雪上でそりを引く姿と言えばトナカイよりもシベリアンハスキーを思い浮かべる方の方が多いのではないでしょうか。
あの極寒の大地で行われる犬ぞりレースで強く健気に走る様子に、シベリアンハスキーが主人へ従順であり、集団生活向きの犬であることが感じ取れます。シベリアンハスキーの飼い方について紹介します。
シベリアンハスキーのルーツと特徴
別称をアークティック・ハスキーと言い、アークティック(Arctic)とは北極圏という意味で、その名前や原産地の通り寒さにはめっぽう強く、暑さには非常に弱いのが特徴です。
また犬ぞりレースでの果敢な走りや狼に似た風貌からは、怖気づいてしまうほどの迫力があり、シベリアンハスキーはさぞ手も付けられないヤンチャな犬であると思ってしまうほどの先入観がありますが、実際はおとなしく、飼い主に従順で、それゆえに古くから人々と生活を共にする用務犬として重用されてきました。
積極的に吠えることのない犬種ではありますが、社会性豊富な特性であるために、属している集団から長時間孤立させられると仲間に呼びかけようと遠吠えする姿は狼を連想させます。
シベリアンハスキーのカラー・目の色が違う子も?
他の犬種と比べて際立って異なる特徴であり、人気を惹きつける大きな魅力は、なんといっても宝石のような目の色でしょう。
ブルーや褐色、ブラウン系やハシバミ色などがほとんどで、左右の目の色が違うバイアイタイプも標準化されています。
また毛色もブラックやホワイトがかった独特の毛並みをしていて、シベリアンハスキーと一様に取り上げても目や毛の色の違いで、それぞれが独特の存在であることが人気を呼ぶ個性を生み出しているのでしょう。
シベリアンハスキーの価格とかかる費用
シベリアンハスキーの子犬の販売価格は10~20万円です。
血統の良い個体を選べば25~30万円、さらに良血の個体であればそれ以上の値段で取引されることもあります。
購入費用がある程度まとまってかかってきますが、シベリアンハスキーは大型犬種であるので、ランニングコストにも注意が必要です。
餌代は一般的なドッグフードで月々大体6,000円前後、豊富な運動量に比例して食事量も多くなるのでドッグフードのほかにおやつなども必要になってきます。
ドッグフードは色々あってどれにすれば良いかわかりませんし、今使っているもので大丈夫なのか不安ではないでしょうか。
そのような方は「売れているドッグフード・値段の違いについて」を読んでから決めましょう。
- フードボウル
- 水飲み
- サークルにトイレ
- 散歩用の首輪とリード
など一般的に必要なものだけでなく、暑さが苦手なシベリアンハスキーのためにクールバンダナや冷感マットなどもあらかじめ準備しておきたいものです。
よって初期費用が5~10万円かそれ以上必要になってきます。
他にはワクチン代や病気になった時の医療費などが発生しますので、飼育の際にはよく計画すべきでしょう。
シベリアンハスキーの飼育方法
シベリアンハスキーはそりを引く姿がすべてと言ってもいいほど、あの姿が飼育方法にも如実にあらわれます。
まず環境的には、暑さに弱いために衰弱したり、シベリアと異なる日照条件のためにしばしば目に関する病気が発生します。
また必要な運動量も多いため、散歩がなくて運動不足になるとストレスが溜まって、威嚇したり吠えたりとしつけが難しくなることがあります。
1日2回、できる限り長い時間散歩をするべきで、1時間以上かけて運動させる必要があります。
激しい運動は、大型犬によくある股関節のケガに繋がりますので、暑い時間をさけ、充分に時間をとって散歩しましょう。
暑さに弱いことから抜け毛が多いのでブラッシングをこまめに行いましょう。
シベリアンハスキーのしつけ方
シベリアンハスキーのしつけで重要なポイントは、この犬種がどのような性格であるのかをしっかりと理解することです。
遊び好きで好奇心旺盛、狼のように独立心がある反面、社会性も強く、集団への帰属意識や回帰性が高く、所属集団のリーダーに対しては忠誠を誓い従順になり、また所属員とみなした者に関しては小動物や爬虫類など生態に関わらず、親和性、融和性をもって接します。
飼い主との密なコミュニケーションは大切で、毎日の散歩も貴重な時間となりますが、あまりベタベタしすぎると主従関係が曖昧になることもあるため、ときには自由にさせることが必要になってきます。
遊び好きという性格は、しつけに対する姿勢を単なる遊び感覚にさせます。
しつけを効果的にする方法は、その犬種の性格を上手に活かしてあげることです。
運動量が豊富で食欲旺盛なシベリアンハスキーに対しては、散歩で疲れさせて給餌する際にしつけを行うことで取り組む姿勢が変わってきます。
効果的とは言っても、トイレや散歩の仕方、食事、留守番など完全に習得するまではかなり根気強くやらないといけないのは変わりません。
他の知能の高い犬種と同様にはいかないことをよく理解して愛情をもってしつけに取り組んであげてください。
シベリアンハスキーと築いた主従関係は一生もので、これほど楽しく頼もしい犬種もなかなかありません。
シベリアンハスキーの子犬
シベリアンハスキーは体長約60㎝、体重20kg前後まで成長します。
平均寿命は約12~14年で5~6歳までが人間でいう成長期にあたると言われています。
購入の際、子犬を選ぶ時のコツとしては、頭部や胸がしっかり張っている子で、そういう子は体格もよく病気にならないように成長していきます。
特に気をつけたいのは性格面で、落ち着きがなくはしゃぎ過ぎていたり、遊び過ぎの犬は、飼い主の言うことを聞かなくなってしまうことです。
子犬の入手に関しては、少々手間がかかっても直接ブリーダーとやりとりをして、育成方法やしつけ具合などをよく吟味してから子犬の購入に踏み切るのが賢明です。
成長期の適切なしつけが必要であるので、初心者向きとは言えないところがあります。
白内障と緑内障
白内障は老化に伴って発生する確率は高くなり、治療する薬は現在のところありません。
白内障は目の水晶体が白く濁る病気で、視力が低下して周りが見えずに物にぶつかることが増えてきます。
早期の発見によって白内障の進行を抑えることができるので日々の観察を大切にしてください。
また緑内障も良く発生し、痛みがあるために徐々に食欲が落ちることから元気がなくなり衰弱していきます。こちらも早期の発見と治療で失明と衰弱から守ってあげましょう。