ペットとしてのナマケモノの飼い方、飼育に必要なものや費用、寿命、大きさ、販売価格、餌、お風呂、繁殖、重さ、寝る時間、トイレ、温度、食べ物、特徴、値段について。ゆっくりとした動きで、お金がかからないエコペット?のナマケモノですが、初期費用や価格は高額。
ナマケモノの特徴
寿命や大きさ
日本でペットとして飼育されるのは主にフタユビナマケモノという種類です。
- 体長60センチ〜70センチ
- 体重4キロ〜9キロ
- 寿命は飼育下では30年と長寿
ナマケモノの最大の特徴は、ゆっくりした動きですね。生きているほぼ全ての時間を樹上で過ごします。
夜行性なので、日中は木にしがみついて眠っていますが、1週間〜10日に一度木から降りてきて排泄をします。
生態
意外にも色々なものを食べられるので、試してみて好きな餌を探してみるのも楽しいですね。実はナマケモノは哺乳類でありながら、気温によって体温が変化する変温動物なのです。
これによって気温差で消費するエネルギーを節約しているという訳です。しかし、低い気温が続くと栄養を吸収するエネルギーも節約してしまうため、消化吸収もうまくできなくなります。
結果、お腹いっぱいでも衰弱して餓死してしまうのです。アマゾンに生息する動物なので、高温多湿の環境を好みます。
また、ぶら下がれるほどの大きな木を設置する必要があり、ナマケモノらしく飼育するためにはゲージに入れっぱなしにできないことが、ペットとして飼う人が少ない理由の1つです。
しかし、じっと観察しているとその不器用な生き方に不思議な魅力を感じてハマってしまい、海外ではナマケモノ人気が高くなっているようです。
販売価格
珍しいペットなので、ペットショップではお目にかかれません。ネット販売で購入は可能ですが、お値段は桁違いで、約70万円〜100万円です。
日本にいる個体数も少ないのですぐに出会えるペットではなく、相場もあやふやなところがあり、30万円もの開きがありますが、今現在は約100万円と考えておいたほうが良いでしょう。
ペットとしてのナマケモノの飼い方
飼育環境と費用
病院などの移動用にゲージを準備しておくと便利です。根本的に小動物の飼育とは異なり、ゲージの中では生活しません。
ナマケモノは木の上で食事、睡眠、移動、生活をするので、部屋の中にかなりの太さの木を数本設置して環境を作ります。
室温は30度、湿度は70パーセントを保つためにエアコンと加湿器を使います。人間が長時間いるのは不快な環境なので、一部屋ナマケモノにあげるという覚悟が必要です。
素早く動き回る訳ではなく、あくまでゆっくりと木から木へ移動する程度なので広さは要りませんが、高さが必要です。
排泄は木の根元に降りて決まった場所にするので、その辺りにトイレ砂を入れた容器を設置するだけで準備は完了です。
必要なものはたったこれだけなので、環境さえ整えることができるのなら簡単と言えるでしょう。問題は木の設置にかかる工事費用と電気代です。
どれくらいの木を設置するかにもよるので明言はできませんが、ホームセンターで木材を購入して自分で設置したとすると約1万円〜3万円くらいになると推定されます。
電気代は月に2万円は覚悟しましょう。また、高温多湿の為に部屋にカビや苔が生えることもあるようです。メンテナンスもマメにしましょう。
餌の種類
- バナナ
- リンゴ
- 小松菜
- キャベツ
- きゅうり
- 人参
などを与えましょう。最初は購入元に何を食べていたか聞いておいた方が安心です。初めて口にするものは食べたがらないかもしれませんが、小さく切って口の中に入れてやると、思いの外気に入って食べることもあります。
天井や木にぶら下げておけば、自分で上手にもぎ取って食べます。水分は餌から吸収します。
飼育方法
温度と湿度の管理さえしっかりすれば、飼育は然程難しくないようです。餌を毎日与えて、1週間〜10日に1度の排泄物を片付けるだけです。
ぶら下がっている木の根元に排泄して自分で埋め、木の栄養にするという習性があるので、そこにトイレ砂を入れた容器を置くだけでトイレの躾はいりません。
1日の内20時間は寝ているので、一緒に遊んだりお出かけしたりというのはほぼ不可能でしょう。
餌を手渡してあげて食べる様子を観察する、ゆっくりした様子を見て癒されるといった関わり方になります。
犬や猫などのペットとして確立している種族とは根本的に違うということ、ナマケモノの特性をよく理解してあげましょう。
お風呂
基本的にお風呂は入りませんが、意外にもナマケモノは泳ぎが得意です。野生下では自ら川に飛び込んで、対岸の木に移動することもあります。
もし自宅に池やプールがあるなら、試しに泳がせてあげると、意外な一面が見えるかもしれませんね。
繁殖
成功例は少ないので、知識程度に紹介します。ナマケモノは交尾、出産、子育ての全てを樹上で行います。雄は生後4年、雌は生後3年で繁殖可能になります。
野生下でも普段は単独行動ですが、3月〜4月頃に繁殖期を迎えます。交尾をして6ヶ月〜12ヶ月の妊娠期間を経て赤ちゃんを出産します。
妊娠期間に6ヶ月もの差があることには、理由があります。ナマケモノは妊娠をコントロールするという、特殊な方法をとるのです。
これこそがナマケモノが絶滅せず現代に生き残っている理由の1つで、具体的には精子を体内で貯蔵する、着床をコントロールするといった方法です。
それにより妊娠期間にばらつきがうまれますが、赤ちゃんは1度のお産でに1匹しか生まれません。大切に母ナマケモノが育てます。生後4週間までは母ナマケモノの長い毛の中に隠れており、あまり姿を見ることはできません。
生後10週間から母ナマケモノの食べ物に興味を持ち始めます。自分でぶら下がれるようになるのは、生後9ヶ月くらいからです。