人気のペットのハリネズミ。飼う前にハリネズミの病気の症状や原因、予防法、対処法、寿命についてを。
ダニ症、夏眠、冬眠、歯周病、寄生虫、アレルギー、腫瘍、プルプル症候群など。歩けない、目ヤニ、フケ、熱中症、虫歯、下痢、ストレス、震えは要注意。
ハリネズミの病気の症状と原因
家族として迎えるからには、どのような病気があるのか、どのような症状、対処ができるのか、予防はできるのか、その原因は何かを知っておく必要があります。
飼育下におけるハリネズミの寿命は5年~10年。元気いっぱいに育てる為に、ハリネズミについて理解を深めましょう。
ダニ症
ハリネズミが一番かかりやすいと言っても過言ではない「ダニ症」。
その原因は、既にダニ症にかかっているハリネズミと過ごしたり、床材を共有することから感染します。
症状は皮膚や目の周りにかさぶた、フケが見られます。症状が重い場合、針や毛が抜け、衰弱してしまいます。
ペットショップで売られているベビーでも、すでにダニ症にかかっている可能性あります。販売元によっては、お渡し前にダニ症予防をしてくれます。
夏眠
ハリネズミは暑すぎると夏眠に入ります。と言ってもその本質は熱中症です。飼育下において、夏眠は体への負担が大きく命を落とす危険もあります。
症状は、
- ぐったりしている
- 呼吸がはやい
- よだれを垂らしてる
など、慌てて動かすと危険です。ゆっくりと体温を下げていきましょう。涼しい場所に移動し、冷たいタオルで包んであげてください。体温が下がりすぎないように注意することが大切です。
脱水症状の可能性もあるので、スポイトから水やブドウ糖を与えること。症状が回復したら必ず動物病院に診察に行きましょう。
ハリネズミに適した室温度を守りましょう。人間と違い風で涼しさを感じることはありません。
エアコンを使った空調管理、保冷剤や凍らせたペットボトルをケージ内に設置。
高温多湿によるカビの発生も懸念されるので、掃除もこまめに行ってください。カビが原因で感染症にかかる危険もあります。
冬眠
夏眠の逆で、寒さから冬眠をしてしまいます。低体温症を併発することが多く、命の危険があります。
丸まったまま動かないので、寝ているだけかと思いがちですが冬は夏以上に注意してみてあげましょう。
対処方法は、ペットヒーターの上に乗せ体温をゆっくりと上げてあげること。直接乗せるとやけどの危険があるので、必ず毛布やフリースを敷いてください。
脱水症状の可能性もあるので、スポイトから水やブドウ糖を与えること。症状が回復したら必ず動物病院に診察に行きましょう。
歯周病
実はハリネズミにとても多いのが歯周病や虫歯などの歯のトラブル。原因は人間と同じように歯石がついてしまったり、糖質の高い食べ物を食べることによっておこります。
だからといって糖質の高いもの(果物・フード・ミルク)等を与えてはいけないという事ではありません。コオロギやワームを食べさせることで歯石予防になりますので、積極的に与えましょう。
寄生虫
便が緩かったり、いつもと様子が違う場合には要注意。正常な便は、茶色く、軽くつかむと潰れ、臭いがほとんどありません。下痢、悪臭、異色がある場合は寄生虫を疑いましょう。
寄生虫の原因は、食べ物、劣悪な飼育環境、ストレスなど色々なことが考えられます。動物病院では便から寄生虫検査をしてくれます。定期的に健診に行くことで、最悪の事態を防ぐことが可能です。
アレルギー
ハリネズミは針葉樹にアレルギーを持っています。敷材や小屋に針葉樹を使用すると、皮膚のただれや湿疹が出てきます。
ハムスターなどの小動物用の敷材は針葉樹を使っているものも多くあるので、購入前にしっかりとチェックをしましょう。
敷材や小屋には広葉樹を使用しましょう。
広葉樹でも敷材を吸い込みアレルギー反応が出る場合もあり、症状が出るようであれば、紙やフェレット用のトイレ砂ペレット、チモシーなどを使いましょう。
トイレ砂は臭いを防ぐことができますが、ペレットではなく砂状のものは排泄口に付着し炎症の危険性があります。
ペットシーツは便利ですが、飲み込んでお腹の中で膨張してしまう危険性があります。
できるだけ避けましょう。
腫瘍
お腹や顔周りにできます。良性のイボの場合も多く、その場合には薬や手術によって取り除くことが可能です。
しかし、悪性のガンである可能性も高いのでまずは動物病院で相談をしましょう。
見てわかるものは、しこりや腫瘍などのできものができること。体重、食欲の減退、下痢、出血等の症状も見られます。
原因は加齢や遺伝になるので、毎日の健康チェックや定期健診で早期発見できるようにしましょう。人間同様、悪性のものでも発見が早ければその分治療ができ改善できる可能性も高くなります。
意外と知られていないハリネズミの病気
プルプル症候群
私が飼っていたハリネズミもこのプルプル症候群にかかりました。ハリネズミがかかる病気として、ブリーダーや獣医の間ではよく知られていますがまだまだ一般への認識は低い病気です。
その理由として、飼い主がこの症状に気付いた時にはもう手遅れになっていること。検体が少ないこと。獣医の見落としなどが挙げられます。
症状は、手足の震え、まっすぐに歩けない、自力で立ち上がれないなど、下半身に異常が出ます。
幼少期の環境が劣悪だったり、ビタミンが足りないことで発症するとされており、関節が溶けてしこりのように腫れることもあります。
現状治療法がなく、発症予防の為にバランスよく栄養(ビタミン・カルシウム)を与えること。
しっかりと日光浴をさせ骨を丈夫に育てることで予防が期待できます。