ペットとしてマイナーなコウモリですが、今回はコウモリのペットとして飼うことのできる種類について紹介します。
日本でペットで飼われているコウモリの種類
コウモリは大きく分けてココウモリとオオコウモリに分けられます。
ココウモリの代表的な種類は日本で野生としてよく見られるアブラコウモリです。
主に飛んでいる虫を、エコーロケーションを使って捕食します。
しかし、これらのココウモリは日本では原則飼育はできません。
怪我をしているものを拾って保護する場合にも、申請が必要となります。
まだ病気を媒介したという事例はありませんが、沢山の病原菌を保有しているので素手では絶対に触ってはいけないとされているのです。
そこでペットにできるコウモリとしては、オオコウモリという種類になります。
オオコウモリの中でも主に、
- エジプシャンルーセットオオコウモリ
- デマレルーセットオオコウモリ
の2種類が、現在ペットとして流通している中では比較的入手しやすいコウモリです。
- エジプシャンルーセットオオコウモリ
- デマレルーセットオオコウモリ
はどちらもフルーツバットで果物を主食とします。
例えばバナナやキウイ、リンゴといった、日本でも簡単に入手できる果物を食べます。
小さく切った果物を掴んで口に運び、噛んで汁だけを吸い取った後、カスを吐き出すという食べ方をします。
ココウモリのように、虫を捕まえて食べるわけではないので、エコーロケーションは暗闇の中で移動する時のみ使います。
目視で果物を認識する為、目が大きく発達しているのが特徴です。
エジプシャンルーセットオオコウモリ
出典:ガールズちゃんねる – Girls Channel –
体毛が少し茶褐色で、体長は12センチ〜19センチ、体重80グラム〜170グラム、原産地はアフリカやアラビア半島で生息しています。
デマレルーセットオオコウモリ
出典:ピュア☆アニマル
胸部の毛が少し白っぽく、体長は14センチ〜16センチ、体重は約100グラム、原産地はパキスタンやインドなどの東南アジアの低い山に生息しています。
エジプシャンルーセットオオコウモリとデマレルーセットオオコウモリの違いは、外見にも飼い方にも殆ど差がありません。
エジプシャンルーセットオオコウモリの方が、成体になると70グラム程大きいというくらいの差です。
飼い方については、夜行性で1日に2回の餌やり、小まめな掃除と決まった時間に運動させるなど、共通した点が多くあります。
2種類とも性格は大人しく、攻撃性はあまりありません。臆病なので、静かな所を好みます。
また、群れで生息する習性があるので、一匹で飼育するよりもペアや家族単位で飼育する方が向いています。
現在ではコウモリの輸入が全面的に禁止されています。
全面禁止よりも前に輸入されたものを、ブリーダーが国内繁殖して流通した又は動物園から流通したもののどちらかが、ペットショップやエキゾチックアニマル専門店で出会うことができます。
インターネット上での珍しいペットの取り扱いサイトなどでも見かけることができるので、迎えに行けるならば選択肢にはいるかもしれません。
圧倒的に出回る数が少ないので、なかなか出会うことは出来ませんが、年2回の繁殖期である、春と秋がチャンスのようです。
インドオオコウモリ
インドオオコウモリという種類もペットとして飼育できます。
エジプシャンルーセットオオコウモリが羽を広げると40センチ〜60センチ程度なのに対し、インドオオコウモリは1.5メートルにもなる大型のコウモリなので、家庭では飼育スペースの問題が出てきます。
その為、動物園での飼育はあっても、家庭での飼育は圧倒的に少数のようです。
インドオオコウモリは体長20センチ〜25センチ、体重600グラム〜800グラム、原産地はインド、ミャンマーなど南アジアです。
首回りに赤茶色の襟巻のような体毛があるのが特徴的で、森林に生息しながらも民家の近くにもよくやってきます。
軒先から大きな体でぶら下がる姿はその存在感が衝撃で、さながらマントを纏った吸血鬼のイメージにぴったりですが、意外にも草食で果物や野菜を食べる大人しいコウモリなのです。
飛行距離はとても長く、15キロ以上移動することができます。
飼育下でその運動量を確保することは、家庭では難しいと言わざるを得ません。
沖縄や大東島、小笠原諸島などに生息する固有種のオオコウモリも存在します。
これらは絶滅の危機に瀕しているため、レッドリストに載っており、飼育することは出来ません。
- オガサワラオオコウモリ
- ダイトウオオコウモリ
- エラブオオコウモリ
- オリイオオコウモリ
- ヤエヤマオオコウモリ
などの種類が当てはまります。
野生のコウモリを捕まえて飼育することは、出来ません。
現実的に家庭でペットとして飼うならば、エジプシャンルーセットオオコウモリか、デマレルーセットオオコウモリのどちらかということになります。
ペットショップによっては大きな差がない事から、一括りにフルーツバットやルーセットオオコウモリという名前で販売される事も多いようです。
野生では約10年、飼育下では20年以上生きる事もあるという寿命の長い生き物なので、最後まで責任を持って飼うという覚悟が必要です。
意外にも人間に懐く、ちょっと変わったペットとして話題になる日も近いかもしれません。