ペットとしてのフェネックの飼い方特徴や販売価格、繁殖方法、発情、交尾、妊娠出産、育児、値段、大きさ、寿命、性格、飼育に必要なもの、餌、費用、飼育環境、しつけ、病気、騒音について。
小さいきつねの可愛いフェネックですが、高額で個体数も少ないのであまりメジャーなペットではありません。
フェネックの特徴
大きさや性格
体長約35センチ〜40センチ、体重1キロ〜1.5キロのウサギほどの大きさです。大きな耳が特徴で、聴覚はとても鋭い生き物です。顔はキツネの様ですが、性格は臆病で警戒心が強い動物です。
人間によく慣れていれば、お腹を見せて撫でて欲しいとアピールしたり、嬉しい時に尻尾を振ったりする行動をとることがあり、そういったところはイヌに似ています。
毛色は顔から腹部が白っぽく全体にベージュ色で、尻尾の先だけが黒いですが、柔らかくフワフワの被毛はウサギの様な手触りです。
夜行性?
夜行性で穴掘りが得意な動物なので、夜中にゲージの中で掘ったり動き回る物音が大きく、同じ部屋では寝られない程です。
騒音の問題からマンションなどの集合住宅では飼育が難しいと言われています。狩りをしてネズミや昆虫、鳥を捕食して主食としますが、果物や葉も水分補給として食べる雑食動物です。
飼育下ではドッグフードやキャットフード、匂いがきつくない果物や野菜を餌として与えます。
寿命
沢山は飲みませんが新鮮な水もあげましょう。寿命は動物園での飼育で14年の記録がありますが、平均して約10年と言われています。
基本的にしつけはできません。トイレも覚えないので掃除を定期的にしないと、臭いがかなりキツくなります。
運動量も多い為、ゲージから出した遊ばせてあげる時間をつくるか、できるだけ広い飼育スペースを確保しなくてはいけません。
フェネックの販売価格
生体の価格は60万円〜100万円と高額で開きがあります。
ペットショップでは80万円〜100万円で売られていますが、ブリーダーから購入する場合60万円〜80万円と若干値段が抑えめになっています。
フェネックは個体数が少なく、繁殖も容易ではないので値段が下がらないようです。
ペットとしてのフェネックの飼い方
出典:grape [グレイプ]
必要な飼育用品と費用
フェネックは専用の飼育道具がありません。他の小動物用の物を代用して使います。猫用の大き目のゲージは1万円〜2万円、餌箱約千円、ゲージに設置できるタイプの給水ボトル約千円ほどです。
また、フェネックは足元が金網のゲージは向かないので、別にスノコを用意して敷いてあげるといいようです。
約千円〜2千円で用意できます。遊んだり休んだりできる場所として、猫やフェレット用のハンモック、巣箱なども設置します。各千円程で手に入ります。
ゲージの下に受け皿が付いていて排泄物が落ちるのですが、わざわざペットシーツを購入しなくても新聞紙を敷いた方が経済的ですし、フェネックがイタズラをしてポリマーを口に入れる危険も回避できます。
おしっこは給水しないので、こまめな掃除が必須です。フェネックはゲージの中だけでは運動不足になってしまうので、できるだけ部屋に出して遊ばせてあげるのが理想です。
運動量も多くかなりイタズラ好きなので、コードなどの齧られたら困るもの、家具などは必要に応じて板などで保護し、床も撥水のカーペットを敷いて万全の体制をとりましょう。
登るのも得意なので、キャットタワーがあると喜んでくれます。
与える餌と頻度
フェネックは雑食性です。主にドッグフードやキャットフードを食べさせます。餌やりは朝1回、夕方に多めに1回あげましょう。夜行性なので、夕方に多めの方がよく食べます。
犬のように一気に食べるのではなく、いつでも食べられるようにしておくと小まめに食べる、という風になるので、腐りやすいものは早めに捨てましょう。
野菜や果物は匂いがきついものを避けて、にんじん、キャベツ、りんご、バナナなどを与えましょう。野菜や果物から水分を補給しますが、飼育下では給水ボトルで水も飲めるようにしてあげてください。
毎日の餌やりはこれで十分ですが、食べられるものは沢山あります。おやつ程度にあげるのもいいですね。
ペット用の生肉、コオロギ、バッタ、ミルワーム、ヨーグルト、ビーフジャーキー、乾燥小魚、季節の野菜や果物などです。
人間用のお菓子は絶対にあげてはいけませんが、いろんな種類のものを食べさせられるのも、飼い主さんにとって楽しみですね。フェネックの個体によって好き嫌いもあるようですので、ぜひ色々試してみて下さい。
飼育環境
出典:みっくす☆ジュース
フェネックは寒さに弱いので、真夏以外はエアコンで適温の26度〜30度、湿度も低めに保つよう気をつけましょう。
冬場などはペットヒーターで局部的に暖かい場所をゲージの中に作ってあげるといいようですね。
その場合、暑くなったら移動できるように、一部だけ温めるようにしましょう。これらの電気代は月に約8万円くらいかかるようです。
しつけ方
出かける時、夜間以外はできるだけお部屋に出して遊んであげてください。トイレの躾はできないフェネックの方が多いので、お部屋で排泄をしたら叱らず、すぐに掃除してあげましょう。
もともと警戒心が強く、飼い主さんにベタ慣れするのは珍しい動物です。
怒られると理解できないのに恐怖心ばかりが増えて、飼い主さんとの溝が深くなってしまいます。くれぐれも大きな声で怒鳴ることはしないでください。フェネックの日中の過ごし方は主に昼寝です。
自分が気に入った場所に行って可愛い寝顔を見せてくれます。オヤツは控えめに、飼い主さんの手からあげましょう。大切なコミュニケーションです。
次第に慣れてくれば撫でさせてくれたり、甘えてくる事もあります。フェネックは足が4本とも地面についていないと緊張してしまう動物なので、抱っこは苦手なようです。
無理のないように可愛がってあげてください。
お風呂には入れれる?
出典::’uli’uli*
排泄物で汚れた体が時はとても臭います。衛生的にもシャンプーしてあげましょう。
最初はお風呂の水を抜いて、飼い主さんもびしょ濡れ覚悟でバスタブで洗ってあげると後片付けが楽です。
慣れてくれば洗面器にペット用シャンプーを溶いて洗うこともできます。
しっかりすすいで、怖がらなければドライヤーで乾かしてあげましょう。ドライヤーを嫌がるなら無理せずしっかりタオルで拭き取って、暖かい場所で乾かします。
なりやすい病気
フェネックの診察をできる病院は少なく、非常時に見つけるのは至難の技です。
フェネックをお迎えしたら、健康診断とフィラリアワクチン接種の為にも早めにフェネックを診てくれる病院を探し出して、受診しましょう。
健康でいてくれることが一番ですが、有事の際や健康診断、爪切りなどで数ヶ月に一度通うことになります。
うるさい?騒音対策はいる?
フェネックが飼いにくいという理由の1つに、夜間の騒音があります。夜行性ということもあり、飼い主さんが寝ている間は床を掘る音や鳴き声がかなり大きく、同じ部屋ではとても寝られません。
マンションなどの集合住宅では飼えない理由です。防音などの工夫が必要です。かなり大掛かりな準備がいることが分かりますが、それだけ飼いにくいペットだということです。
フェネックを飼っている人は専用のフェネック部屋を作る人もいます。費用と時間をかけるそれだけの覚悟がなければ、飼えないペットなのです。
人間もフェネックも快適に生活できて、お互いにいい関係を築くためにも、しっかり準備をしてお迎えしたいですね。
フェネックをペットで飼うなら繁殖したい
出典:ニュースウォーカー
フェネックの繁殖、子育てについてはまだ分かっていないことが多く、飼育法も確立していません。その中でも繁殖に成功しているブリーダーや一般の飼い主さんは存在します。
彼らの記録を元に、成功率が高いと思われる方法を紹介します。
まず、フェネックは家族で構成する群れで生活する動物で、父フェネック、母フェネック、子供達、幼獣など約10匹ほどで生活します。
その為、繁殖を目的とするならペア飼いが向いていると考えられます。春に繁殖シーズンを迎えますが、必ず毎年発情するわけではないようです。
また、飼育下では11月頃に発情期を迎える事も少なくないようで、暑すぎず寒すぎなければ繁殖可能という事になり、発情するという仕組みです。
しかし、仲が良さそうなペアでもなかなか発情に至らず、繁殖が難しいのが現状です。
発情
フェネックは生後約6カ月で性成熟します。雌が発情すると、ペアの雄がつられて発情というケースが多いのですが、必ず雄が発情するとは限らない事に、フェネックの繁殖の難しさはあります。
また、雌の発情は約1日〜7日と短くその間に交尾をしなければいけないので成功率が低いのです。決まったペアで繁殖するので、一度つがいになると別の相手では繁殖できないという特徴もあります。
目安ですが、発情した雄はお腹を上にしてみると、睾丸が目立ってきます。同じくお腹を上にすると雌は生殖器が大きく見え、入り口が開いているように見えます。
雄、雌ともにホロロロロ、クルクルクル、など、いつもと違う鳴き声をあげます。また、この発情している時期は共通して飼い主さんに甘えん坊になる、ということが多いようです。
交尾
雄は何度も雌の後ろからマウンティングしようと手をかけます。しかし、最初雌は受け入れ態勢をとらず、拒否します。雄はめげずに何度もチャレンジしようと数日頑張ります。
そのうちに雌が尻尾を横によけて前傾をとり、受け入れ態勢をとったら交尾に至ります。交尾が始まると雄のペニスは入ったまま、抜けないようにロックされます。
交尾結合と呼ばれますが、最初はマウント体制だったのがお互いに生殖器が繋がったまま後ろ向きでくっついているという体制になります。フェネックの交尾は長く、このまま1時間を超える事もあります。
妊娠
フェネックの妊娠期間は約70日で一度に2匹〜5匹の赤ちゃんを出産します。雌のおっぱいが大きくなって、体つきもふっくらしてきます。お腹をそっと触ると胎動を感じることができます。
この時点で病院で検診を受けて、お腹の中に何匹の赤ちゃんがいるのか確認しておくと、出産時に慌てずに済みます。この時に産まれたての赤ちゃんの対処を聞いておきましょう。
体が極端に小さい赤ちゃんや、体温が下がっている赤ちゃんは温めたり人工哺育が必要になる場合もあります。
母フェネックが初産の時は育児に戸惑い、母の自覚はあるもののどうして良いか分からないといった事態が高確率で起きます。
飼い主さんが様子を見て、何度か母フェネックの元に戻したり、赤ちゃんフェネックの生命の危険だと判断した場合には人工哺育に切り替えなければいけません。
その時のためにフェネック用ミルク、ペットヒーター、ミルクを飲ます時に使うスポイトなどを準備しておきましょう。
母フェネックの餌は体重の増加に伴い、多めにしましょう。動物性タンパク質が重要で、ヨーグルト、ササミ、ワームなど栄養価の高いものを選んで、野菜や果物もバランスよくあげましょう。
巣箱は出産時に慌てずに対処できるように、大きめのものを予め用意しておくといいです。
出産
出典:TETOism
フェネックは夜間に出産することが多いようです。朝起きると既に生まれていた、なんてこともありますので、就寝前に母フェネックの様子を良く観察しましょう。
落ち着きが無くなっていたり、もうすぐ出産日が近いなら、父フェネックを別ゲージに分けていつでも出産できるように準備しておきましょう。
母フェネックのゲージには、落ち着けるように布をかけて薄暗くして静かな部屋で温度と湿度に気をつけてあげてください。赤ちゃんは生まれてすぐに保温されなければ命の危険が伴います。
できるだけ飼い主さんが出産に立ち会いたいところですが、夜通し何日も見ているわけにはいかないので、夜中に様子を伺うとか、朝早めに様子を見に行くなどした方が赤ちゃんの生存率が上がります。
母フェネックは全ての赤ちゃんを出産した後、胎盤を出して食べてしまいます。それによって母乳が出るようになります。
飼い主さんが赤ちゃんの数を確認して、死産の子はいないか、元気のない子はいないか、確認しましょう。
育児
母フェネックが落ち着いていて、母乳をあげたり保温してあげたり、舐めて排泄を促していれば安心です。育児は母フェネックに任せましょう。
父フェネックも、ずっと一緒にペア飼いしていたのであれば、様子を見て一緒に飼育できます。
実はフェネックは父親も育児に参加する動物で、舐めたり安全なところに運んだり温めたりするのです。
ただ、母フェネックと同様に初めての育児に戸惑い、落ち着きがなかったり赤ちゃんが危険な様子であれば、ゲージを分けるか飼い主さんが人工哺育した方が良いでしょう。
生後約10日程で目が開きます。生後約4週頃になると、離乳食を始めましょう。お湯でふやかしたフードにミルクをふりかけると、よく食べるようです。
様子を見て摩り下ろした果物や、柔らかいものを与えましょう。生後約3ヶ月で完全に離乳します。里親に譲るならこの時期からにしましょう。