人馴れし難いと言われるハヤブサを初心者が飼育できるか、ペットとしての飼い方、販売価格、寿命、生息地、大きさ、性格、餌、飼育環境、温度、トイレ、飼いやすさについて。
猛禽類の中では小柄な割に凛々しく狩りをするチゴハヤブサ。狩りをする姿が格好良く大人気のハヤブサですが、大柄で気性の荒い性格なので飼育をためらっていませんか?
オススメなのが住宅事情など日本人のライフスタイルにマッチしたチゴハヤブサという種類がいます。
日本にもやってくる?チゴハヤブサとは?
主にアフリカ大陸やユーラシア大陸に生息しているハヤブサの一種です。猛禽類は国内に生息しているイメージはあまりありませんが、実は北海道や東北地方の夏季に渡ってくるのです。
また、本州の南側では冬を越すチゴハヤブサも見られるほど我が国にとって馴染み深いハヤブサです。
大きさは約30~35cmで一般的なハヤブサよりも一回り小さいため「チゴハヤブサ」という和名が命名されたようです。
体色はグレーや茶色をしていて胸部は白黒の斑点模様になっているのが特徴です。
チゴハヤブサの魅力
出典:有限会社プラスト
チゴハヤブサは鳩ぐらいの大きさで成体でもハヤブサの子どものような見た目です。しかし可愛らしい見た目に反して凛々しく狩りをする姿にギャップ萌えを感じる方も多く、懐いてくれた時の喜びは計り知れないでしょう。
国内ではチゴハヤブサの巣はカラスの巣を再利用したもので、とても頭のいい生き物でもあります。地方ではチゴハヤブサの愛好家が集まる場所もあるようで、密かにファンの多い鳥といえるでしょう。
生息地
森林や草原、牧場など平地から山地にかけて広く開けた場所に生息しています。基本的に単独行動をしていて活餌を狩るために優雅に飛行している姿を見ることができます。
持ち前の瞬発力と反射神経を駆使して空中で獲物をとらえることができます。
チゴハヤブサの寿命と販売価格
チゴハヤブサの寿命は約20年といわれています。価格は約20~30万円とかなり高額なペットに分類されます。
主に猛禽類専門店で取り扱っているようですが、一般的なペットショップでも稀に販売されることがあるようです。
チゴハヤブサの性格
チゴハヤブサに限らず猛禽類全般にいえることですがオウムやインコ、文鳥のように人に必ず懐く鳥ではありません。
飼育下繁殖個体は比較的人に懐く個体が多い一方で、あまり人と触れる機会の少なかった個体は野性的で信頼関係を築くまでに時間を要します。
自然界では広い場所で優雅に飛行することを好むので、鳥小屋に入れてお世話をしているとストレスが溜まってしまいます。
フクロウの飼育に使われるような大型の止まり木を室内に設置してリードで繋いであげている方がいいようです。
攻撃的な性格でもあるので飼い主が体調の悪い日に信頼関係の築けていないチゴハヤブサと過ごすと襲われる危険性もありますので注意が必要です。
ペットとしてのチゴハヤブサの飼い方
出典:北海道札幌の自然
飼育環境
室内で飼育する際は自由に滑空できる広大なスペースを用意する必要があります。ストレス耐性が低く、ケージ飼育が難しい上にトイレのしつけができないので部屋が汚れる覚悟が必要です。
動物食の猛禽類は糞尿がとても臭うためある程度の慣れも必要となってくるでしょう。
冬に本州へ渡来する個体もいるため南国に生息する鳥のように温度管理に神経質にならなくても良いのですが、冬季は10℃以上を保つようにしたほうが快適なようです。
チゴハヤブサは鋭い爪を持っているので怪我をしないように配慮することも大切です。
また、神経質な性格なので触れ合う時間が長いとストレスを溜めてしまうためお互いにある程度の距離感を保ってあげましょう。
チゴハヤブサの餌
チゴハヤブサは肉食性で飛行能力のある昆虫や小型鳥類、コウモリなどを食べています。
飼育下においては冷凍マウスやコオロギ、デュビアなどペットショップでも販売されている一般的な動物食ペット用の餌を与えます。
おやつにミルワームを与えると喜びますが、主食としては栄養価が足りないためオススメはしません。
チゴハヤブサは飼いやすい?
出典:『バード&アニマルプロショップ テイクオフ』
フクロウカフェなど猛禽類の人気が高まりメディア露出も増えてきて注目されているようですが、まったくの初心者がいきなりお迎えするには少しハードルが高いように思えます。
特に神経質でストレスを抱えやすいチゴハヤブサは幼体から飼育をしないと慣れにくいので、事前知識を持って飼育に臨む必要があります。
しかし、田舎など比較的敷地面積の広い住宅が立ち並ぶ場所では初心者の方でも十分に飼育することができるのではないでしょうか。
やはりストレスを溜めないことが最も大切となりますので、そこをどうクリアするかが一番の問題となります。
まとめ
餌が昆虫や冷凍マウスなど苦手とする方が多いモノなので抵抗がある人もいると思います。
でも飼育をしているうちに何とも思わなくなってきてミルワームやデュビアを素手で処理するようになりますので、心配はいりません。
少々飼育難易度の高いチゴハヤブサですがそれだけ魅力のあるペットですので、ぜひ飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。