛皮でできたガムを使うこともできます。活発な性格ですので、カゴの中で動き回れるのが理想です。なるべく大きく丈夫なカゴを選びましょう。
他のオウム同様、簡単に鳥かごの扉やナスカンを開けます。必ず南京錠で鍵をかけてください。
体が丈夫なので過度な保温は必要ありませんが、15度を下回るようならヒーターをつけたほうが良いでしょう。エサは他のオウム同様、シードかペレットを中心に野菜、果物、ナッツ等を与えて下さい。
多頭飼育も可能
アカビタイムジオウムは野生では1000羽ほどの大きな群れで暮らしているため社交性があり、さらに攻撃的でない性格のため多頭飼育も可能です。
多頭飼育と言っても体が大きなアカビタイムジオウムを同じカゴで2羽飼うのは不可能です。
必ずカゴは別々にしてください。アカビタイムジオウム同士でなくても、他の攻撃的でない種類となら仲良くできる可能性が高いです。特に野生ではモモイロインコと行動を共にしているようなので相性はいいでしょう。
しかし普段は仲がよくても繁殖期には攻撃的になったり、飼い主の取り合いで喧嘩になったり嫉妬したりもするので常に監視していてください。
放鳥は広い部屋で
アカビタイムジオウムは活発な性格のため、モモイロインコなどのように放鳥時飼い主の腕や肩にいるだけで満足するような種類ではありません。飛び回ったり、歩き回ったりしたい性格です。
部屋が狭いと飛んだ時に羽がぶつかってしまいますし、壁に衝突して大怪我をしかねません。なるべく障害物がない広い部屋で放鳥してあげましょう。
いかがでしたでしょうか?独特な風貌さえ気に入ってしまえば、とても飼いやすく楽しいオウムです。
目の周りの裸皮部分も慣れると笑っているように見えて可愛いものです。オウムのお迎えを検討している方は、アカビタイムジオウムも候補にいれてみてはいかがですか?