フクロウの飼い方|餌・飼育ケージ・鳴き声は?

フクロウの飼い方、飼育環境、餌、鳴き声、爪や嘴のケア、食べ物、ケージ、止まり木、放し飼い、温度管理、体重管理について。

モフモフの体にまん丸の目が可愛いフクロウ。近年フクロウカフェが人気を集め、フクロウの可愛さに目覚めた方も多いのではないでしょうか。しかし見た目は可愛くても、猛禽類つまり肉食の鳥です。飼うのは簡単ではありません。

 

フクロウの餌

 

食べ物

フクロウは肉食の鳥なので、当然飼育下でも生の肉を食べさせなければ生きていけません。フクロウのエサとして一般的なのは、栄養価の高い順に冷凍ラット、冷凍ヒヨコ、冷凍ウズラです。

ペットショップ等で販売されています。一種類では飽きてしまう子もいますし、栄養も偏りますので、マウス、ヒヨコ、ウズラ全て食べる子に育てた方が良いでしょう。

 

コオロギやミルワームもおやつとして与えることができます。スーパーで売っている人間が食べる用の生の肉は、血抜きがしてあり栄養が足りませんのでエサにはできません。

フクロウは血からビタミンやミネラルを得ているのです。ドッグフードのような総合栄養食は種類は非常に少ないですが存在はします。

 

しかしヒナのうちから食べ慣らしていないとなかなか食べてくれません。フクロウのヒナを入手するのは難しいですし、もし入手できたとしても素人に育てられるものではありません。

そのため総合栄養食で育てるのは無理があり、生の肉を与えるのはフクロウを飼う上では必ず必要になります。

エサ代はフクロウの大きさにもよりますが月5000〜1万円はかかると思っておいた方がいいでしょう。

 

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餌の与え方

冷凍のものを解凍し、毛や羽を取り、内臓を処理し、小型のフクロウの場合は食べやすい大きさにカットして与えます。

大型のフクロウの場合は解凍して毛を取るだけでも大きさ的には食べられますが、内臓には寄生虫や細菌がいる可能性があるので、与えないほうが安心です。

小型種も大型種も、エサを捌いてから与える必要があります。どうしても捌くのに抵抗がある方は、毛、羽の処理済みのものや、かなり高額ですが内臓処理もしてあるものも売られています。

 

 

フクロウの飼い方

ケージで飼育する場合

フクロウも他のペット同様、基本的にはケージで飼育することになります。ケージは羽を広げてもぶつからない大きさは最低限必要です。

広ければ広いほどフクロウにストレスを与えませんので、なるべく広いケージを用意してあげましょう。市販のものでもいいですが、自作する方もたくさんいます。

 

特に大型種の場合は市販のものでは大きさが足りないので自作する他ありません。市販のものを購入する場合も自作する場合も、フクロウは羽で覆われているためわかりづらいですが、見た目よりかなり細身です。

フクロウが脱走できるような隙間のないものにしましょう。またショップで使っていたケージと大きく変わってしまうと、フクロウは混乱してしまいます。

 

 

止まり木

なるべくショップで使っていたものを再現しましょう。ケージ内に止まり木が必要です。高さを変えて二本以上は用意してあげましょう。

表面がツルツルに加工された木だと、足裏のいつも同じ場所に体重がかかり、足裏に潰瘍ができてしまいます。

自然木のものだと場所によって太さが異なるため、止まる場所によって体重がかかる場所が変わり、足裏に負担をかけないのでオススメです。

 

特にフクロウなどの猛禽類は体重がありますし止まり木の上にいる時間が長いため潰瘍ができやすい傾向があるので注意しましょう。

隠れられる場所がないとフクロウは落ち着きません。完全に体が隠れなくても目隠しになる程度でいいので、隠れられる場所を作ってあげてください。

 

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部屋で放し飼いにする場合

一部屋丸々フクロウの為に用意でき、フクロウにとって安全な空間を保てるなら、部屋で放し飼いも可能です。放し飼いの場合も、脱走できる隙間がないか必ず確認してください。

当然飛びますので上がられたら危ない高いところがないか、間違えて食べてしまいそうなものはないか、いたずらされたら危ないものはないか必ず確認してください。

 

ケージで飼う場合同様、止まり木、隠れる場所が必要です。ケージと違って簡単に取り付けることができないので、場合によっては止まり木をつけるために壁に穴を開けることになるかも知れません。

フクロウにトイレのしつけはできませんので、部屋中の床が糞で汚れます。畳やカーペットは掃除がしにくいのでオススメできません。フローリングが一番適しています。

 

放し飼いするということは、部屋全体がフクロウの縄張りになるということです。お世話の為に飼い主が部屋に入ったら、縄張りの侵入者と思われその度にストレスを与えてしまいます。

場合によっては攻撃されるかも知れません。ケージで飼育する場合よりも扱いづらい子になってしまい、難易度の高い飼い方です。

狭いケージだとかわいそうだと思い放し飼いにしようと考える方も多いと思いますが、ある程度の広さのあるケージで飼育し、フクロウにそこが自分の縄張りだと覚えさせた方が、人間が縄張りに侵入してくる心配がなく、逆にストレスがかからないのです。

 

 

室内の温度

種類にもよりますが、極端に寒い地域に生息しているシロフクロウ以外は皆冬は暖房が必須です。体が大きい分ケージも大きいので、小動物用や小鳥用のヒーターでは暖まりません。

石油ストーブは空気を汚すので、空気の汚れに敏感な鳥類には危険です。エアコン、電気ストーブ、オイルヒーター等空気を汚さず部屋全体を暖めることができるものが必要です。

夏は極端に暑い日はエアコンを使ったほうが良いでしょう。防音の関係で窓を閉め切っている場合はエアコンをずっとつけておくことになるでしょう。エサ代以外にも、電気代もかかることも覚えておいてください。

 

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フクロウの鳴き声

フクロウは種類にもよりますが声はかなり大きく遠くまで響く声です。小型種でも近所迷惑に注意が必要です。夜中に鳴く為さらに迷惑になりやすいです。

どんな種類でも、防音は必ずしてください。また飼い主も夜にフクロウの鳴き声で起こされることになりますので覚悟しておきましょう。

 

 

体重管理

フクロウは具合が悪くても周囲に不調が悟られないように元気なように装います。さらに日中ほとんど寝ているフクロウを、元気のあるなしで健康かどうか判断するのは困難です。

フクロウの健康状態を把握する為には、フクロウの体重、食べたエサの量を毎日計り、記録しておくのがオススメです。

 

急激に体重が減るまたは増える、また少しの体重減少でもそれがずっと続くようであれば何か不調があるかもしれません。

毎日体重計までエサで誘導したり、腕に乗せて体重計の上まで連れて行き、体重計の上でエサを与えることで慣らすことができます。初めは毎日は難しいかもしれません。

週一回でも計らないよりはずっといいので、少ない回数から慣らしていってください。同時に食べた量も記録しましょう。季節、体調、換羽の状況によって必要量が変わってくるので、体重に応じてエサの量を調節してあげてください。

 

 

フクロウの爪・嘴のケア

猛禽類は鋭い爪と嘴を持っています。飼育下では爪も嘴も人間が手入れして伸びすぎを防いであげる必要があります。

しかしよっぽど猛禽類の飼育に慣れている方でない限り、自宅での手入れは困難です。爪は多少であれば出血しても止血すれば支障ありませんが、フクロウがおとなしく切らせてくれることはまずないでしょう。

 

嘴は切り方を間違えると痛みから食事が摂れなくなることもあります。爪も嘴も一緒に獣医師にお任せするのが一番安心です。しかし猛禽類を診てくれる動物病院はすごく少ないです。

犬猫メインの病院ではほとんど診てもらえません。鳥専門病院でさえも、猛禽類は診てもらえないところもあります。近所に猛禽類が診られる病院があるかどうか確認してから飼い始めることをオススメします。

 

 

いかがでしたでしょうか?フクロウはただ可愛いと言うだけでは決して飼えない、とても難易度の高いペットです。

どうしてもフクロウと一緒に生活したい方は、フクロウのためにも自分のためにも、しっかり勉強してからお迎えするようにしてください。