犬の中でもポメラニアンは、チワワ、トイプードルについで、常に上位の人気ランキングに入っています。そんなフワフワ、モフモフの可愛らしいポメラニアンについての飼い方をご説明します。
ポメラニアンの魅力
スピッツ一族の中で最も小さい犬種。日本の住環境にもぴったりです。
ツンととがったマズル、ピンと立った耳、上向きに巻いた尻尾は、ポメラニアンの愛らしさの象徴です。
これらの特徴をもつ犬達は全て「スピッツ一族」に分類されています。その直系はサモエドやキースホンド、日本スピッツなどがいます。
頭が良くてアイコンタクトがしっかりととれます。飼い主さんへの忠誠心が強い。
小さいのでお出かけを一緒に楽しみやすい。豊かな被毛が美しくカットでアレンジすることもできます。
ポメラニアンのルーツ
先祖はサモエドです。東欧のポメラニア地方でやや小型化されました。
ポメラニアンの家系図をたどると、先祖にはソリ犬のサモエドがいます。
その血筋を引いているためか1800年代のポメラニアンは、体重が9kgほどもあり、実際にソリを引いていた犬もいたそうです。
現在のような小型犬になったのは、そののちのことなのです。
ポメラニアンの毛と種類
飾り毛が豊富で見た目が華やかふっくらしているのは、スタンドオフコートだからです。
毛が体や尾から立ち上がって毛先が開いている状態(開立毛)がスタンドオフコート。
そのため、ふわっとしたシルエットで、体に当たる雨粒はすばやく流れおちます。上毛と下毛のあるダブルコート。
上毛の下に、短くて厚い綿毛のような下毛が生えている二重毛(ダブルコート)。フワフワな触り心地です。
毛質は真っ直ぐでコシがある
汚れのつきやすい部位の毛は短い。全身毛に包まれたイメージがありますが、足先、頭部、耳などは、ベルベットのような短い毛なので、お手入れしやすいです。
ポメラニアンのカラーの種類
- オレンジ…オレンジ色かかった茶色
- クリーム…やや黄色みを帯びたに乳白色
- ブラック…全身黒
- ウルフセーブル…グレーかかった茶色に、黒毛が交じったカラー
- チョコレートタン…こげ茶色に(黄褐色)の斑が入る
- ホワイト…全身白色
- ブラックタン…黒毛にタン(黄褐色)の斑が入る
- チョコレート…濃い赤褐色
- オレンジセーブル…オレンジ色の毛に黒毛が交じったカラー
- パーティカラー…白色に別の色の斑が一色入る
さまざまなカラーで印象もかわります。JKC(ジャパンケネルクラブ)のホームページで紹介されているポメラニアンの毛の色は13色ですが、それ以外の色の犬もいます。
ポメラニアンのかかりやすい病気・ケガ
- 気管虚脱…丸いはずの気管がつぶれて平べったくなる
- アロペシア…(ポメラニアン脱毛症)…原因不明の脱毛症
- 僧帽弁閉鎖、不全症…心臓病
- 膝蓋骨脱臼…ひざのお皿がはずれやすい
- 外耳炎…アトピーが原因のこともある
- 水頭症…ふらつきやけいれんが起こることも
- 白内障…若くてもかかる可能性あり
- 歯周病、乳歯遺残…永久歯が生えても乳歯が残ったまま
- 前肢骨折…とても細くて折れやすい
関節に負担がかかると病気になりやすくなってしまいます。フローリングは思っているよりもペットの体に負担をかけています。
ポメラニアンのしつけ方・懐かせ方
ポメラニアンに3つのしつけを教えておくとのちに役立ちます。
アイコンタクト
飼い主さんに注目することを教えます
おやつを手で握りニオイをかがせます。鼻の前に差し出してニオイをかがせて集中させます。ニオイが強めのおやつがいいです。
おやつの手を飼い主さんのあごの下へ。愛犬がつられて上を向いたら、名前を呼びます。
「いいこ」とほめてあげてなでます。繰り返すと名前を呼ぶだけで飼い主さんに注目するようになります。
おいで
飼い主さんの足元までくることを教えます。
握ったおやつのニオイに集中させて後ろに下がる。愛犬と向い合い手におやつを握りニオイをかがせます。
集中したら「オイデ」と声をかけ後ろに数歩下がります。
オスワリさせてご褒美をあげる。愛犬が手についてきて足元まできたら、オスワリの指示を出します。できたら褒めておやつを与えて撫でます。
愛犬の名前を呼び、愛犬が目を合わせてきたらほめ「OK」で自由に歩かせます。
繰り返すとオイデの指示で足元までくるようになります。
ハウスで「待て」
ハウスの中でおとなしく待つことを教えます
ハウスの中におやつを入れて誘導します。おやつはニオイを愛犬にかがせてからハウスの中に入れます。
愛犬が中に入ったら「ハウス」と声をかけます。
愛犬が中に入ったら、ほめながら小粒のおやつをいくつもあたえます。
もし愛犬が出てきたら、はじめからやりなおします。慣れてきたら扉を閉め扉越しにおやつを与えて、閉じた状態に慣れさせます。
ポメラニアンはよく吠えるので吠えた時の対応が重要です。
なだめたり、おやつでごまかさないでください。普段から甘やかすと困り事が増えます。
自分の要求を通すために吠えているので、吠えている間は、「見ない、触れない、声をかけない」、あきらめて完全におとなしくなったら声をかけます。
おやつは与えずに静かに撫でるだけにして下さい。
興奮しやすい性格のため、撫でる時はガシャガシャとせずに、ゆっくり優しく撫でましょう。
話しかける時はゆっくりと低めの声にしましょう。高い声で騒ぐと興奮しがちになります。
吠えていない時にはほめるのを忘れないでください。
以上のことから、繰り返し練習しながら、ポメラニアンと飼い主さんの絆や信頼を深め、楽しい暮らしに役立てて下さい。